パンのテーブル

日本上陸! 海外の人気ピザ店

  • PIZZERIA SPONTINI(ピッツェリア スポンティーニ)カスケード原宿店
  • PINSA DE ROMA(ピンサデローマ)表参道店
  • Serafina NEW YORK(セラフィーナニューヨーク)丸の内店

PIZZERIA SPONTINI(ピッツェリア スポンティーニ)カスケード原宿店

SPONTINIはミラノで7店舗を展開する人気のピッツェリア。日本人とは違って、イタリアには並んでまで何かを食べるという文化はないそうですが、1953年の創業以来、行列のできるピッツェリアとして有名です。その海外進出第1号店が2015年10月オープンの原宿店です。11月には2号店が渋谷モディ1階にオープンしました。

PIZZERIA SPONTINI(ピッツェリア スポンティーニ)
カスケード原宿店
住所:東京都渋谷区神宮前1-10-37 カスケード原宿 2F
電話番号:03-6434-5850
営業時間:11:00~23:00(L.O 22:30)
定休日:無休

ミラノで人気のピザが海外初出店

ナポリピッツアは「1人で1枚を食べる」スタイルですが、ミラノのSPONTINIは「ピッツア・アル・トランチョ」=1ピースのピザ。直径50cmの分厚い鉄製の鍋に入れて焼いた大きなピザを切り分けて販売するスタイルです。

「ふっくらしてパンに近い食感の生地は、厚さ2cm以上。窯入れ直前に生地との相性がよい大豆油をたっぷり注ぎ、揚げるようにじっくり焼くのが創業以来60年以上変わらない、SPONTINIオリジナルのレシピです。生地の底はカリカリで中はふっくら、ナポリピッツァとは全く違う、独特なカリフワの食感がミラノっ子に支持されてきました」と広報の三上成文さん。

赤を基調にしたモダンな店内では、カウンターで注文し、商品を受け取るファストフード式。キッチン内の赤い巨大な円筒形の窯は重量約4.5t、イタリアから運んできたオリジナルの薪窯です。

窯とともにミラノのSPONTINIから若い職人を招き、現地で2カ月間修業した日本人の店長とともに生地の仕込みから焼き上げまで、現地と同じボリュームとおいしさを再現しています。

生地の底面はカリカリ、中はふっくらの新食感


ピザのメニューはマルゲリータとマリナーラ。「SPONTINIのピザは、生地そのもののおいしさがポイント。イタリア産の小麦粉を使って、1日に数回、店内で生地を仕込んでいます。材料は小麦粉とドライイースト、水、塩のみ。ミキシングした生地は1時間ほど発酵をとり、専用の鉄鍋の中に平たく成形します」(三上さん)。

トマトソースはイタリア産のトマト水煮にオリジナルブレンドのスパイスを加えたもの。これを生地にたっぷり塗り、1カップ強の大豆油を注いで窯の中に。450℃以上になる薪窯で、鍋肌に回ったオイルがグツグツと沸いて、生地の底はフライドの状態になり、中はふっくらとやわらかくふくらみながら焼けていきます。いったん窯から取り出し、マルゲリータは厚めにスライスしたモッツアレラをこれでもかというくらいにのせていきます。マリナーラは、オレガノ・アンチョビ・ペッパー・ケイパーの入ったスパイシーなトマトソースを塗って再び窯へ。最初の窯入れから焼き上がりまで6分ほどです。

「マルゲリータには、イタリアから取り寄せたモッツァレラを1枚当たり1kgほど使っています。トマトソースは、素材のトマトの味が濃く、チーズに負けないくらいの存在感があります。チーズ、トマト、生地それぞれのおいしさを楽しんでいただけるようにつくっているのです」(三上さん)。

窯から取り出されたピザは専用のマシーンでカットしてヒーターの効いたカウンターへ。「人気は、やはりモッツアレラのインパクトがあるマルゲリータ。極力焼きたてを味わっていただくために、注文の状況に応じて、例えば<1ホールの6ピース分をマルゲリータ、2ピース分をマリナーラ>といった配分で焼くこともあります」(三上さん)。

直径50cmの8等分、まずはその大きさに圧倒されます。マルゲリータは溶けたチーズが全面を覆い、見た目はかなりヘビーな印象ではありますが、食べてみると意外にサラリとしたテイスト。マリナーラは、シンプルなトマトソースにスパイシーで香り高いトマトソースが重なって、トマト好きを惹きつける1品です。

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PINSA DE ROMA(ピンサデローマ)表参道店

2015年10月10日にオープンしたPINSA DE ROMA表参道店は、ピザの原型とも言われている「ピンサ」の専門店です。賑やかな竹下通り・明治通りから1本奥に入った静かな一角にある店舗は、明るく開放感のあるつくり。キッチン前のショーケースには、彩りも美しく具材をのせたピンサが並び、イートインもテイクアウトもできます。

