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2016.06.10【和歌山】

和歌山経済新聞

和歌山・西高松に店名も看板もないパン店 若手職人が口コミだけの集客に挑戦

 和歌山県立図書館近くの栗栖ビル3階に、店名のないパン店(和歌山市西高松、TEL 090-6664-6822)がオープンして1カ月半がたった。店舗面積は10坪。

 あえて店名を付けず、階段マークを店のロゴ代わりとしている同店。店主でパン職人のなかむらたかしさんは「昨今の先進的な企業は社名を入れず、アイコンやロゴマークだけで自社を表現している。日本も古くは家紋などで表現していたので、名前がなくても相手に伝えることができるのではないかと思った」と意図を話す。「皆さんの遊び心で呼び名を付けてもらえたら」とも。

 なかむらさんがパン職人の道を目指すことになったのは高校生のころで、アニメ「焼きたてジャぱん」の影響を受けたという。パンを焼いて友達に食べさせたところ好評で楽しく感じたことから、大阪などのパン店で5年間修行して独立。昨年1年間はギャラリー「onomachi α(おのまちあるふぁ)」(東高松)の店頭で週末にパンの販売を行い、開店準備を進めてきた。

 メニューは定番の「みんなのパン」(580円)やライ麦パン(620円)、くるみとぶどう(680円)、いちじくとバニラ(720円)のほか、季節の食材を使ったパンなどを常時10種ほど用意する。

 「自らSNSでの情報発信や宣伝はほとんどしていないが、口コミで徐々にお客さんが増えてきた。9割くらいが女性で、年配の方も買いに来られる」となかむらさん。お土産用としてまとめ買いする客も多いという。「ハード系だが中はもっちりした食感で、ほかのパン店には置いていないタイプ。そのおかげで『食パンならあちらのお店』『ハード系ならこちらのお店』と、パン店同士で紹介しあえるのがうれしい」と笑う。

 今後の展望について、「日本ではおにぎりや丼のように、主食とおかずを一緒にする文化がある。今は見た目にもパンとわかるハード系だが、主食とおかずが1つのパンで食べられる食材をたくさん取り入れた新しいジャンルのパンに挑戦している。まだ誰も見たことがないようなパンを焼いて、日本の文化を表現したい」と意気込む。

 営業時間は11時30分~18時。月曜・火曜定休。 

 ※10月20日追記:現在営業時間は9時30分~14時30分に変更されています。
(和歌山経済新聞)