パンのテーブル

キッシュ&タルト

  • MAISON ICHI(メゾン・イチ 代官山)
  • BACKEREI SAKATUJI(ベッカライ サカツジ)
  • OPAN(オパン)
  • pour-kur(プルクル)

MAISON ICHI(メゾン・イチ 代官山)

フランスにあるような、「職人がつくるパンと総菜の店」をコンセプトにしたベーカリー&カフェ。パンを主体に、テリーヌやリエットなどシャルキュトリーを始めとするフレンチデリ、スイーツが揃い、テイクアウトでもイートインでも、ワンストップで1回の食事をトータルにまかなえる店です。毎朝6時に焼きあげるチャバタなどを使ったサンドイッチも開店時から店頭に並び、週末ディナータイムはフレンチビストロとして営業しています。

MAISON ICHI(メゾン・イチ 代官山)
住所:東京都渋谷区猿楽町28-10 モードコスモスビルB1F
電話番号:03-6416-4464
営業時間:8:00~20:00 ※木・金・土のみディナーメニュー営業
定休日:なし

サクサクの生地にフルフルやわらかなフィリングが魅力のキッシュ

同店のパンは、ハード系をメインに「毎日食べられる食事パン」をコンセプトにしています。自家製ルヴァン種を使い、低温長時間発酵で、もちっとした食感と小麦粉の旨みをひき出しています。
焼きたてのパンと一緒に売り場に並ぶキッシュは定番の5種類をラインアップしています。サックリしたキッシュの台にたっぷりの具材、そしてアパレイユのフルフルとやわらかで滑らかな食感が特長です。「水分(牛乳・生クリーム)と卵の比率をだいたい6:4くらいにしているのがこの食感の秘訣です」と教えてくださったのは、製パンスタッフの太田愛さん。

アパレイユの水分量が多いため、キッシュ台の成形とコンベクションオーブンを使った「から焼き」がとても重要なのだそう。キッシュ台の生地は、北海道産小麦粉とバターをミキサーで混ぜ、水と塩を加えて生地がまとまったらシーターで4mmの厚さに伸ばします。8cmのセルクル型を使い、1つひとつ1枚の丸い生地から縁を立ち上げていきます。「とくに底と側面の角が90度にキリッと立ち上がるように気をつかうそう。焼成中に生地が膨らまないようストーンを敷き、途中2回上から押さえます」(太田さん)。

具材をたっぷり使うところも同店キッシュの特長です。人気の「ベニズワイガニとブロッコリー」はスチームしたブロッコリーを台に並べ、その上にシュレッドチーズ、カニの身を3本並べてアパレイユをそっと注ぎ、見せたい具材(カニ)が表面にきれいに姿を現すようにしています。アパレイユの味つけは塩とホワイトペッパーにナツメグを少々。全種類に同じアパレイユを使っています。

女性に人気の「トマトのバジル モッツアレラチーズ」は、2~3mmの厚さのフレッシュモッツアレラを底に並べてから、半分にカットしたプチトマト3個分とバジル。アパレイユの卵色にトマトの赤、バジルの緑と彩り鮮やかで、伸びのよいモッツアレラのやさしいミルク風味を楽しめます。
キッシュはこのほか、「ジャガイモとベーコン」「ホタテと青豆のキッシュ カレー風味」などがあります。

大きく焼いて切り分ける四角いタルト


タルトは長方形の大きな型で焼いて切り分けた、食べごたえ満点のサイズです。生地は小麦粉、バター、グラニュー糖、卵を使った「シュクレ生地」で、特注の四角い型でから焼きし、フィリングを流し込んで焼きあげ、10等分にしてあります。「縦横2辺をサクサクのタルト生地が囲むコーナー部分をチョイスするお客様も多いです。フィリングもパティシエがつくるような凝ったものではありませんが、シンプルでおいしいものが定番として定着しています」(太田さん)。人気の「チョコレート」は、チョコとバター、生クリーム、卵と砂糖を合わせたフィリングで、下にビターなチョコレートを使ったクリーム、上にミルクチョコレートの2層になっています。「タルト生地はホロホロと口の中で崩れる食感に、またフィリングはしっとりとした食感と、チョコレートなど素材の風味を残すように焼き時間を調整しています」(太田さん)。

