食のプロおすすめ パンを楽しむ 美食の足し算

vol.02 はちみつの達人に聞く、パンとはちみつのマリアージュ

紹介してくれた人

株式会社ラベイユ 営業部部長
光益 秀輝さん


JSA認定のソムリエの資格を持ち、ワインソムリエとして活躍した後、チーズ専門店を経て、はちみつ専門店「ラベイユ」に入社。国内外の数多くの養蜂家を訪ね、草花とミツバチを育む豊かな自然環境に触れ、自他ともに認める「ミツバチ&はちみつLover」に。さまざまな食材とはちみつとのマリアージュを探求し、奥深く幅広いはちみつの魅力を伝えるべく、イベントやセミナーなどの講師としても活躍しています。

おすすめの組み合わせ

やさしい甘み・香りとミルキー感に、バゲットの芳ばしさが合う
フランス産「ローズマリー」+バゲット

赤ワインには肉や赤身の魚を合わせるように、パンとはちみつも「色」を合わせてあげると選びやすいです。白いパンには淡い色のはちみつ、黒いパンには色の濃いはちみつが合います。
淡いやさしい色味のはちみつは、クセがなく、やさしい味。色が濃くなるにつれ、個性的な味わいや風味が際立っていくのです。
また、多くのはちみつは、低温になるとブドウ糖が白っぽくシャリシャリした結晶になります。唯一「アカシア」は低温でも結晶化しにくい「リキッドタイプ」。一方、最初から細かな結晶を混ぜて丁寧に撹拌し、なめらかなペースト状にした「クリームタイプ」のはちみつもあります。パンと一緒に、ジャムやスプレッドの感覚で楽しめます。
フランス産「ROMARIN」(ローズマリー)は、フランス南部、地中海沿岸のラングドック・ルーションで採蜜されたはちみつです。白あんにも似た温厚で豊かな甘みが特長のクリームタイプ。ハーブそのものに比べると、より穏やかな花の香りが、はちみつの甘みを味わった後にふわっと鼻に抜けていきます。
クリーミーなテイストと相性がいいのは芳ばしさ。クラストがパリッと焼けて、小麦の味をダイレクトに感じられるバゲットとのマリアージュをぜひお試しください。バゲットの芳ばしさと小麦の味わいに、はちみつのミルキーな甘みが絡み合い、かみしめるうちにわずかに酸味も感じられ、爽やかなハーブならではの清涼感が余韻として残ります。
また、熱々のバタートーストに添えると、熱で温められ、ほわっと立ちのぼる香りも楽しめます。  

私のお店のおすすめ

オールマイティに使えるスペイン産「レモン」
スペイン産「LIMONERO」(レモン)
地中海性気候の影響を受け、夏は暑く冬は温暖なムルシア地方で採蜜。柑橘系のほどよい酸味があり、紅茶にもよく合います。

当社では世界10か国80種類以上のはちみつを取り扱っています。実際に味わってお好みを見つけていただけるよう、店舗には試食をご用意しています。迷ったときはスタッフにお声をかけていただければ、お使いになるシーンや食材などに合わせて、チョイスするお手伝いもいたします。

はちみつは、採蜜した花の種類で8種類(フルーツ、草花、樹木、ハーブ、ナッツ、百花蜜、甘露蜜、野菜)に分類していますが、同じ国、同じ地域、同じ植物でも、養蜂家によって色も味わいも違ってくるのが奥深いところ。不思議なことに、繊細な養蜂家さんのはちみつは繊細な味わいに、はっきりとした性格の養蜂家さんがつくると、はっきりした味になるようです。商品ラベルには、採蜜地と養蜂家の名前が記載されていますから、味わいを比べてみたり、はちみつを育むテロワール(気候風土)や養蜂家さんに思いを巡らせてみるのも楽しいかもしれません。

スペイン産の「レモン」は、「アカシア」と並んでクセがなく、やさしい甘みでオールマイティに使えるはちみつです。とてもやわらかなクリームタイプで、そのままパンにつけたり、紅茶やヨーグルトに混ぜたり、チーズにも合います。柑橘らしい、爽やかな酸味があり、クリームチーズと合わせると、それだけでレアチーズケーキ風のデザートに。また、和食を始めとするお料理に砂糖の代わりに使うと、まろやかな甘みとコクが加わります。

店舗情報

店名
ラベイユ荻窪本店
住所
東京都杉並区天沼3-27-9
TEL
03-3398-1778
営業時間
10:00~19:00
定休日
なし
URL
http://www.labeille.jp/

食のプロおすすめ パンを楽しむ 美食の足し算 TOPに戻る