パンのテーブル

パン屋さんの愛情たっぷり「イチ押し!」パン

  • マルフクベーカリー
  • ル・ルソール
  • CALVA
  • ブーランジェリースドウ

マルフクベーカリー

子供から年配の方まで、客足が途切れることのない板橋区志村坂上の人気店。創業66年、変わらず愛され続けるベーカリーには、お客様を喜ばせる工夫とアイディアがいっぱいです。

マルフクベーカリー
住所:東京都板橋区志村2-9-2
電話:03-3966-1013
営業時間:8:30~21:00
定休日:日曜

「スイーツ感覚でかわいくランチ」がコンセプトの「デリロール」

マルフクベーカリーでは、スタッフ全員に毎月1つ新商品の開発を課しています。

「1人ひとりがお客様のニーズを捉え新しいことに挑戦していくことで、活気も生まれます。お客様には、新商品を楽しみにお店に足を運んでもらいたいですね。」とシェフの阿部さん。

その取組みで生まれたのが、こちらの「デリロール」。考案者はスタッフの上野泉さん。当時ブームだったロールケーキをヒントに発想しました。たくさんの具をしっかりとロールできるパン生地を焼くのは阿部さん。大きく平らな生地に太巻きの要領で具を乗せ、巻いていく作業は2人がかり。きれいに仕上げるのが難しく、上野さんやベテランスタッフの職人技が光ります。

「ドライトマトを練りこんだほんのりオレンジ色の生地は、ケーキのような可愛らしさを出したかったからです。卵、ポテト、ツナサラダなど、みんなが大好きなサンドイッチの具材を選び、ハムではなく燻ベーコンでリッチ感を出しました。ロールケーキのように、フォークで食べられて女性のランチに大人気です」と上野さん。

地元のお客様の好みを知り尽くしたスタッフは、次々と生み出される新商品を積極的にお客様にご紹介しています。コミュニケーションが活発でにぎやかな店内です。

母の愛情から生まれたベストセラー「ちくわのフリッター」

カレー風味の衣で揚げられたちくわが、たっぷりのキャベツサラダといっしょにサンドされた、人気商品「ちくわのフリッター」。実はこのメニュー、マルフクベーカリー3代目シェフの阿部憲和さんのお母様が考案したものです。

「ちくわのフリッターは、子どものお弁当の人気メニューでした。カレー粉を入れることで彩りがよく、お魚を手軽に食べられボリュームも満点。パンにサンドしたら…と試してみたところ、お客様に喜ばれて。」とお母様。メニュー開発のこだわりは、「昔ながらの料理」を活かしながらパンに合うアレンジを加えることだそう。母の愛から生まれたひと品が、30年以上の大ロングセラーになりました。

イチ押し!POPが目を引いて、つい手に取りたくなります。

「お客様に飽きずに楽しんでほしい」その思いが生んだ商品は150種類以上!

「人を喜ばせるのが大好き」と語る阿部さん。アンパンやメロンパンなど変わらず愛される定番のパンはもちろん、ユニークな発想で斬新な人気商品を次々と生み出しています。「受け継いでいくパン、新しくチャレンジしていくパン、両方を大切にして地域のみなさまに愛される店であり続けたいですね。」と阿部さん。

マルフクベーカリーでは、毎月新商品を5品以上発表し続けています。「お客様を飽きさせない」という強い想いをシェフだけでなくスタッフ全員が持っており、それぞれがお客様のニーズと向き合い商品開発に取り組んでいます。

お店の詳細情報、商品情報はこちら!

ページのトップへ戻る

ル・ルソール

日本のメゾンカイザーの立ち上げに携わったパン職人清水宣光さんが駒場東大前にオープンさせたベーカリー。フランス仕込みの本格的なパンが美味しそうに並びます。地元の方だけでなく遠方からわざわざ足を運ぶ方も多い人気店です。

ル・ルソール
住所:東京都目黒区駒場3-11-14 明和ビル 1F
電話:03-3467-1172
営業時間:9:00~19:00
定休日:月曜・火曜

子どもに食べさせたい上質なおやつパンを目指した「ショコラ55」

カカオ55%のクーベルチュールチョコレートと低塩分バターが小さなフランスパンに美しくサンドされたショコラ55。

「子供から年配の方まで食べやすく「美味しい」と感じるのが、カカオ分が55%のチョコレート。ミルクが多すぎたり、ビター過ぎたりするとパンが負けてしまいます。」と清水さん。このパンは、子供たちに食べてもらいたいと考案したもの。

