パンのテーブル

チーズのパン

  • nemo bakery & cafe (ネモ・ベーカリー&カフェ)
  • BREAD PLANT OZ 八雲本店 (ブレッドプラントオズ)
  • BREAD,ESPRESSO & 表参道店 (パンとエスプレッソと)
  • 石窯パン工房KAMEYA 向島店

nemo bakery & cafe (ネモ・ベーカリー&カフェ)

売り場の奥にカフェがあり、内装にはアンティークの建具や古材を使い、ヨーロッパの街角に古くからあるような雰囲気のベーカリー。パンの売り場もカフェも空間をゆったりと使い、ベビーカーのままでも、杖をついたお年寄りにも利用しやすいと感じてもらえる店づくりをしています。また、夜遅くまでの営業で、アルコールドリンクと一緒にパンに合う料理も楽しめる、「大人のためのベーカリー&カフェ」がコンセプトです。

nemo bakery & cafe (ネモ・ベーカリー&カフェ)
住所:東京都品川区小山4-3-12 TK武蔵小山ビル1 F
電話番号:03-3786-2617
営業時間:9:00~22:00(LO.21:00)
定休日:水曜(祝日の場合は営業)

10種類以上のチーズを使い分けています

30年以上のキャリアで培ってきた、小麦粉と酵母の使い分け、発酵・焼成の温度や時間の最適な組み合わせでパンづくりをするオーナーシェフの根本孝幸さん。チーズのパンもバリエーションに富んだ品揃えで、使っているチーズは10種類を超えています。

「ボーン(枝豆ベーコン)」は、枝豆を練り込んだバゲット生地に4種のチーズを合わせたソースと粒コーン、ベーコンを巻いて、上にシュレッドチーズをのせて焼きあげてあります。骨のような形だから「ボーン」で、手に持ってこのままかじっても食べやすいパンです。

「ゴーダ」は、同じバゲット生地でもミキシング時間を長くして、よりソフトな食感にしてあります。薄く円盤状に伸ばした生地にダイス状のゴーダチーズを並べ、また生地をのせ、その上にチーズ……と重ねて、表面にもチーズをのせた生地を十文字に切って4等分に。上面と切り口のチーズが焦げすぎないように上火を加減して焼きあげます。
「チーズを生地全体に練り込むと、生地表面にもチーズが出てしまい、焦げて食感が悪くなります。そのため、生地ではさむ形にしています。『ボーン』も『ゴーダ』もパン生地はイーストだけのストレート法で仕込むと焼成中に水分が飛び過ぎてしまうので、モッチリ感を残すために1晩寝かせた発酵種を混ぜる製法でつくっています」(根本さん)。
「エメンタール」は、デュラム小麦粉100%のパンにエメンタールチーズのダイスを成形時に巻き込んでいます。クラストは薄め、デュラム粉とチーズでやさしい黄色のクラムにチーズの旨みと香りをぎゅうっと閉じ込めてあります。

「同じ種類のチーズでも、やはり質のいいものを使うと、その分パンの値段は高くなりますが、おいしさも焼きあげたときの見た目も全然違ってきます。いいチーズは水分をたくさん含んでいるため、パン生地が色づく間に、ゆっくりとなめらかに溶けて、焦げ過ぎずにいい色合いに仕上がるんです」(根本さん)。
一方で、水分の多いチーズは、生地で包んでしまうと、焼成中に水蒸気の逃げ場がなくなり、焼きあがるとパン内部に空洞ができてしまいます。
『ゴーダ』などは、これを避けるためにも包まずに生地とチーズを重ねるスタイルにしているそう。
「中身が詰まっていたほうが、お客様は直感的に『おいしそう!』と感じると思います。味には変わりなく、小さな追求なのですが、お客様にとっての満足感を常に考えるようにしています。カレーパンなども、フィリングの水分を極力飛ばして、隙間ができないようにつくっています」(根本さん)。

ほかにも、「ミートパイ」のフィリングにはマリボーチーズを少量混ぜてコクを出したり、「チキンカレーパイ」は、マリボーチーズのシュレッドをのせてスパイシーなカレーとフレッシュトマトの酸味をチーズがまろやかにまとめています。

クロワッサン生地のチーズのパンは修業時代の想い出


「シェフの想い出」と名づけたパンは、クロワッサン生地にサラミとフレッシュトマト、マリボーチーズをのせて焼きあげたパンです。「マリボーチーズはデンマーク産のセミハードで、5ミリのシュレッドを使っています。パン屋でこのチーズを使っている店はあまり多くないと思いますが、そのまま食べても口当たりがよく、加熱すると滑らかに溶けます」(根本さん)。

