パンのテーブル

ベーカリーのこだわりバンズ

  • Kiriy’s Fresh 成城店(キリーズフレッシュ)
  • Gri&Pain FOOD&TIME ISETAN アトレ品川店(グリパン)
  • 新橋ベーカリー 三田店
  • ベーカリー&カフェ 沢村 広尾プラザ

Kiriy’s Fresh 成城店(キリーズフレッシュ)

1999年に広尾にて創業。成城店は、1階はベーカリー、外階段を上がった2階に直営カフェがあります。ベーカリーには、小麦粉をはじめ、原料はよいものだけを厳選してつくる約60種類のパンが並び、2階カフェでは当日焼きあげたパンを使ったバーガーやサンドイッチなどを提供しています。

Kiriy’s Fresh 成城店(キリーズフレッシュ)
住所:東京都世田谷区成城6-14-2 ミワビル1、2F
電話番号:03-3789-2890
営業時間:8:00~20:00
2Fカフェ 11:00~21:30(L.O 20:30)
定休日:なし

ハンバーガーはできたてのホット・サンドイッチの1つ

成城店は、2002年のオープン当初はベーカリーのみの営業でしたが、2階のカフェを始めるにあたり、「パンをおいしく食べてほしい」というベーカリーならではの願いがあったそう。

「一般的な日本人にとって、パンは買った次の日の朝食に、という食べ方が大半でした。おいしいパンを、できたてのいちばんおいしい状態で食べていただきたい。そこで、当日焼きあがったパンに、つくりたての料理をサンドして、1皿の温かい料理として召し上がっていただこう、というのが当店カフェのコンセプトです」と、常務取締役の桐山義光さん。



ハンバーガーも、片手で歩きながらでも食べられるファストフードではなく、丁寧につくったホットサンドの1つとしてとらえているそう。

バンズは、焼きあげるとパンの表面にこまかなひび割れ模様ができる「ダッチブレッド」タイプで、バーガー専用につくっています。米粉を使ったダッチ生地は、少し粘度のある液体状で、バンズ生地とは別に仕込みます。これを2次発酵後のバンズ生地表面に丁寧に塗り、焼きあげます。リベイクしたときに、表面のカリッとした食感がより際立ち、歯切れもよくなります。

「バンズ生地の表面にゴマをトッピングして香ばしさをプラスするなどは、他店でもよくありますが、ダッチトッピングのバンズを使っているのはあまりないかと思います。かなりの手間がかかりますし、パン屋がつくっているからこそ、このバーガーができるのです」(桐山さん)。

バンズのおいしさを生かしたキリーズバーガー


ハンバーグの具材は、バンズのおいしさを生かすレシピにしています。ビーフ100%のミンチに玉ねぎやつなぎを加えてパティをつくり、バンズのサイズに合わせて成形し、グリルで焼きあげます。味つけは塩コショウ、自家製タルタルソースのみでシンプルに仕上げ、フレッシュな野菜、肉とバンズのおいしさをバランスよく楽しめます。毎日手ごねで仕込んでいるパティを注文後に調理。オープンキッチンの鉄板で肉が焼けていく香りも楽しみの1つです。パティは150gのボリュームで、バンズも大きめサイズ。「山盛りフレンチフライを添えてお出しすると、『食べきれないかも!?』と心配されるお客様も多いのですが、女性の方でも軽やかに完食される方がほとんど。バンズがとてもおいしい、というご意見も多いんです」(桐山さん)。

ベーカリーで人気のパンドミーを使ったサンドイッチも好評です。小麦粉にこだわり、シンプルな配合でじっくり発酵させて粉のおいしさをひき出した同店自慢の山型食パン。8枚切りを3枚重ねたクラブハウスサンドの具材は、鉄板でプレスしながら焼きあげたチキンと、ベーコンにレタス、トマト。タルタルとオリジナルのカクテルソースで仕上げています。
軽く炙ったパンドミーのサクッとした軽い食感で、こちらもボリューム満点なビジュアルですが、すんなりとおなかにおさまります。

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Gri&Pain FOOD&TIME ISETAN アトレ品川店(グリパン フード&タイム 伊勢丹)

「軽井沢」に本店を構える老舗ベーカリー「浅野屋」が展開する新業態。駅直結のアトレ品川3F「FOOD&TIME ISETAN」内にあり、「ブーランジェリー浅野屋」のベーカリー売り場と並んでキッチンが併設され、お客様の目の前で食材をグリル。ランチタイムはできたてのグルメバーガーのセットを提供。ディナータイムには、グリルで焼くピザや、信州産など食材にこだわった本格グリル料理も加わります。

