パンのテーブル

多彩な味わいクリームパン

  • パネ ポルチーニ
  • ブーランジェリー シュルプリーズ
  • ブーランジェリー モンターニュ
  • Boulangerie IÉNA

パネ ポルチーニ

JR新福島駅より徒歩すぐの路地裏にある「パネ ポルチーニ」。店内は徒歩5歩ぐらいで回れる小スペースながら、お客様が列をなすほどの人気店です。同店は、近所にある同じ系列のイタリア料理店「TAVERNA PORCINI」で評判だった焼き立てパンを売ってほしいというお客様の声から生まれました。それゆえ塩パンやフォッカチャなど食事パンを得意としながら、実は菓子パン系も充実。ラインアップは100種類以上という、パンを選ぶのも楽しいお店です。

パネ ポルチーニ
住所:大阪府大阪市福島区福島5-10-22
電話番号:06-6451-8001
営業時間:11:00-22:30(売切れ次第終了)
定休日:第1・3月曜

ブリオッシュ生地に包まれた、深いコクが広がるクリームパン

一般的なクリームパンには菓子パン生地が使われますが、こちらのクリームパンはブリオッシュ生地が使われていることが大きな特徴です。店主の旗手一夫さんいわく「カスタードクリームという“濃い”ものを、あえてブリオッシュ生地という“濃い”ものと組み合わせることで、男性的なクリームパンをつくりたかった」とのこと。
ブリオッシュ生地は極めて薄皮で、一口食べるとクリームがあふれんばかりにたっぷり入っています。

「焼いてクリームがはみ出て見た目が悪くなってもいいから、たくさんクリームが入っている方がお客様は嬉しいと思って」という旗手さんの思い通り、強気なぐらいクリームが隙間なく入っています。もちろんクリームははみ出ることなく、とてもきれいな見た目です。
トングでは崩れやすいほど柔らかいため、サーブ用にヘラが用意されています。

ブリオッシュといえば、フランスではお菓子の一種とされることもあるほどバターや卵がたっぷり入ったリッチな生地。食べる前はお菓子のような味わいを想像していたのですが、クリームは甘みが抑えられていて、後味は意外なほどすっきりしています。それでいてクリームの濃厚なコクが口の中に広がり、生地の塩気がほどよくきいてリッチな味わいを楽しめます。
カスタードクリームは、ゆっくり時間をかけて炊くことで、濃厚な味わいを生み出しているそうです。バターはコクが強いという宮崎産バターを使用しているとのこと。全体的に甘みが抑えられ、コクやクリーミーさが際立つ味わいなので、男性にも人気があるのも納得です。しつこく感じないリッチな味わいだからか、いくつも購入されるお客様も珍しくありません。そんな人気のクリームパンは、一日に8~10回も焼いているので、焼き立てをいただける可能性が高いのも嬉しいところです。

21時でも焼き立てパンが買える、夜も活気あふれるパン屋


居酒屋やお洒落なバールなどがひしめく飲食店激戦地区にお店を構える同店は、閉店が22時半と遅め。売り切れ次第閉店してしまいますが、パンを焼く最終時間は21時頃なので、夜でも焼き立てパンを買えると会社帰りや飲み帰りのお客様でにぎわっています。オフィス街にあるため、暗くなり始めてからの方がお客様は多いぐらいで、パンのバリエーションも豊富にそろっています。

もともと同店と系列関係であるイタリア料理店「TAVERNA PORCINI」でパンを焼いていた旗手さんは、パン屋をオープンするまで食事パンばかりを焼いていたため、その反動もあってスイーツ系のパンは、ついつい嬉しくて新しいパンのアイデアが浮かんでくるそうです。クリームパン以外にも、ブリオッシュ生地やカスタードクリームを使ったパンがあるほか、小豆やチョコレート、サツマイモなどを使った日本人好みのスイーツパンもバリエーション豊かに並んでいます。
レストランでパンをつくっていた時と違って、お客様と会話する機会が増え、お客様のリクエストから生まれたスイーツパンもあるのだとか。こうしたお客様の反応や販売個数などをダイレクトに感じられるのが、旗手さんの原動力になっています。
「お客様の喜ぶパンをつくりたいと思っていたら、バリエーションが豊富になりました」と旗手さん。次々と焼きたてパンが並ぶので、お店を離れがたくなってしまいます。