「子供は、ケミカルなものでも何でも食べてしまいます。大人が、本当に良いものを作り、それを選んで与えていくことで、子供たちの食は培われて行くと思います。子供が大好きなチョコレートだからこそ、こだわってセレクトしています。良いものは「美味しい」という感覚、そしてそうでないものとの「違い」を子供の頃から知ってほしいと思っています。」(清水さん)

料理やドリンクとの相性を大切にした「パン・オ・フィグ」

トルコ産白いちじくを生地に贅沢に練り込み、甘味と香りが豊かな「パン・オ・フィグ」。いちじくの形を成し、先の尖った部分はカリカリで、身の部分はふっくら。二種類の食感が楽しめます。

「白いちじくはブルーチーズと相性がいいので、ワインと合わせて食べるのがオススメです」と清水さん。フランスで触れた食文化の経験を活かして、お客様に食べ方の提案もしています。

フランス修行中、「パンは生活の一部である」という食文化に感銘を受けた清水さん。

「パンは、強すぎては食事の負担になります。毎日食べるものは、料理とのバランスや硬さ、味など、負担にならないバランスが大切だと思っています。パンだけで満足するようなものではなく、料理やソースに寄り添うようなパンが理想です。」目指すのは、日本人の日常に溶け込むようなパン。

清水さんは、パン作りの中で生地が出来上がっていく過程に特に注意をはらい、季節や湿度などによって毎回少しずつ異なる状態を見極め、配合などの調整をしています。

自分が本当に「良い」と思えるものを提供したい

「良いもの」を選び、提供したいと考える清水さんが今注目している素材がオーガニック小麦。店頭にはオーガニック小麦100%のパンも並んでおり、近年増えてきた身体に良いものを選ぶお客様のニーズにもフィットしています。

店内の商品棚の高さは80cmと子供目線としてはやや高め。子供向けのパンでも選ぶのは子供自身ではなく、大人に選んで欲しいという清水さんの想いが表れています。お店のスタイルがしっかりと打ち出され、良いものしか使わないというこだわりがお客様に安心感を与え信頼を得ています。

お店の詳細情報、商品情報はこちら!

ページのトップへ戻る

CALVA

フレンチ界の巨匠、三國清三氏の元でシェフ・ブーランジェの経歴を持つ田中聡さんが、パティシエの弟とともにオープンさせた名店。父の代にケーキ店を開いていた立地ということもあり、常連さんから新しい味を求めるお客様まで幅広く愛されています。

CALVA
住所:神奈川県鎌倉市大船1-12-18 エミールビル1階
電話:0467-45-6260
営業時間:7:30~21:00
定休日:火曜・第3水曜

パン作りの原点「ティエリーのバターサンド」

フランスの二つ星シェフに教わったという、パン・オ・ルヴァン「ティエリー」は師の名前を冠したもの。店名「CALVA」は修行の地フランス・ノルマンディー地方の名産カルヴァドス(りんごの蒸留酒)に由来しています。りんごはお店のテーマモチーフであり、このパンはりんご酵母のみを使用した製法にこだわって作っています。

「このパンを教わっていた当時は、何度も壁にぶつかったものです。作るたびにその頃を思い出し、原点に返ることができる思い入れのあるパンです。」(田中さん)

「パンは、遥か昔から作られていて、職人の手によって継承されています。シンプルなパンほど難しい。今、バケットなど基本とも言えるパンを、もう一度見直し追求する作業をしています。自分が学んだことを次の世代に繋げていくためには、本当に満足できるものを作り続けていくしかないのでしょうね。」 と語る田中さん。

ティエリーは、しっかりとした味わいのプチ・パン。ほのかな塩味が料理との相性もよく、たっぷりの無塩バターが噛むほどに口の中で溶け合い、パンの美味しさをシンプルに感じさせてくれます。

季節の素材を贅沢に味わう「じゃがいもときのこのスキャッチャータ」

秋風が吹く時期に並ぶのが「じゃがいもときのこのスキャッチャータ」です。スキャッチャータはフォカッチャの別名。

「生地は歯切れのよさを重視して焼き上げています。ベシャメルソースや、ローストした皮付きのじゃがいも、3種のキノコのマリネ、すべてが自家製です。それぞれ別の工程で作り、それを最後に合わせていくので手間がかかりますが、そうしないとこの味が完成しません。」(田中さん)

CALVAではすべてのパンに使われているソースやクリーム、惣菜のほとんどが手作りです。自分が作ったパンに合う味は自分で作るのが一番いい。田中さんはそう考えています。

3つの才能が融合して生まれるクオリティの高い商品

同じ建物で、弟の田中二朗さんがパティスリーを、友人であり元同僚の鈴木謙太郎さんがレストランを開いており、3人が関わりながら生まれる商品も多いのがCALVAの特徴。レストランのソースを使ったり、パティスリーのクリームを使ったり、もちろんレストランでは田中さんのパンを食べることが出来ます。

お店のロゴマークの三つ葉のクローバーは、3人のハートが繋がるイメージで生まれたもの。

パン作りにもお店作りにもストーリー性を持たせることで、ブランド価値が高まります。

お店の詳細情報、商品情報はこちら!

