パンのテーブル

ベーカリーのランチボックス

  • Factory(ファクトリー)
  • Pomme de terre(ポム・ド・テール)
  • BLUFF BAKERY(ブラフベーカリー)
  • Zermatt(ツェルマット)

Factory(ファクトリー)

手づくりの料理と自家製パンが人気のカフェから誕生したベーカリー。テイクアウトのほか、併設のカフェは平日朝8時(土曜は9時)からの営業で、いろいろなシーンで気軽に立ち寄ることができるベーカリーカフェです。ランチボックスは1000円(税込)で、予約もできます。

Factory(ファクトリー)
住所:東京都千代田区九段南 3-7-10 アーバンキューブ九段南1F
電話番号:03-5212-8375
営業時間:月曜~金曜8:00~22:00、土曜9:00~18:00
定休日:日曜

キッチンとベーカリー、距離が近いことが強み

ファクトリーは、「麹町カフェ」で評判となった自家製パンの工場として2009年にオープンしました。店長の三浦隆広さんは、麹町カフェのベーカリー部門を担ってきた方です。パンの種類は25種類ほどあり、ハード系には自家製のレーズン酵母液や季節の野菜や果物から起こした液種、ルヴァン種を使い、長時間発酵でつくっています。
「窯から出したての熱々のパンがありますから、店内にカフェを設けて料理と一緒においしいパンの食べ方もご紹介しています。キッチンとベーカリー、つくり手同士がとても近い距離にいることが強みです」と三浦さん。



地域密着型のカフェとして、毎日通っても飽きないように日替わりで1週間分のメニューをつくり、それに合わせて日々つくっているパンにも様々な変更を加えています。「例えばサンドイッチに使う雑穀ブレッドは、はさむ具材により合うように、生地に混ぜ込む雑穀の種類を変えてみたり、ほうれん草のおいしい季節には、フォカッチャ生地にほうれん草を練り込んだり、ビーツを練り込んだ鮮やかなピンク色のパンをつくってみるなどしています。季節の野菜やそのときどきに手に入る素材をうまく使って、ちょっとこだわった、パン屋だからできるものをお出ししています」(三浦さん)。

カフェのお客様からパンへの感想をダイレクトにいただくこともあります。カフェという場を通して、つくる人、食べる人の間にやり取りが生まれ、日々のパンづくりにフィードバックされていきます。そうした「カフェ+ベーカリー」のおいしいところをボックスに詰めたのがファクトリーのランチボックスです。
ベーグルのサンドイッチ、カフェのランチプレートでも人気のキッシュ、カップサラダ、焼き菓子がセットになって、ボリュームも満点です。

大きなボックスにサンドイッチ&キッシュなどボリューム満点



ランチボックスの基本のサンドイッチはベーグルサンド。麹町カフェがオープンして11年間、ずっと変わらないベーグルは、生地にはちみつを使って独特の食感をひき出しています。そのまま食べてももちろんおいしいですが、サンドイッチにすることを考えて、具材と一緒にかみ切りやすい、ほどよい弾力とかみごたえがあり、冷蔵してもかたくなったりパサついたりしにくいように工夫されています。ストレート法で朝から仕込み、朝、昼、夕方と売り場に焼きたてが並びます。プレーンは1日150個、チョコレートは100個、この日はトマト生地を使ったトマトオニオンベーグルもあり、全部で1日300個ほどつくっているそう。

ランチボックスのサンドイッチやキッシュの具材、焼き菓子の種類は日替わりで、この日はサラミとゴーダチーズにフレッシュ野菜をはさんだベーグルサンド。キッシュはほうれん草ときのこと貝の小柱です。「キッシュには季節の野菜を必ず使い、サンドイッチの具が肉系のときは、魚介や野菜の具材にしてバランスをとっています。また、キッシュ台のパイ生地にビールを使うことで、味に深みを加え、サク味と歯切れのよさを出しています」(三浦さん)。

焼き菓子は、小麦粉とバター、喜界島産のきび糖のシンプルなビスケット。パン生地に配合する砂糖も、ミネラル分が豊富なこのきび糖を使っているそうです。

同店のランチボックスは、近隣のオフィスなどから会合用のランチとしての需要があり、オープン当初からの人気アイテムになっています。当日10時30分ごろから店頭でも販売しますが、昼前に売り切れてしまうことも。「1個からでもOKなので、前日までにご予約いただくと確実です。ベジタリアン向けや乳製品不使用などにも事前予約で対応可能です。卵がダメ、という場合は、キッシュをサンドイッチに変えたりしています」(三浦さん)。