また、同店の看板パンといえば「塩フォカッチャ」です。バタールを始め、フォカッチャやライ麦パンなどヨーロッパのブーランジェリーに並ぶような本格食事パンも多彩に並んでいます。バゲットのサンドイッチ「ブリーチーズと生ハムのサンド」など、サンドするものの素材選びやチーズの使い方も本場を感じさせます。
旗手さんいわく「今後は、系列会社が扱っているハムやソーセージなど加工肉を使ったパンを増やしていこうと考えています」とのこと。これから登場するパンも楽しみです。

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ブーランジェリー シュルプリーズ

東京の代官山でパティシエからパン職人へと転向し、TVでも活躍されていた平田幸男シェフが、1997年12月に独立してオープンしたブーランジェリー。2013年にガラス張りの開放感溢れるお洒落なお店にリニューアル。開店当初から「子どもにも安心して食べてもらいたい」と材料を厳選し、フィリング類も基本的に手づくりした、愛情を感じる焼き立てパンが並んでいます。

ブーランジェリー シュルプリーズ
住所:奈良県香芝市真美ケ丘1-14-11
電話番号:0745-78-3344
営業時間:8:00~19:00
定休日:木曜、第1・第3水曜

“はりねずみのパン”の愛称で歴史を紡ぐクリームパン

本格ハード系パンから昔ながらの菓子パンまで多彩なパンが並ぶ中、ひときわ目をひくのが「はりねずみのクリームパン」です。同店がオープンしたときからの看板パンで、「はりねずみのパン買って」とお子様たちには愛称で呼ばれるほど人気のクリームパンです。

はりねずみの針を模した飾りがつけられた菓子パン生地の中には、卵黄だけを使ったリッチな自家製カスタードクリームが包まれています。ほどよく厚みのある菓子パン生地と、優しい甘みでトロッと柔らかな食感のカスタードクリーム。今ではクリームパンといってひとくくりにしても多彩なクリームパンが登場していますが、こちらのクリームパンは幅広い方に喜ばれる味わいといえそうです。コンデンスミルクが隠し味に入ったミルキーなカスタードクリームが次の一口へと誘い、お子様や女性に特に人気があるのも納得です。鼻に抜けていくバニラビーンズのリッチな香りに満足感も膨らみます。
平田シェフいわく「バニラビーンズはどんどん高騰してきて大変だけど、本物にはやっぱりかなわない。
カスタードクリームには欠かせない香りなので頑張っています」とのこと。元パティシエならではのこだわりも感じさせます。

クリームパンの見た目はかわらないものの、同じ材料でも分量を変えたりメーカーを変えたり、いろいろ試しながら日々進化させているのだそうです。どんなパンも、もっと美味しくならないか自分なりに工夫してレシピをアップデートしていくのが平田シェフ流。
「使用する材料やレシピ、焼き加減など、もっと工夫すれば美味しくなるんじゃないかと模索するのが好きなんです。お客様の好みも時代と共に変化していきますしね」と謙虚な姿勢ながら、切磋琢磨する職人魂が伺えます。

自家製酵母でじっくり時間をかけて熟成したフランスパンがおすすめ


同店のおすすめは、バタールなどのフランスパン。「ルヴァン種からつくった自家製酵母を使い、24時間冷蔵熟成発酵させています。手間暇はかかるものの、じっくり発酵させたパンは、噛みしめるほど粉の旨みが広がる奥深い味わいを楽しめます」と平田シェフ。なかでも人気なのが「ミルクフランス」です。コンデンスミルクでミルキーな味わいをアップさせた自家製のミルククリームは、フランスパンとの相性抜群。そのほか定番の「明太子フランス」など、フランスパンを使ったパンが多彩にあり、自分好みのパンを選べます。

平田シェフいわく「奈良県はもともと朝食にパンを食べる方が多いエリア。でも、およそ20年前に開店した当初は、フランスパンは硬いと敬遠される方も多かったんです。それが今ではすっかり定番になりました。時代とともに、お客様の求めるパンがかわってきたのを感じます」とのこと。さらに「奈良は流行りがワンテンポ遅れてくるのが特徴かもしれません。東京にいた頃は、流行の一歩先を行くことを求められていましたが、奈良では流行より定番を大切にする傾向があります。お客様に寄り添うような気持ちでパンづくりをしています」、とすっかり奈良のゆったりした空気に平田シェフもとけ込んでいらっしゃるようでした。