シェフのどんな「想い出」なのかも気になるところです。「15才でパン修業を始めた、いちばん最初の店での苦い想い出なんです」と根本さん。その店で一番人気の商品で、切りっぱなしの折り込み生地に具材をのせるだけというパンで、簡単そうに見えますが発酵がうまくいっているかどうかのごまかしが効かない。生地が強すぎると成形した後に縮んでサラミがはみ出したり、真四角に切っても発酵後には縦横のバランスが崩れていたりで、開店時に間に合わないこともあったのだとか。

「これを目当てに開店前から並んでいたお客様に『すみません』と何度頭を下げたことか。今でも、当時の上司やお客様の声が聞こえてくるようで、初心に帰ることができる、私のパンづくりの原点です」(根本さん)。

同店のパンは、自家製のルヴァン種、ライ麦酵母、サワー種と季節の果物から起こす酵母液、そしてイーストも兼用してつくっています。ボウルの中の酵母の状態を見ては、温度が高めの棚の上段に置いたり、下に降ろしたりと、こまやかにケア。クロワッサン生地にはルヴァン種を使い、4日間かけて仕込んでいます。
「パンは大きな塊で焼いたほうがおいしい」と、バゲット生地を1Kg、両手で抱えるほどのサイズに焼いた「ドゥ・リーブル」は、カフェメニューのサンドイッチにも使われています。

「イートインのメニューは、“パンとご家庭にある食材で、こんなふうにも楽しめますよ”という提案でもあるのです。食事パンとチーズの相性もぜひ味わってみてください」(根本さん)。

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BREAD PLANT OZ 八雲本店 (ブレッドプラントオズ)

メゾンカイザーで全店舗のマネジング・シェフを務めた大島剛志さんが2013年にオープン。すべてのパンに自家製のルヴァンリキッドを使い、低温長時間発酵で乳酸菌の活性を高めておいしさを引きだしています。「この地域に住んでいる子どもたちの味覚をしっかり育てられるように」との願いから、材料選びにもこだわりを持ち、幅広いアイテムをラインアップ。店内にカフェを併設しています。

BREAD PLANT OZ 八雲本店 (ブレッドプラントオズ)
住所:東京都目黒区八雲4-1-19 メゾンサンクルー 1F
電話番号:03-6421-2571
営業時間:8:00~20:00
定休日:なし

素材に合わせ、目的にかなったチーズを使い分けます

北海道産発酵バターを使ったクロワッサンやスペシャリテのバゲットなど、フランスの伝統的なパンと並んで、あんぱんやドーナツもあり、大島シェフの自由な発想でつくりあげる、バリエーションに 富んだラインアップが同店の魅力でもあります。

チーズを使ったパンの「ボルケーノ」は、ご自身がハワイ好きなので、キラウエア火山をイメージしたそう。
全粒粉10%弱を配合して風味を加えたフォカッチャ生地を丸くのばして、全体にレッドチェダーチーズを巻き込んで焼きあげています。パン生地全体にチーズの味が行き渡り、焼成中に溶け出たチーズはまるで火山が噴火したような見た目に。レッドチェダーのオレンジ色が、ビジュアル的にもインパクトを強くしています。
「こだわりのパン生地をつくっているのですから、材料も質のよいものを選んでいます。チーズはすべてナチュラルチーズを使っています」(大島さん)。

「タラモドッグ」は、じゃがいもを茹でてマッシュにし、明太子とサワークリームを合わせたタラモサラダをプチバゲットにはさみ、チーズをトッピングして焼きあげます。
チーズは味覚的な役割もさることながら、主役となるタラモサラダを乾燥させないコーティングの役割も担っているのです。

「カラフルな野菜などをあしらって、見た目にも彩り鮮やかに焼きあげたパンも、時間がたつとせっかくの野菜がパサついてしまいがちです。表面をチーズでコーティングしてあげると、水分が逃げるのを抑えることができます。この場合は、あまり味が濃くなく、油分も多すぎないゴーダなどが向いています」(大島さん)。

「焼きカレーブレッド」にチーズを使っているのも同じ理由からです。フォカッチャ生地にフィリングはしっかり辛さのあるチキンカレー。ナスとチーズ、カシューナッツも少し入れて、野菜とナッツの甘さ、チーズのコクで味もまろやかに調和させています。