PINSA DE ROMA(ピンサデローマ)表参道店
住所:東京都渋谷区神宮前1-9-8
電話番号:03-6455-5883
営業時間:11:00~21:00(L.O.)
定休日:無休

ピザより軽い食感、低カロリーのピンサが世界中で人気


ピザの由来や語源については諸説がありますが、その歴史をさかのぼると、古代ローマ時代のスペルト小麦粉でつくった平たいパン「ピンサ」にたどり着きます。ラテン語で「押しつぶす、挽く、踏みつぶす」という意味の動詞「ピンセーレ(pinsere)」から「ピンサ(pinsa)」という呼び名が生まれ、後のピザ(pizza)の語源になった、とも考えられています。

「古代ローマで神に捧げられた食べ物「ピンサ」を、現代のヘルシーフードとして世界中に伝えているのがマルコ・モントゥオーリ氏です」と語ってくれたのは、代表取締役の久松竜介さん。

「モントゥオーリ氏によるピンサは、タンパク質含有率の高い小麦粉に米粉、大豆粉をブレンドし、塩と水、オリジナルの酵母種で長時間(3日間~最長120時間)発酵させた生地を、平らに伸ばして焼いたもの。生地にはオリーブオイルなどの油脂は使わず、脂質を多く含む大豆粉が油脂の代りをしています」(久松さん)。

大豆粉は、小麦粉に比べて糖質が少なく、カルシウム、ビタミンB、E、食物繊維、大豆イソフラボンなど栄養が豊富なヘルシー食材。そのため、ピンサは一般的なピザより低カロリー、また長時間の発酵により消化がしやすくなっているそう。保湿力の高い米粉を混ぜることで生地の中に水分を多く含み、外側はカリッと、中はパンのようにもっちり・ふわふわの食感に焼き上がるのが特長です。

「イタリアでも健康志向の高まりとともに、メニューにピンサを取り入れたり、ピッツェリアからピンサ専門店に変わる店が増えています。モントゥオーリ氏が監修するピンサの店は世界12か国に43店舗あり、『PINSA DE ROMA』は日本では唯一のピンサ専門店。モントゥオーリ氏の監修によるピンサに、イタリア産の食材や国内のフレッシュな野菜などをトッピングした定番13種のほか、本日限定のピンサも揃えています」 (久松さん)。

彩り豊かな旬の食材をトッピング。「見せて売る」スタイル



同店では、ピンサの上にさまざまな具材をのせたメニュー全種をショーケースに並べています。

「お客様に、どんな具材がどのくらいのっているのか実物を見て確かめてオーダーしていただける『見せて売る』スタイルにしています。具材は、野菜やフルーツはフレッシュな国内産のものを使っていますが、チーズやハム類はイタリアから。また、素材をバランスよく組み合わせ、素材そのものの味でおいしく召し上がっていただけるように、味つけはごくシンプルに。焼く前に塩、ブラックペッパー、オリーブオイルを振る程度です」(久松さん)

「モルタデッラとピスタチオ」は、日本ではあまりなじみがないですが、イタリアでは定番の組み合わせ。イタリア産のボローニャソーセージ(モルタデッラ)にピスタチオの食感、ほんのり甘みのあるリコッタチーズがよく合います。

「オルトラーナ」はベジタリアン向け、イタリア産モッツアレラと野菜のおいしさを楽しむピンサ。塩、オリーブオイル、パン粉をふりかけ、パン粉はカリカリに、野菜の瑞々しさが残るように高温で短時間焼きます。

「焼き上げたときに、素材それぞれの彩りを目でも楽しめるよう、チーズは敢えてほかの素材の下に置いています。味つけがシンプルな分、テーブルスパイスはチリオイル、唐辛子、岩塩、アンチョビオイルなどを用意し、食べるときにお好みでアレンジしていただけるようにしています」(久松さん)。

オーダー後に、専用のオーブンで軽く焼き上げたピンサは、イートインまたはテイクアウトできるほか、焼く前のピンサをテイクアウトすることもできます。

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Serafina NEW YORK(セラフィーナニューヨーク)丸の内店

「セラフィーナニューヨーク丸の内店」は、1995年ニューヨークに誕生したピザとパスタがメインのカジュアル・イタリアン「Serafina」のアジア1号店。「家庭のようなくつろぎと最高の料理のコラボレーション」をコンセプトに、本店と同じメニューを気軽に味わうことができます。国内ではさいたま新都心、愛媛県松山市にも店舗を展開しています。