Gri&Pain FOOD&TIME ISETAN アトレ品川店
(グリパン フード&タイム 伊勢丹)
住所:東京都港区港南2-18-1 JR品川イーストビル3F
電話番号:03-6451-4511
営業時間:10:00~22:00(L.O 21:30)
定休日:不定休※アトレ品川店に準ずる

ブーランジェリーならでは。パンにこだわったグルメバーガー

「Gri&Pain」1号店のある「FOOD&TIME ISETAN」は、「食から広がる新しいライフスタイルストア」をテーマに、スーパーマーケット、デリ、雑貨店などが出店。白を基調にした明るくスタイリッシュなフロアには110席のフードコートが設けられています。「<NYスタイルのプレミアムフードコート>というコンセプトに合わせ、NYでホットドッグなどをつくって販売する、移動式の屋台『ベンダー』のイメージで店づくりをしました。目で、音で、匂いで、肉が芳ばしく焼きあがっていくライブ感を楽しんでいただけます」とお話しくださったのは、株式会社浅野屋販売促進担当の髙木暁子さん。

「パン屋のグルメバーガーとして最大の特色は、やはりバンズへのこだわりです。ほかにはない、3種類のバンズを最初につくり、それぞれに合う具材やソースなどの組み合わせを考えていきました」(髙木さん)。
いちばん人気は、ビーフ100%パティの「クラシックバーガー」。天然酵母種を使い、じっくりと発酵させて引きを強くした「天然酵母バンズ」が使われています。もっちりと食べごたえのあるバンズには、粗びきにした国産牛肉入りパティにチリミートソースを合わせ、たっぷりのチェダーチーズがとろけます。
このほか、天然酵母パン+ビーフパティのバーガーにベーコンエッグをプラスした「ベーコンエッグバーガー」や、アボカドをプラスした「アボカドチーズバーガー」もメニューに加わっています。

糖質70%オフ&パンのおいしさを兼ね備えた低糖質のバンズ



「カジキマグロ ロカボバンズ」は、バンズ1個当たりの糖質を10gに抑えた低糖質のロカボバンズを使用。「天然酵母バンズと比べて糖質は70%オフ、同時にパンとしてのおいしさもしっかり感じられるように、粉の配合や製法に何度も試行錯誤を重ねてつくりあげました。健康志向に合わせて、カジキマグロをフライではなくグリルにし、糖質・脂肪は控えめ、あっさりと食べられるようにしてあります」(髙木さん)。アンチョビ・オニオン・バジルのシチリアンソースを合わせ、紅芯大根のピクルスをアクセントにしています。

「チキンコンフィバーガー」には、デトックス効果のあるビタミンB群やビタミンEが豊富なライ麦バンズを使用。「ヒアルロン酸やコラーゲンを含むチキンとの組み合わせは、おいしさとともにアンチエイジング効果を意識しています」(髙木さん)。チキンコンフィのグリルに、ソースはスパイシーなカレーソースとヨーグルト&キュウリのザジキソースの2種類。ライ麦バンズとソースの酸味が絶妙なバランスとなっています。

ベーカリーが発信するグルメバーガーへのお客様の反応も上々です。3種類のバンズは、お客様からご希望があれば販売していますが、今後は3種セット販売なども検討しているそう。「今のところ、2号店の具体的な計画はありませんが、グリパンのスタイルなら、ベーカリーの出店は難しい小規模のスペースでも展開可能です。依頼があれば、積極的に出店していきたいと考えています」(髙木さん)。

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新橋ベーカリープラスカフェ 三田店

昭和26年から続く老舗ベーカリー。もとは卸専門のパン工場で、都内有名ホテル、デパートなどのレストラン向けに、料理に合う、おいしいパンを納めてきました。平成17年からは、三田店と芝にある新堀店にて一般のお客様への小売りもスタート。併設されたカフェでバーガーやサンドイッチを始め、手づくりの多彩なメニューを楽しめます。

新橋ベーカリープラスカフェ 三田店
住所:東京都港区三田1-3-28
電話番号:03-3454-5343
営業時間:月曜~金曜7:30~18:30 土曜8:00~17:00
定休日:日曜