「チーズを使ったパンは、やはりチーズが溶けた焼きたてがおいしいのですが、店にいらしたお客様が焼きたてに遭遇する確率は、さほど高くはない。持ち帰ってもおいしく食べていただけるようにつくることも大切です」(大島さん)。

このほかにも、「オイルサーディンのフォカッチャ」には、グリーンオリーブ、玉ねぎ、サワークリームを合わせ、粒状におろしたグラナ・パダーノというチーズを振りかけています。焼けたチーズの香り、クランブル風のクリスピーな食感がアクセントになった大人向けのお酒に合うパンです。

「チーズは季節によっても使う種類は変わってきます。焼き込み系のチーズのパンは夏になると売れ行きが鈍り、マスカルポーネやクリームチーズなど、さわやかな酸味と軽さのあるチーズが暑い季節にはおいしく感じられます。クリームチーズにフランボワーズのコンフィチュールを合わせ、フィリングとしてカンパーニュにはさむなど、チーズは見た目も味もいろいろな演出ができる素材です」(大島さん)。

味の強いパンには力強いチーズが合う


同店のパンづくりの特徴は、乳酸菌に特化した発酵です。自家製のルヴァン種の中には、パンを発酵させるのに向いた酵母のほかにも乳酸菌やさまざまな酵母が混在しています。
乳酸菌は低温でも少しずつ活動を続けるので、低温でじっくり時間をかけて発酵させることで麦芽糖のうまみが残り、やわらかさのあるおいしいパンに焼きあがります。

「パンとチーズを組み合わせるとき、味の強いパンには、チーズも力強いものがいいですね」と大島さん。例えば、バゲットOZは小麦粉の『リスドオル』『メゾンカイザートラディショナル』に全粒粉とライ麦粉をわずかずつブレンドして、薄めのクラストは芳ばしく、小麦の味がしっかりと主張するパンです。このパンを使ったサンドイッチには、香りにクセのあるエメンタールをチョイス。「エメンタールは、それだけ食べると、においをきつく感じますが、バゲットの小麦の香りで調和がとれます」(大島さん)。ハムも大山ハムの味の濃いロースハムを合わせて、エメンタールチーズをおいしくいただける組み合わせにしています。

自家製サワー種とルヴァンリキッドを使った「フォンデュラク」は、ライ麦と全粒粉の配合を多くした色の濃いカンパーニュ。サワー種はこのパンをつくるために継いでいるそう。焼いてから日を追うごとに香りと味わいが深みを増していくことから「湖の底」と名づけられたパンです。「好んで買っていかれるのは9割がた外国人のお客様。クセの強いブルーチーズなどにとてもよく合います」(大島さん)。

端をキリリと尖らせたバゲットOZ、オーバル形のカンパーニュ、大きな丸い形に焼いたフォンデュラクの順に全粒粉・ライ麦粉の香りと味わいが強くなり、いずれもチーズやワインともよく合う食事パンです。

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BREAD,ESPRESSO & 表参道店 (パンとエスプレッソと)

表参道のメインストリートからは少し離れたロケーションですが、朝から行列ができることも多い人気店。10種類の生地をそれぞれのパンの特徴に合わせて使い分け、アイテム数は約40種類。店内でイートインでき、売り場に並んだパンのほか、ホットサンド「パニーニ」なども提供しています。
BREAD,ESPRESSO & 表参道店 (パンとエスプレッソと)
住所:東京都渋谷区神宮前3-4-9
電話番号:03-5410-2040
営業時間:8:00~20:00
定休日:第2月曜

人気の食パンでつくる「クロックムッシュ」

同店の「クロックムッシュ」は、食パン「ムー」に自家製ベシャメルソースとコットハムをサンドし、グリュイエールチーズをのせて焼きあげてあります。
仏語で“柔らかい”を意味する「ムー」。一斤が約10cm角の小さめサイズの食パンです。ふんわりやわらかく、しっとり水分は多めで、やさしいかみごたえと口溶けが独特の食感。1回に15個焼きあげ、5分で全部売れてしまうこともあるという人気のアイテムです。バターの香りを楽しみながら、そのまま食べてもおいしい「ムー」で、クロックムッシュをつくったきっかけを店長の吉川由夏さんに伺いました。

「当店のパンづくりのコンセプトは“毎日食べたくなる、日本の風土にあった本物のパン”です。そのコンセプトを代表するパンがムーなんです」(吉川さん)。
詳しい配合と製法は非公開とのことですが、バターをリッチに使い、加水多めで、こねあげ温度と生地の状態を見ながら発酵時間を決めているのだそう。