「紅茶とルバーブ」は、アールグレイのペーストを混ぜたクレームダマンドに加熱していないルバーブをそのままのせて、歯触りも残して焼きあげてあります。タルト生地とクリームの甘さとコクにルバーブの爽やかな酸味のコントラストが絶妙です。「ルバーブはジャムやコンポートで少しずつ身近になってきましたが、メインの素材としてたっぷり使ってあるのはまだまだ珍しく、とても好評です」(太田さん)。

「アプリコットとピスタチオ」は、ピスタチオのペーストをクレームダマンドに混ぜ、フレッシュアプリコットをのせて焼きあげています。冬の間は、アプリコットのかわりに旬のイチゴを使用。焼くと色が褪せてしまうので、仕上げにスライスしたイチゴを添えます。焼きあげた後に具材をのせるのは、このイチゴの場合のみ。ほかはどのタルトも具材も一緒に焼き込むシンプルな手順で、あまり手数をかけずに素材のおいしさをうまく生かしてあります。
「パン生地は発酵がどんどん進んで待ってくれない点が難しいところですが、お菓子は適切につくればうまくできます。現在ブーランジェリー部門は6人の職人がいて、ローテーションでタルト・キッシュも全員が担当しています。皆、将来は独立を目指していますから、パン以外にも1つでも多くのアイテムをつくり、お客様に提供することは、自分たちの勉強にもなっています」(太田さん)。

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BACKEREI SAKATUJI(ベッカライ サカツジ)

山小屋風の建物の、重たい木製ドアを開けると、まるでパンが主役の劇場に迷い込んだようにワクワク感が高まります。木の壁や棚板のダークな色調を背景に、焼き色の美しいハード系、色とりどりのフルーツをのせたデニッシュなどが、舞台でスポットライトを浴びるように並び、たくさんの種類の中からお気に入りを探すのも楽しいベーカリーです。

BACKEREI SAKATUJI(ベッカライ サカツジ)
住所:埼玉県三郷市彦成3-392-2
電話番号:048-951-5351
営業時間:7:00~17:00
定休日:水曜

バリエーションの1つとして、2~3種類のキッシュを焼いています

同店のキッシュやタルトは、大きな型で焼きあげ、切り分けて販売するスタイルです。つくり始めたきっかけを伺うと、「見た目の華やかさ、というのもありますが、いろいろなものがあったほうがお客様はうれしいだろうな、と思って」とオーナーシェフの阪辻広明さん。「つくり手のこだわりよりもお客様が喜んでくれるかどうか」を最優先課題にして、自らのアイデアもお客様からの要望も、柔軟になんでも取り入れて商品づくりや店づくりを行っているのだそう。来店されたお客様どなたにもお気に入りを見つけてもらえるように、平日でも100アイテム、土・日曜、祝日は130アイテムほどを品揃えしています。


パン製造が一段落した14時ごろから翌日分のキッシュ、タルトの生地の仕込みにとりかかります。キッシュの生地は、薄力粉、卵、砂糖、水、油脂の材料を全部一度にミキサーに入れ、全体が混ざる程度のごく短めに回します。「練りすぎないことが食感をよくするポイントで、スタッフ誰でもつくれるようにシンプルな手順にすることも大事です」(阪辻さん)。

この日、売り場に並んでいたキッシュは、定番の「ほうれん草とベーコン」と「かぼちゃのキッシュ」。土・日曜、祝日には「エビとホタテのキッシュ」も加わります。から焼きをした生地にチーズを敷き、具材をのせてアパレイユを注ぎ、上にもチーズをのせて焼きあげています。直径約23cmを6等分した1ピースは厚さもしっかりあり、中に野菜たっぷりで、かなりのボリュームです。

大きな型でつくるとアパレイユはふっくらしっとりと焼きあがりますが、焼き時間は1時間ほどかかり、その間窯をふさいでしまいます。「アイテム数の増える土日はとくに、窯のやりくりなど厳しく感じることもあります。それでも楽しみにしてくださるお客様をがっかりさせてはいけないと思うのです」(阪辻さん)。

定番タルトは自家製カスタードクリーム+ブルーベリ

タルトは、平日は定番の「ブルーベリー」を1台、土・日曜、祝日は「チョコ栗のタルト」、「オレンジのタルト」が加わります。18cmタルト型で焼く1台を4等分で販売するため、日によっては早い時間に売り切れてしまうこともあります。
タルト生地は、有名パティスリーのレシピをパン屋風にアレンジしたシュクレ生地。薄力粉に皮付きのアーモンドパウダーを10%ほど混ぜ、きび砂糖を使ってナチュラルでコクのある味わいにしています。
型に生地を敷いてアーモンドクリームを絞って焼きあげ、冷ましてからカスタードクリームとブルーベリーをのせてピスタチオをトッピング。ツヤツヤのブルーベリーが宝石のように輝いて、フルーツやナッツをこんもりとトッピングしたデニッシュと並んで、売り場のメリハリも効いています。