また、同店の魅力のひとつは、タルトやパネトーネといった焼き菓子類もレベルが高いこと。さすが元パティシエだけに、基本に忠実で、厳選された素材で丁寧につくられているのがわかります。なかでも甘みの絶妙さに、手づくりならではのあたたかみを感じさせられました。しかも、価格がかなりお手ごろ! 気軽にお持たせにできそうなところも嬉しいですね。



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ブーランジェリー モンターニュ

木で覆われた温かみのある外観が目をひく「ブーランジェリー モンターニュ」。温かい笑顔で迎えてくれるアットホームな雰囲気の漂うお店です。パンは、大理石の窯で焼き上げるバゲットやドイツパンなど本格的なハード系パンから、食べると嬉しいサプライズを味わえる菓子パンまで多彩。「安心して食べられるパンを」という想いから素材を厳選し、パンに使う具材などもほぼ手づくりされています。

ブーランジェリー モンターニュ
住所:滋賀県草津市平井1-19-11
電話番号:077-564-7813
営業時間:7:00~19:00
定休日:月曜、第2・4・5火曜

マカロンフィリングに覆われた新感覚のクリームパン


「ブーランジェリー モンターニュ」は、代表を務める山本昭彦さんが脱サラして、2004年にオープンしたお店です。山本さんの奥様と、奥様のお姉様はご夫婦でパン職人という環境から、家族で運営されています。山本さんもパンづくりを手伝いますが、主に新しいパンの企画や経営を担当されているそうです。

山本さんいわく「一風変わった、食べたときにサプライズのあるパンをつくっていきたい」という想いがあって、見た目はベーシックな外見をしながら、食べるとちょっとしたサプライズを味わえるパンがいくつか生み出されています。
今回ご紹介する同店のクリームパンもそのひとつ。バニラビーンズたっぷりの香り豊かな自家製カスタードクリームを、甘みを抑えた菓子パン生地で包み、その上をマカロンフィリングで覆っています。
表面のパリサクッとした甘いマカロンフィリング、ふんわりと弾力のある柔らかなパン生地という2種類の食感を楽しむことができます。直径約10cm、高さ約6cmというやや大きめのサイズながら、鼻に抜けるバニラビーンズの香り、ちょうどいいクリームの量、パン生地の軽い食感のおかげで、女性でもペロリといただけるパンです。今では同店を代表する人気パンとなっています。

また同店には、子ども向けに「スイートクリームパン」というクッキー生地を装った別タイプのクリームパンもあります。こちらは同じ自家製カスタードクリームを使っていますが、パン生地は異なり、「クリームパン」よりはふんわり感が抑えめで、しっとり口どけのよい菓子パン生地が使われています。
お客様にファミリー層が多いため2種類のクリームパンを用意されている、地域に密着したお店です。

毎日のテーブルを彩る食事パンが充実


食べることが大好きという山本さんのオススメは、ハード系のパン。「噛みしめるほどにパンの旨みが広がるので、パンの魅力を一番味わってもらえるはず。24時間冷蔵発酵させたバゲットや、ドイツパンほど酸味がなく、トーストするだけでも香ばしくて美味しく食べられるライ麦パンは当店の自信作です」と山本さんも胸を張る自慢のパンたちです。朝食にはもちろん、「食事とあわせて白米を食べるように日常的にパンを楽しんでほしい」という山本さんの想いが伝わってきます。

最近では、ランチやディナーにパンを楽しむ人が増えたこともあり、ハード系のパンのほかに、フォカッチャや惣菜パンも多彩にそろっています。予約制ですが、野菜たっぷりのランチボックスも好評です。ランチボックスには、3種類のサンドやバーガーに、2種類の惣菜がセットになっています。パンはもちろん、惣菜もすべて手づくり。手間はかかるそうですが、安心して栄養のあるものを提供できるのが嬉しいそうです。

同店では、あんこもお店で時間をかけて炊くなどパンに包むフィリングをはじめ、パンにトッピングする惣菜などもハムやソーセージなどを除けば手づくりするのがモットー。「どんな材料を使っているのかわかっているので、安心してオススメできるんです」と山本さん。
「将来はイートインコーナーを設けて、地元の方が気軽に立ち寄れるような、地域活性化にもつながるコミュニティスペースにできればと考えています」と夢を語ってくれました。



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Boulangerie IÉNA

パリの街角に佇むブーランジェリーのような趣の「Boulangerie IÉNA」。
フランスのパン屋でお手伝いをした経験もある、オーナーブーランジェ安藤章二郎さんのこだわりがつまったパン工房です。バゲットやクロワッサンといったフランスでの定番パンはもちろん、クリームパンやカレーパンといった日本人に人気のパンも提供されています。