「ムーを使ったフレンチトーストが好評ですし、食事パンとしてもおいしく召し上がっていただけることをご紹介したくてクロックムッシュをつくっています。食パン自体が濃厚なので、小さめでも満足感があり、ベシャメルソースが一緒に合わさると、さらに口どけのよさをお楽しみいただけます」(吉川さん)。

また、パニーニ(サンドイッチ)は、具材に合わせてチャバタ、フォカッチャ、カスクート(ソフトフランスタイプ)と、3種類のパンを使っています。「中でも、チーズによく合うのは小麦粉、塩、イーストと水だけでつくるシンプルなチャバタ。3つの中ではいちばんもっちりとした食感で、クラムはモチモチ。チーズとほかの具材も合わせて、1つの料理のように食べていただけます」。(吉川さん)

イタリアのサンドイッチ、パニーニの定番はハム&チーズ。同店の「生ハムとモッツアレラ」は、コロンと厚みのあるチャバタにプロシュート(生ハム)とモッツアレラをはさんであります。温めてから提供するので、チャバタはサクッと歯切れよく、チーズがやわらかく溶けて糸を引き、生ハムの旨み・塩味をいちだんとまろやかにしています。

チーズは香りや味わいにそれぞれ特長があり、組み合わせ方でパンやほかの具材の持ち味をさらに生かしたり、季節に合ったアイテムをつくることができます。同店では、食欲が鈍りがちな暑い季節の限定としてイタリアンの前菜カプレーゼをそのままサンドイッチにした「カプレ」を提供していました。水牛モッツアレラのフレッシュなおいしさを生かすシンプルな味付け、トマトの赤、バジルの緑と色合いもさわやかで、食欲をそそる夏らしいパニーニです。

小ぶりでキュートなパンはフォトジェニック!

同店は圧倒的に女性のお客様が多く、観光や食べ歩きで遠方から訪れる方が大半だそう。とはいえ、地元の常連さんも来てくださるので、食事パン、総菜パン、菓子パンをバランスよく揃えています。
「当店のパンは、小ぶりで形をかわいらしくつくっているところも受けているのかもしれません。写真を撮ってSNSにアップされる方が本当に多いです」(吉川さん)。

インスタ女子たちに人気の小物パンや菓子パンにも、チーズを使ったパンがあります。
「ピスタチオとラズベリー」は、菓子パン生地に、ピスタチオプードルを混ぜたダマンド(アーモンドクリーム)と甘酢っぱいラズベリーとマスカルポーネチーズのコクをプラス。小ぶりでも満足感がある焼き菓子のようなパンです。

カスクート(ソフトな食感のフランスパン)生地の「アマレロ」は、コーンとバターを生地に練り込み、表面にエダムチーズとセモリナ粉を振って焼きあげた芳ばしいパン。チーズの塩気がコーンの甘みを引き立て、香りと風味が加わります。

「ミントウィッチ」は、フレッシュミントを刻んで混ぜたクリームチーズをレーズンとクルミをたっぷり練り込んだパンにたっぷりサンド。食べごたえはありますが、ミントの香りで後味がさわやかです。ほかにもクリームチーズとのコラボは、粒あんと一緒にフランスパンにはさんだ「あんこクリームチーズ」があります。

チーズの使い方にもオリジナルな工夫があり、見た目のキュートさと相まって、「ここでしか出会えないパン」を揃えていることも人気の理由のようです。

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石窯パン工房KAMEYA 向島店

本店は創業60年以上、現社長は3代目にあたる老舗ベーカリーです。東京スカイツリーから徒歩10分圏内にある向島店は、石窯で焼きあげる70~80種類のパンをラインアップ。チーズを使ったアイテムもバリエーション豊富に揃っています。
石窯パン工房KAMEYA 向島店
住所:東京都墨田区向島 3-39-8
電話番号:03-3625-2201
営業時間:6:30~19:00
定休日:月曜、火曜

チーズのパンも幅広い年齢層に向けて

同店のある押上エリアは駅を中心に商店やオフィスが集まり、昔からこの街に住んでいる方も多く、店の近くには保育園や学校もあり幅広い年齢層のお客様で賑わっています。「それに合わせて、チーズを使ったパンもどなたにも喜んで食べていただけることを意識してつくっています。チーズは種類が多く、香りや溶け方にも特徴があるので、アイテムごとに使い分けるのもこだわりのポイントです」とお話しくださったのは副店長の山崎創さん。

