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2017.07.31【東京】

下北沢経済新聞

下北沢の老舗パン店「アンゼリカ」に長蛇の列 閉店惜しむ客続々

 下北沢南口商店街のパン屋「アンゼリカ」(世田谷区北沢2)が7月31日で閉店する。

 創業から今年で50年を迎える老舗の同店。朝9時からの営業で、名物のみそパンやカレーパンは1日平均1500個を製造しているが、それでも追いつかないため、開店~売り切れで店をいったん閉めるという変則的な形で営業してきた(9時開店、13時開店、16時開店)。最終日の今日、16時売り出しの回のパンが無くなり次第、営業は終了する。みそパンとカレーパンは1人3個まで。

 最終日となった31日、外は30度を超える猛烈な暑さにもかかわらず、同店を愛する古くからのファンで長い行列ができた(15時半の取材時で80人ほど)。

 16時の回の先頭に、汗を拭きながら並んでいた30代女性は「13時からの回に来たら買えなかったので、仕方なく16時の回に並んだ。子どもから閉店のニュースを聞いて駆け付けた」と話す。2番目に並んでいた40代男性は、「遠方に住んでいるので、16時の回に確実に間に合わせるよう、今日は会社を休んで来た。学生のころに2~3回しか食べたことがないのに、閉店を知ったらどうしても食べたくなって」などと閉店を惜しむ声が多数聞かれた。

 偶然通りがかり閉店を知った40代の女性も「今日で閉店すると知ってびっくりした。この同じ並びにある時計店も9月で閉まってしまう。どんどん通りが変わっていくのがさびしい」と話す。

 同店の軒先には「昨年(平成28年)の代表取締役逝去に伴いアンゼリカの営業を続けていくことが困難となりましたので来る7月31日をもって閉店させていただく事になりました。スタッフ不足など、諸事情により欠品する商品も多数出てくると思われますが、何卒よろしくお願い致します。50年の長期にわたり支え、応援してくださった皆様に心より感謝致します。残された期間精一杯頑張りますのでよろしくお願い致します。ありがとうございました」(原文ママ)」と書かれた紙が貼り出され、店内は多くのファンで埋め尽くされていた。
(下北沢経済新聞)