ランチボックス以外に、ショーケースに6種類ほど並ぶサンドイッチや、フォカッチャ、クロックムッシュなどの総菜パンも、ランチタイムにおすすめのアイテムです。

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Pomme de terre(ポム・ド・テール)

西荻窪駅・北口の商店街を10分ほど歩いた先にあるベーグルとフレンチ・デリの店。当初はビストロとして営業し、6年前に改装して現在のテイクアウト専門の店に。ベーグルサンドとフレンチ・デリのランチボックスは、選ぶベーグルサンドで価格が異なり、626円と680円(各税込)の2種類です。

Pomme de terre(ポム・ド・テール)
住所:東京都杉並区西荻北4-8-2-101
電話番号:03-5382-2611
営業時間:10:30~20:00
定休日:火曜・水曜

ベーグルサンドとフレンチ・デリを楽しめるランチボックス

同店は、ベーグル担当の、もとパティシエ工藤美幸さんとフレンチシェフの松尾亮さんの共同経営です。
ベーグルは生地を前日から仕込み、冷蔵庫で長時間発酵させて、当日の朝に焼きあげます。讃岐うどん並みにコシの強い生地で、ケトリング(成形・発酵後の生地を焼成前にゆでること)の時間も一般的なレシピより長めに取り、外側はパリパリ、中はもちもちなのがいちばんの特徴です。
ベーグルは生地にいろいろな素材を混ぜ込み&巻き込んで、100種類以上あるバリエーションの中から、1日に15~16種類が店に並びます。

ランチボックスは、プレーンや全粒粉のベーグル1/2個に松尾シェフがつくるデリをはさんだサンドイッチとパンキッシュ、デリ各1品がセットになっています。冷蔵ケースに並んだ8種類のベーグルサンドからお好みを選び、キッシュとデリはおまかせで。店名の「Pomme de terre(大地のりんご)」=「じゃがいも」ですから、マッシュやポテトサラダ、フリカッセなどの形で、必ずどこかにじゃがいもを使ってあるのも同店のこだわりです。

食事系のベーグルサンドは、具材はどれも4種類以上。おすすめの「ポムスペシャル」に至っては8種類の具材が彩りも鮮やかに重ねてあり、デリの見本帳のよう。
もちもち食感のベーグルは、たくさんの具材をはさんでからでは半分に切るのが難しいので、あらかじめ半分に切ったベーグルに具材を重ねていきます。
「層の1つひとつをデリとして味わっていただいてもいいですし、全部を一緒に食べるとトータルでおいしくなるように計算してつくっています」(松尾さん)。

ビストロの料理をサンドイッチの具材にアレンジ


ランチボックスに入っているデリは、自慢のトマトソースとトラディショナルなベシャメルソースをたっぷり使ったラザニアのほか、ラタトゥユ、グラタン、若鶏もも肉の南仏風などもあります。「パンキッシュは肉系と魚系があり、お選びいただいたサンドイッチとのバランスを考えて組み合わせています。キッシュ土台にベーグル生地を使ってあり、冷めてもおいしく、バターなしの台があっさりしていますから、中の具材を多めにしてアパレイユの配合もリッチにしています」(松尾さん)。

サンドイッチの具材で鮮やかな黄色はかぼちゃのフラン。クリーム仕立てのかぼちゃのマッシュに卵のアパレイユを混ぜて蒸し焼きにしてあります。
「スモークサーモンにはトマトのフランが合いますね。フランのほか、マッシュポテト、茹でて刻んだブロッコリーにチキンコンフィやツナを混ぜてサラダにするなど、組み合わせのきくパーツのようにデリをつくって、サンドイッチやキッシュの具材にしています」(松尾さん)。

茹でたブロッコリーは1房ずつ振ってからキッチンペーパーでしっかり水気を取っておくなど、フレンチの基本を丁寧に行うことで、見た目には同じでも仕上がりのおいしさに差が出てきます。
あっさりした鶏むね肉は、蒸し鶏では味が弱いのでコンフィに。ラードベースのオイルを使い、60~70℃の低温で2時間かけて火を通すと中までしっかり味が入り、マヨネーズ和えにしても負けないチキンの旨み、しっとりとした仕上がりになります。

「お皿で出す料理なら、ソースは液状、フランなどもトロトロにやわらかくてOKですが、お持ち帰りやベーグルにはさむことを前提に、やわらかさを決めています。ソース類は、バターと小麦粉を合わせたルーをつくっておき、サンドイッチの具材にも合う粘度に調整しています」(松尾さん)。

ポム・ド・テールのランチボックスには、こうしたフレンチビストロのエッセンスがギュッと詰まっています。

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BLUFF BAKERY(ブラフベーカリー)