例えば、人気商品の「チーズブール」には、ナチュラルチーズとプロセスチーズを使い、焼くと溶けるおいしさ、溶けずに残るチーズの存在感を楽しめます。生地は国産小麦粉2種類を合わせたフランスパン生地で、独特の風味がチーズのおいしさを引き出します。350gの生地量に対し、チーズは片手に1杯分くらい、「もう入るだけ入れますよ!」という感じで、小麦粉とチーズがつくる、より深みのある味わいを目指しています。

「明太チーズフォンデュ」は、サクみを重視したリーンな生地で自家製の明太ペーストとクリームチーズを包み、生地表面にはダッチトッピングを施して、カリカリっとした食感に焼きあげてあります。「先にやわらかいクリームチーズを包み、マヨネーズ、バターと明太子を固めのペーストにしたものを後から押し込むように入れるのが包あんのコツ。包む系のチーズのパンは高温の窯の中で、チーズが沸騰して生地を突き破ってしまうと、チーズがみんな流れ出てしまうので、とじ目はしっかりと止めるのが大事です」(山崎さん)。

明太ペーストを使ったパンには、同店人気NO.1の「明太フィセル」もありますが、はさむか包み込むかで、それぞれ明太ペーストは別につくっているそう。「明太子と合わせる素材や配合を変えて、パンが焼きあがったときに、素材のおいしさを引き出せるようにしています」(山崎さん)。

菓子パン生地の台にチーズスフレのアパレイユを流しこんで焼く「チーズケーキ」など、チーズを使ったスイーツ系もあり、最近新登場したのが「クリームチーズリング」です。レーズン入りのフランスパン生地でクリームチーズを細巻にしてリング状に。レーズンとクリームチーズの相性のよさと食べやすさで売れ行きも好調だそう。

がっつり男前なサンドや総菜パンも人気です

朝は6時半にオープンし、部屋着のまま散歩がてらにパンを買いに来る近所の常連さんもいらっしゃるとか。気どらず、親しみやすい雰囲気の同店は、男性のお客様が多いことも特徴の1つです。そのためか、総菜パンなどは1つひとつが大きめで、ビジュアル的にもがっつりとボリューム感をアピール。チーズを使うことで、おいしさや食べごたえはいちだんとアップします。食パン生地を使った「石窯ピザ」には、野菜をたっぷりのせて、焼くと独特のひきが出る、なめらかで伸びのいいモザレラチーズを使用。さまざまな具材とチーズをトッピングした「塩パン」も好評です。

「パニーニ」は、ドッグパンにベーコン、フレッシュトマト、バジルペーストなど具材とチーズをはさみ、表面にもシュレッドチーズをのせて、鉄板でプレスをかけて焼きあげたもの。
「ドッグパンは、灰分多めでナチュラルな色合いの国産小麦を少しブレンドし、卵を使ってフワッとやわらかに焼きあげてあります。ドッグパンを使うことで歯切れがよく、表面がチーズでカリッと焼けて、歯触りと香りのよさを出しています。サンドした大葉もチーズと好相性で、当店の売上ベスト6の人気アイテムです」(山崎さん)。

そして、ひときわインパクトがあったのが、秋限定の「かぼちゃのフォンデュ」です。チーズブールと同様に350gの生地量ですが、具材をあふれるくらいにのせてあり、売り場に並んだ感じはさらにボリューミー。切り込みを入れてかぼちゃサラダをはさみ、上にホワイトソースベースのクリームフォンデュソース、ベーコン、蒸したカボチャをトッピング、モッツァレラチーズをのせて焼きあげてあります。

チーズを使ったパン以外にも、卵まるごと1個を生地にのせて焼きあげた「ベーコンエッグ」は、ソースでもケチャップでもなく、醤油味。こちらも男性に好評で、「パンに醤油」のブームがじわじわと来ているそう。長さ90cmのソーセージをフランスパン生地で包んだ「超ロングフランク」も売り場での存在感が際だっています。

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チーズをプラスすることで、パンのビジュアル、味わい、食感にさまざまな変化が生まれ、おいしさがいちだんと深まります。食事にもおつまみにもなるチーズのパンは、ホームパーティーや家飲みにもぴったり!チーズを使ったおいしいパンを探しに、ベーカリー巡りに出かけてみてはいかがでしょう。

※店舗情報及び商品価格は取材時点(2017年11月)のものです

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