ページのトップへ戻る

ブーランジェリースドウ

タイユバン ロブション、ペルティエ、マリアージュ ドゥ ファリーヌなどの名店でのシェフ経験を持ち、数々のコンクールで受賞を重ねる須藤秀男さんと、20年以上ともに修行を重ねてきた奥様の枝里子さんがオープンさせたベーカリー。パティシエ経験を持つお二人が作り出す美しく丁寧なパンは地元のお客様はもちろん、「上質なパン」を求めて遠方から足を運ぶお客様も多い人気店です。

ブーランジェリースドウ
住所:東京都世田谷区世田谷4-3-14
電話:03-5426-0175
営業時間:9:00~19:00
定休日:日曜・月曜・火曜不定休

大人の贅沢時間を味わう「ティラミス」

サクサクのクロワッサン生地で、自家製カスタードクリームと北海道産マスカルポーネチーズを包み、アーモンドクリーム、エスプレッソクリーム、カカオパウダーをまとった「ティラミス」。パンでスイーツのティラミスを表現し、大人が満足するおやつパンを作りたいと考えたのが商品開発のきっかけなのだそう。

「このパンは、すべてのバランスをとても大事に考えてつくっています。クリームやチーズ、カカオの味のバランス、生地のサクサク感とクリームの食感のバランス。食べた時の感動を楽しんでもらいたいですね。」と秀夫さん。

店内では、ドリンクオーダーもでき、イートインも可能。コーヒーやミルクに合わせて、大人の休憩時間を楽しんでほしいと考え出されました。

カリカリとふわふわのバランスが自慢の「ハニートースト」

ブーランジェリースドウの自信作である世田谷食パンを分厚くカットした「ハニートースト」。れんげハチミツと無塩バターをたっぷり染みこませて、コンベンションオーブンで表面がキャラメル状になるまで焼き上げます。

「れんげのハチミツは、クセがなくパンの美味しさを引き立ててくれます。こだわりは、パンそのものの味を感じることができる厚さ、外側と内側の食感のバランスです。」と秀夫さん。

キャラメルのカリっと食感と、パンのふわっと食感のちょうどいいバランスを求め、試作を重ねて今の厚さにたどり着きました。

具材もすべて手作り「那須ソーセージの豪快タルティーニ」

店内には美味しそうな惣菜パンもズラリ。中でもひときわ目を引くのが「那須ソーセージの豪快タルティーニ」です。

スライスしたフランスパンに、ベシャメルソースを敷き詰め、那須ソーセージに、高知産の大きな米ナスがどんと乗ります。間にはマッシュポテトがたっぷり。「ベシャメルソースもマッシュポテトも自家製です。那須ソーセージのジューシーさを引き立てて、パンになじむような味に仕上げています。パン、野菜、肉が一度に食べられて、男性でも満足できるボリュームにもこだわった、まさに「豪快」なパンです。」(秀夫さん)

毎日の食卓に「美味しい」の感動を届けたい

秀夫さんと枝里子さん、それぞれが重ねてきた経験の引き出しを組み合わせながら数々のレシピが生まれます。

「パンは、「目」で楽しみ、「香り」を感じて、そして「味」。食を通じて感動や幸せを体験してほしいですね。子供たちにもたくさん食べてもらいたいので、毎日でも食べられるような価格を心がけています。地元の方々の食卓にいつでも並ぶパンを作っていきたいし、広い世代の人に愛されるお店でありたいですね。」(秀夫さん)

惣菜パンなどは「冷めても少し温めると、焼きたての美味しさが蘇ります。」お客様には、そんな一言を添えて販売されています。もっと美味しく食べていただきたいとの想いから、それぞれのパンに合った食べ方や保存の仕方をご紹介するように心がけているそうです。

お店の詳細情報、商品情報はこちら!

どのお店にも、シェフの譲れない「こだわり」がありました。材料、製法、食感、味、そしてお客様を喜ばせたいという強い想い・・・。パン作りに強い愛と情熱を持ち、決して妥協を許さないシェフたちの姿が印象的でした。「こだわり」が違えばお店の個性も違い、その味を求めるファンのお客様がいました。それぞれのお店の「イチ押し」パン。そのストーリーに想いを馳せて、ぜひお店を訪ねてみてくださいね。

※店舗情報及び商品価格は取材時点(2014年12月)のものです

パンのテーブルトップに戻る