2017年6月、オフィス街に登場したブラフベーカリーの出張所。本店で焼いたパンが並ぶほか、注文後に好みの具を挟んでもらうNYスタイルのベーグルサンドや、サンドイッチ5種類から選べるランチボックスがあります。

BLUFF BAKERY 日本大通り店(ブラフベーカリー)
住所:神奈川県横浜市中区本町1-5 西田ビル 1F
電話番号:045-662-0181
営業時間:11:00~20:00
定休日:土曜、日曜、祝日

自慢のパンを使って、目の前でサンドイッチに


「NYスタイルのベーカリー」というのがブラフベーカリーのコンセプトです。フレンチ、イタリアン、イギリスやエスニックなど世界にある多様なパンを自由な発想でアレンジし、新しいおいしさをつくりあげています。
2号店にあたる日本大通り店は、NYのベーグルショップやデリスタンドをイメージ。ランチボックスは5種類から選ぶサンドイッチと日替わりのデリ2種類、フレッシュ野菜がセットになっています。※価格はいずれも750円(税込)
デリは、キヌアのサラダ、キャロットラペ、紫キャベツのマリネ、ポテトサラダ、グリル野菜などが日替わりで登場します。「開店から16時までをランチボックスの販売時間としていますが、週末などは昼過ぎに予定数を完売してしまうこともあります」とお話しくださったのは店長の飯塚さんです。

数種の小麦粉を組み合わせることで、目指す食感や小麦の味わいをひき出すのが同店のオーナーである栄徳シェフのパンづくりの真骨頂。ランチボックスのサンドイッチにも生かされています。
「スモークハムとグリュイエルチーズのホットプレスサンド」に使っているパンは、「サワードウ」です。フランス式に言えばカンパーニュで、ルヴァン種を使い、小麦粉は北米産の強力粉とフランス産全粒粉にスペルト小麦をブレンド。具をはさんでからグリルすることで、表面がカリカリッと芳ばしく、ほのかに感じられる酸味がチーズにもよく合います。同じパンを使った「マッシュルームとゴーダチーズのホットプレスサンド」もあります。
「ブラフドッグ」と「フィリーズチーズステーキサンド」に使っているのは、同店スペシャリテのミルクスティックと同じフランスパン生地のドッグパン。準強力粉に薄力粉をブレンドして、具材と一緒に食べやすい歯切れのよさを出しています。
いかにもNYらしいメニューが「ファラフェルサンド」。自家製のスパイシーなひよこ豆のコロッケとたっぷりの生野菜をはさんだピタは、長時間発酵のフレンチバゲット生地を使い、亜麻仁、白ゴマ、ひまわりの種などをブレンドしています。

お好みのフィリングをはさんでベーグルサンドも


ベーグルに自家製フィリングをサンドするのも日本大通り店ならではのサービスです。ベーグルは、4種類の生地を使い分け、練り込む素材やトッピングなどで10種類が揃っています。プレーンにはイタリア産、フランス産、カナダ産小麦粉と細挽きのライ麦粉をブレンド、オニオンフェンネルやシナモンレーズンなどを生地に混ぜ込む系のベーグルは国産小麦粉、ホールウィートとナイングレインズは、石臼で自家製粉した全粒粉を使用。また、プンパニッケルは、コーヒーとココア、糖蜜を混ぜてコクを出したオリジナルのテイストです。

フィリングは60gで160円~。クリームチーズをベースにスモークサーモンとディルを混ぜた「ロックス」や、刻んだ万能ねぎとガーリックの「スキャリオン」は総菜系、ストロベリーやラムレーズンなどを混ぜたスイーツ系があります。また、フィリングで豆腐をベースにしているのが『マッチャトーフ』です。豆腐と抹茶、はちみつでつくられていて、プンパニッケルなど色の濃いベーグルにはさむと、コントラストもきれいです。
「お好きなベーグルとフィリングを選んでベーグルサンドにもできますし、別々にお持ち帰りいただいて、ベーグルをリベイク、いろいろなスプレッドを味わってみるのもおすすめです」(飯塚さん)。

「エコ」なライフスタイルもNYに学ぶべきところ、と考えて、ショップバッグを1枚10円の有料にしたのは日本大通り店での新しい取り組みです。「最初は知らずに来店されてご不便を感じさせてしまったことが多かったですが、徐々に浸透してきました」(飯塚さん)。
おしゃれな包装紙で無造作に包んだベーグルサンドやランチボックス片手にオフィス街を颯爽と歩く、エコでカッコいいスタイルを提案しています。

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Zermatt(ツェルマット)