Boulangerie IÉNA
住所:大阪市中央区谷町7-1-39 新谷町第2ビル1F
電話番号:06-4304-1215
営業時間:8:00~19:00
定休日:日曜・祝日

パンとカスタードクリームのマリアージュ


店名の“イエナ”とは、安藤さんがフランスで修業時代に借りていたアパルトマンがパリ16区にあるイエナにあったことに由来します。フランスでは自給自足の精神が強く、材料にこだわるより、手に入る材料を使ってつくるのが普通なのだとか。
そんなフランスでの経験もあってか、「食材の良さに頼るのではなく、食材が僕に頼ってくるようなパンづくりをしたい」と、あえて広く流通している材料を用いながら、技術で美味しくつくり上げるのが安藤さんのスタイル。そして、どんなパンも“パンが主役になるパン”をめざし、パンに包むクリームなどが際立つのではなく、パンの旨みがあるからこそ美味しさが際立つパンをめざしています。
同店の人気パン「クリームパン」も、そんな安藤さんのこだわりがつまった一品。

クリームパンをつくり上げるうえで安藤さんが一番にこだわったのは、口どけです。「パンとカスタードクリームが口の中で同時になくなるように仕上げています」とのこと。パン生地の食感やクリームの柔らかさを徹底的に研究してつくられています。パン生地はブリオッシュに近い製法ながらブリオッシュほど重くならない軽さがある味わいに。カスタードクリームは照りが出る前に火を止めることで、理想のトロッと感に仕上げているそうです。実際に食べてみると、パンとカスタードクリームが口の中で同時にとけ合う新しい食感。まさにパンとカスタードクリームのマリアージュを味わえます。
最初に立ち上がるバニラビーンズの豊潤なアロマから、パン生地を覆う薄皮が余韻のように香ばしさを残していく、そんな香りの変化も楽しめるクリームパン。じっくりパンを楽しむ幸せを堪能したくなる味わいです。

技術でパンは美味しく、個性感じる味わいに



同店の看板パンといえば、バゲットとクロワッサン。バゲットは長時間熟成発酵させることで外はパリッ、中はもっちりとした食感に。小麦粉、水、塩、ごく少量のイーストというシンプルな材料だけを使いながら、粉の奥深い香りが立ち上がり、噛みしめるほど甘みが広がります。糖分を配合していないのに甘みを感じさせるのは、パン生地を練るタイミングや捏ね方など技法によるそうです。「手間も時間もかかりますが、特別いい材料を使わなくても技術で十分美味しいパンはつくれます。素材の良さに頼らなくても、自分らしい美味しい味わいにできるのがパンづくりの面白いところですから」と、安藤さんがめざす“食材が僕に頼ってくるようなパンづくり”を実践されています。

「当店のバゲットは中が少し黄色。これは粉の色ではなく、最初は白かった生地が製法により、粉本来がもつ糖分を引き出すことで甘みが現れ、黄色くなっているんです」とのこと。「バゲットは多くのレストランに卸しており、同じバゲットを買いたいとお店まで来てくれるお客様が増えてきた」と嬉しそうに語る安藤さん。バゲット以外にもバタールやカンパーニュなど、ハード系パンが種類豊富にそろっています。

また同店を代表するもうひとつのパンが「クロワッサン」。クロワッサン生地にはフレッシュバター(無発酵タイプ)を折り込み、生地自体には発酵バターを練り込んであります。この使い分けをすることでバターの風味がメインに立つのではなく、「あくまでもパンが主役になるクロワッサンにつくりたいから」と安藤さん。高温で焼くことでサクッ、そしてしっとりとした口どけのよい味わいに仕上げています。サイズもちょっと大きめなのも嬉しいですね。

クロワッサンをつくるときに残った生地は、キッシュにも変身。食べごたえもあり、卸先レストランでも評判が高いのだとか。そのほかリンゴやオレンジなど彩りが美しいデニッシュ類も目を引きます。ホットコーヒーも販売しているので、ランチやちょっと小腹を満たすために気軽に立ち寄るのにも便利です。

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日本発祥のパンとして発展してきた「クリームパン」。関西ではクリームパンのために行列ができることも珍しくない人気のパンです。店の個性を反映する、独自の工夫が凝らされた様々なクリームパン。ぜひ、多彩な味わいを食べくらべてみてください。

※店舗情報及び商品価格は取材時点(2016年6月)のものです

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