Serafina NEW YORK(セラフィーナニューヨーク)
丸の内店
住所:東京都千代田区丸の内1-1-1 パレスビル B1F
電話番号:03-5220-5522
営業時間:11:00~23:00(L.O. 22:30)
定休日:1月1日

直径32cm・薄さ6.4mmのクリスピーなピザ


「セラフィーナ」のピザは、生地を大きく薄く伸ばし、高温の窯で焼き上げた軽くてクリスピーなサクサク感が特長です。「この食感を出すために、生地には精製度の高い、白くきめの細かなイタリア産軟質小麦粉を使用。これに『スーパーカメリヤ』を配合することで、ほどよい食べごたえがプラスされます」(統括総料理長の渡辺ム玄さん)。

1回に約7kgの小麦粉と、シチリアの海塩、エクストラバージンオイル、濾過水を使って仕込む生地は、1晩かけて低温でゆっくり発酵させています。「仕込みのときの水の温度には特に気をつかい、冬は常温で、夏は氷を足すなどで常に一定になるよう温度管理しています。それでも発酵生地は生き物なので、そのときそのときの状態を職人の手の感覚で感じ取り、発酵の具合を調整しています」(渡辺さん)。

ピザ1枚あたりに使う生地は210g。直径32cm・厚さ6.4mmと、ごく薄く大きく成形するため、水は少なめのやや硬い生地にしているそう。

専用の窯は、シンボルカラーの鮮やかな黄色で彩られ、バーカウンター内の客席から目立つ位置にレイアウト。生地づくりから焼き上げまでのパフォーマンスを客席からも目で見て楽しめるようになっています。


高級食材を使ったセレブ感あふれるピザやヌテラを使ったドルチェ・ピザも



セラフィーナの料理は、イタリア北部の料理をベースに高品質の素材をシンプルに使うニューヨークスタイル。ピザは、マルゲリータやナポリターナなどクラシックなものからオリジナルレシピまで18種類をラインアップしています。

看板商品は、黒トリュフをふんだんに使ったピザ「タルトゥーフォ ネロ」(タルトゥーフォはイタリア語でトリュフのこと)。「もともとは、スウェーデンのヴィットリア妃殿下のためにつくったレシピで、トリュフとチーズの絶妙なバランスは完成まで1年半の歳月をかけたというエピソードも。本店オーナーもこのピザには特にこだわりがあり、トリュフオイルは最高級のウルバーニ社のものに限定しています」(渡辺さん)。

薄く伸ばした生地に、山羊チーズの中でもまろやかでクリーミーな味わいの「ロビオラ」と生クリームを合わせたソースをたっぷり塗り、軽く焼いてからオイル漬けの黒トリュフ、ナッツ系の香りが特徴のセミハードチーズ「フォンティーナ」をのせて焼き上げます。仕上げに白トリュフオイルをふりかけて、トリュフとチーズの贅沢な香りを堪能できる、濃厚なピザです。

ピザと同じ生地をベースにした同店のフォカッチャは、「フォカッチャ」のイメージを大きく変えるパリパリの食感が人気です。成形した生地全体にピケローラーでふくらみを抑えるための小さな穴を開けて焼き、厚みを半分にスライス。内側のクラム部分を削ぎ取って、カリカリに焼けたクラストだけを残し、具材をはさんでもう一度窯で焼いたもの。

このフォカッチャ生地にヌテラクリームをたっぷり使ったドルチェピザは、本店で人気の「ストロベリーストロベリー」に、日本でのオリジナルを加えた5種類が揃います。

「マシュマロ&ミックスナッツ」は、間にヌテラとマシュマロ、トッピングにもマシュマロを並べて焼き上げ、ホイップクリーム、ナッツ、チョコレート&キャラメルソースをトッピングしてあります。パリッとした生地、中でとろけ、上でこんがり焼けたマシュマロにナッツとさまざまな食感が混ざり合い、甘さもボリュームもかなりインパクトのあるドルチェピザです。

「イタリアの家庭で昔から親しまれているヌテラはヘーゼルナッツがベースのチョコレート風味で、デザートへの使い勝手もよく、ヌテラピザはお客様にも好評です。温めた生地の上にアイスクリームや生クリームをトッピングして、温と冷のコントラストも楽しんでいただけます」(渡辺さん)。

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ミラノ発のピザ、古代ローマの食を現代によみがえらせたピンサ、そしてNYスタイルのピザとフォカッチャ。いずれもオリジナルの生地にこだわり、個性的なテイストとビジュアルで、オープン以来の話題となっています。新感覚のピザをぜひ味わってみてください。

※店舗情報及び商品価格は取材時点(2016年2月)のものです

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