ルヴァンリキッドを使っておいしさをひき出しています


「今も、つくっているパンの65%は業務用で、食パンは新堀店、その他のパンを三田店で製造しています。バーガー向けのバンズはレストランなど20店舗ほどに卸すほか、自店でもテイクアウト用のバーガー6種類、カフェでは2種類をつくっています」とお話しくださったのは、同店3代目にあたる代表取締役の鈴木裕介さん。

先々代が創業したころから変わらないパンづくりへのこだわりは、材料はよいものを使うこと、そして小麦粉の素材の旨みを生かすこと。また、先代のころから自家製のルヴァンリキッドをほぼすべてのパンに取り入れているそう。「ルヴァンリキッドは、専用の発酵機を使って2日に1度、種を継ぎ、常に安定したよい状態に保っています。イーストと併用することで、パンの風味や香りがぐんとよくなり、時間がたってもしっとりしたおいしさが長持ちします。また、バンズなどには老麺も加えて、さらに味わい深くしています。今は、混ぜれば簡単に旨みを出せるものがいろいろありますが、発酵種を巧みに組み合わせ、小麦粉の持つ力でパンの味わいをよりよくすることが、先々代、先代から受け継いできたパンづくりの技だと思っています」(鈴木さん)。

小麦粉、ルヴァンリキッド、老麺生地を使い、ストレート法で生地を仕込んでいるバンズは、白ごまトッピングのプレーンと、十穀入りの2種類があります。バーガー用のバンズは、具材をたくさんはさんでもパンがつぶれず、しっかりと具材を受けとめて、パン生地のおいしさも感じられる、ほどよい弾力とモチモチ感が大切です。その一方でサクッと歯切れのよさも兼ね備えるように、生地には薄力粉を少し配合しているそう。常に同じ仕上がりになるよう、生地の温度管理を徹底し、1個当たり90gを1つひとつ手で丸めて成形しています。「型に入れず直焼きですから、形、大きさを揃えるのはもちろん、気泡の穴が開かないように生地の締め具合も一定に、3人の職人で1日3000~3500個をひたすら丸めています」(鈴木さん)。焼きあがったバンズは、こんもりと高さがあり、サクッと歯切れよく、小麦粉の香りと味わいを楽しめます。

テイクアウト&イートインでバーガーは8種類


こだわりのバンズを使った、テイクアウト用のバーガーは6種類。豆腐を使ったパティの「豆富バーガー」と「肉じゃがコロッケバーガー」は、雑穀のプチプチ食感が楽しめる十穀バンズを使用。プレーンのバンズは「エビカツ」「フィッシュ」「チキンカツ」のフライ物に加えて、「ベーコンエッグ」をラインアップしています。

カフェで提供しているハンバーガーは、オーソドックスにビーフまたはチキンのパティ。いずれもフレッシュ野菜と自家製のソースをたっぷりつけてジューシーに仕上げています。「パンがおいしければ、およそ何をはさんでもおいしいのです」と調理担当の村上来さん。
バーガーや食パンのサンドイッチのほか、バゲット生地のブールの中に自家製の熱々ビーフシチューやクラムチャウダーを入れたもの、ライ麦入りドッグパンのサンド、デュラム粉を使った自家製生地のピザ、7種類あるサラダは、それぞれハーフサイズもあり、写真入りのメニューブックを多彩に彩っています。

「『食事もできるパン屋』ということでプラスカフェ。先代のアイデアです。どうしたらお客様に喜んでいただけるか、お得感のあるメニューやサービスをあれこれ工夫しているうちに、メニューの数がどんどん増えていきました」(鈴木さん)。
ランチタイムのサービスとして実施している、パンのヴァイキングもその1つ。お食事にプラス150円で、コーナーに用意されたパンを好きなだけいただけます(制限時間1時間)。「パンは食べやすくカットしてあるので、いろいろな種類を試してもらえます。お気に入りのパンを見つけて、リピートしていただくきっかけにもなるかと思います」(鈴木さん)。

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ベーカリー&カフェ 沢村 広尾プラザ

軽井沢発のベーカリーレストラン。2016年5月オープンの広尾プラザ店は都内4店舗目で、約30種類の小麦粉を使い分け、長時間熟成でつくるパンと、パンに合う料理を楽しめます。朝昼晩、気軽に立ち寄れるカフェスタイルで、バーガーやサンドイッチは11時から提供。お客様が好みの酒類を持ち込める「BYOB」も好評です。