「お散歩ぱん屋」というキャッチフレーズのとおり、最寄り駅からはやや離れますが、近くに善福寺川が流れ、緑地公園が点在する閑静な住宅街にあるベーカリーです。イートイン席と外にウッドデッキコーナーも設けてあります。ランチボックスは事前予約で1000円~。地域のイベント、普段のランチ用にも好評です。

Zermatt(ツェルマット)
住所:東京都杉並区荻窪3-8-6
電話番号:03-3392-0667
営業時間:10:00~19:00※売切れ次第閉店
定休日::無休※年末年始と夏季休業あり

口コミで地域の御用達ランチボックスに

2006年オープンの同店でランチボックスを始めたのは2009年のこと。そのきっかけをチーフの坂本由美子さんに伺いました。「以前、近くにお花見の名所があり、桜の時季には店内が大混雑に。そこで『事前予約のお花見用ランチボックス』をポスターなどで告知したんです。お花見どきの予約はさっぱりでしたが、しばらくして学校行事用に大口の注文がありました。ランチボックス1つひとつにチラシを入れておいたら、あとは口コミでどんどん広がっていきました。お得感のある内容とともに、この周辺は飲食店や小売店も少なくて、ご家族やママ友仲間でのランチなどに需要があったようです」


ランチボックスは5日前までに要予約で、1つ1000円以上、1名分からつくっています。サンドイッチにフライドチキンとカップサラダ、ポンデケージョ、ドーナッツ、ハーフサイズの本日のパンとデニッシュ、というのが予算1000円での基本的な内容です。フォークやおしぼりと一緒にショップカードも箱の中に。
サンドイッチに使っているパンは、同店で人気抜群のコッペパン生地に雑穀をトッピングして焼いたもの。同店ではデニッシュとポンデケージョ以外のパンには、すべて「ホシノ天然酵母パン種」を使っています。12時間以上の発酵をとって、シンプルな材料でも小麦の旨み、酵母パン種ならではの旨みが生まれます。
サンドの具材はエビカツとアボカド、カップのサラダは芳ばしいローストくるみをのせたかぼちゃサラダ。
"本日のパン"は、いろいろなバリエーションを楽しんでもらえるように曜日ごとに違うものをつくっています。取材当日の"本日のパン"は「抹茶栗かのこ」。バター入りの菓子パン生地に抹茶を練り込み、天津甘栗を包んで焼きあげてあります。

「"本日のパン"とデニッシュは、売り場に並べる通常サイズと一緒に、ランチボックス用に半分のサイズをつくっています。手間はかかりますが、その分、パンの種類が多くなって、とくに女性のお客様には喜んでいただいています」(坂本さん)。

お客様に寄り添うパン屋でありたい


同店では、6人いるパン職人全員が焼き・成形・サンド・その他の4ポジションを毎日ローテーションしてます。ランチボックスは当日の『サンド』が担当。基本的なパターンは決まっていますが、内容はおまかせで、というお客様に何をセレクトするか、担当の個性が現れるそう。「予約時に『ベーグルを入れて』、『甘いのよりおかず系多めに』など、どんどんリクエストしていただくと、さらにモチベーションは上がります。週末の売り場は、具材をリッチに重ねたアボカドチーズバーガーなどサンド類がとても充実しています。ランチボックスなら『週末限定の○○サンドを入れて』なんて、ご指名も大歓迎しています」(坂本さん)。

「お客様に寄り添うパン屋でありたい」というのが同店のポリシー。
お客様のリクエストやスタッフからの提案で、さまざまな取り組みを行っています。例えば「オーダーベーグル」は、定番のプレーンと全粒粉のベーグル生地に、お好みの具材を混ぜて焼きあげるサービスです。前日午前中までの予約で、ナッツ系・フルーツ系・野菜系・チーズ系・チョコレートなどの具材から1~3種類まで選べます。「同じ組み合わせで2個から注文を受けてつくるため、大変ではありますが、店主も私たちスタッフも『そういう対応をするパン屋さん、なかなかないからやりましょう!』というスタンスなんです」(坂本さん)。
当初は店頭でのお渡しのみでしたが、遠方のお客様からも要望があり、最近では配送もスタートしています。
食パンは、定番の山型食パンに加えて、日替わりで全粒粉、黒ゴマ、胚芽食パンなどが登場します。「毎日全種類を揃えるのは難しくても、『食パンは、これでなくちゃ』というお客様に、できる限りおこたえしていきたいと思うのです」(坂本さん)。

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ふたを開けたときに思わず歓声が上がりそうな、ベーカリーの自信作を詰め合わせたランチボックス。ご自宅やオフィス、お出かけ先にテイクアウトして、ぜひ味わってみてください。

※店舗情報及び商品価格は取材時点(2017年10月)のものです

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