ベーカリー&カフェ 沢村 広尾プラザ
住所:東京都渋谷区広尾 5-6-6 広尾プラザ 2F
電話番号:03-6450-2255
営業時間:7:00~22:00(L.O 21:00)
定休日:不定休(広尾プラザに準ずる)

「バンズ×牛肉」の食べごたえ満点なバーガー

小麦粉と製法にこだわった自家製バンズのハンバーガーは、軽井沢本店でもオープン当初からの人気メニューです。「一般にバーガー用のバンズはフンワリした食感のものが多いと思うのですが、パン屋のバンズですから、食べごたえのあるものにしたい。もっちリ感とほどよい引きがあり、粉の甘みをしっかり感じられるバンズをつくっています」と語ってくれたのは、ベーカリー統括責任者の森田良太さん。粉の配合をいろいろ検討し、国産小麦粉を100%使用。生イーストとドライイーストに老麺を10%加え、冷蔵長時間発酵で生地を仕込んでいます。「軽井沢のバンズには、地元長野県産の小麦粉を使っていますが、東京では北海道産を使用。表面に金ゴマを振って焼きあげています。具材なしでそのまま食べてもおいしいと好評で、ミニサイズのバンズをベーカリーでも販売しています」(森田さん)。

いちばん人気の「ベーカーズハンバーガー」は、ビーフ100%のパティ。豪州産と米国産牛肉の3カ所の部位を合わせて粗びきにし、国産牛の牛脂で香りと甘みをプラス。赤身肉の旨みと食感をそのまま楽しんでもらえるように、つなぎは一切混ぜず、塩コショウのみの味付けです。「マヨネーズソースを塗ったバンズに、レタス、トマトとソテーした玉ねぎ、パティというシンプルな組み立てです。食べごたえのあるバンズと肉のおいしさをストレートに堪能していただけます」(森田さん)。

はさむ具材の組み合わせにもアイデアが光ります



ベーカリーでは、約30種類の小麦粉を使い分け、長時間発酵で100種類ほどのパンをつくっています。また、ハード系には自家製のレーズン液種、ルヴァンリキッド、ルヴァン種、サワー種を、パンの種類に合わせ、組み合わせて使っています。「食事パンはもちろん、菓子パン、総菜パンもベースとなるパン生地がおいしくないといけない。複数の粉を使って、それぞれの持ち味を生かすことで、パン生地はよりおいしくなるのです」(森田さん)。例えば、バゲットには5種類の粉を使っています。沢村オリジナルの北米産小麦粉をベースに、国産小麦粉でモチモチ感、フランス産でクラストのバリバリ感、さらに、小麦のふすまと胚乳の間のいちばんおいしい部分だけを挽いた粉もブレンドしているのだそう。

こだわりのパンに合わせる料理やフィリングには、調理部門のアイデアが光ります。
バーガーの新メニュー「アボカドと胡瓜のタルタルパクチーバーガー」は、サイコロに切ったアボカドときゅうりをタルタル風のソースで和え、パティの上にたっぷりのせてあります。バンズにはパクチーを敷いて、グリーンマスタードとハチミツで和えたキヌアをピクルス代わりのアクセントに。ビーフパティ&アボカドという鉄板の組み合わせを、ひと味違うテイストでヘルシーに仕上げ、グリーンの色合いもさわやかです。
ちなみに「胡瓜」と言えば、軽井沢限定の「きゅうりサンド」があります。自慢のバゲットに有塩バターを塗って、縦半割の塩きゅうりをはさんだだけ! この上なくシンプルな組み合わせですが、バゲットときゅうりは抜群の相性なのだとか。

「フォカッチャ鯖サンド」は、ノルウェー産の脂ののった鯖フィレをスパイシーなジャークチキンのたれに漬けこんでグリル。キャロットラペを一緒にサンドしてあります。
「フォカッチャはかなり分厚く焼いているので、モチモチしすぎないように、イタリア産などヨーロッパの小麦粉でバランスをとっています」(森田さん)。製パン用に細挽きされたデュラム小麦粉も配合してあり、クラムは美しい黄金色。サックリと歯切れよく、中はしっとり、粉の甘みを楽しめます。

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ベーカリーだからこそできるさまざまな工夫とこだわりのバンズ。ベーカリー自慢のグルメバーガーを食べ比べてみてはいかがでしょう。

※店舗情報及び商品価格は取材時点(2017年10月)のものです

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