いろいろな素材を試してみるのが好きだという阪辻さん。同じ商品でもよりおいしくなるように、素材や配合、形を変えることもよくあるそう。例えば、クリームパンにもタルトにも使っている自家製のカスタードクリーム。「中力粉でつくってみたら、より滑らかな仕上がりに。それ以来、一般的な薄力粉とコーンスターチではなく中力粉を使っています」(阪辻さん)。バゲットはお好みを選んでいただけるようにイーストで低温長時間熟成したもの、ホシノ酵母種を使用したもの、玄米入りの3種類を用意し、丸いカンパーニュもシンプルなものと玄米入りの2種類が棚に並んでいます。


「発酵力が強い生イーストを使ってつくる菓子パンは、砂糖や卵などでおいしさがわかりやすいですし、粉と水と酵母と塩だけでつくるハード系は、じっくり時間をかけておいしさを引き出してあげないといけない、という違いはあります。どのアイテムもお客様においしい!と喜んでいただけるように、全部を同じ想いでつくっています」(阪辻さん)。

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OPAN(オパン)

「BIGOT TOKYO」で腕を振るった國井慎二シェフが2016年4月にオープン。特別な日のパンではなく、毎日食べることができる、くらしの中にしっくり溶け込むようなパンがコンセプト。対面式の売り場には、夕方になっても新しく焼きあがったパンが追加され、朝から閉店までたくさんのお客様で賑わっています。
OPAN(オパン)
住所:東京都渋谷区笹塚1-9-9
電話番号:03-6407-8507
営業時間:8:00~19:00
定休日:月曜、第2、4火曜

旬の食材で家庭的&日替わりのおいしさを

「店の雰囲気も商品も『家庭的』というのがこの店のテーマです」と、お話しくださったのはキッシュ、タルトを担当する元パティシエの菊池瞳さんです。
キッシュ、タルトを取り入れたきっかけは、朝のオープン時に出せるアイテムが限られていたため。キッシュ、タルトは前日までに生地を用意しておき、朝は具材を入れて焼くだけで提供できます。パティスリー出身の経験を生かしての菊池さんの提案に國井シェフはすぐにゴーサインを出したそう。
「キッシュ、タルトも店のコンセプトに合わせて、好みが分かれる食材やクセのある香辛料などは使わずに、誰にでも受け入れられるもの、また、朝から提供しているため、やや軽めにして食べやすいことを大切にしています」(菊池さん)。

キッシュ生地はサクサクの層ができる練りパイ風の「フォンス生地」。小麦粉は薄力粉のみで、アーモンドプードルと砂糖を少々混ぜています。素材にこだわる國井シェフお気に入りの低水分の北海道産バターを使い、香りのよさが特長です。セルクル型を使って前日までにから焼きしておき、定番の「ほうれん草のキッシュ」と「本日のキッシュ」の2種類をつくっています。「日替わりキッシュは、現役主婦の目線を生かし、スーパーで旬の食材を見てレシピを決めています。具材は野菜だけのこともあれば、肉・魚などタンパク質系の食材と野菜を組み合わせることも。1日10個ずつつくるのが精いっぱいなのですが、朝いらっしゃるお客様は常連さんが多く、最近は日替わりで何が登場するのかを楽しみにしてくださっているようで、うれしいです!」(菊池さん)。

家庭料理風の鶏ハムなどもパンづくりの作業の合間に仕込み、キッシュの具材に活用しています。野菜は、カボチャ、ジャガイモなどは下ごしらえとして火を通しますが、ほとんどは生のままで。「トマトは生でジューシーさを生かし、生のカブもほっくりと焼けておいしくなります。大根や白菜は淡白で水気が多すぎるので、そのままではキッシュには向かないですし、ゴーヤは唯一シェフに却下された食材です(笑)」(菊池さん)。

アパレイユは、乳脂肪抑えめの生クリームを使い、卵と水分を半々くらい。チーズは「グラナダパダーノ」の粉チーズをベースに、素材に合わせてゴーダまたはカマンベールを使っています。「ほうれん草のキッシュ」は、ほうれん草とベーコン、炒めた玉ねぎとゴーダチーズ。本日の「スナップエンドウとカマンベール」は、中に生ハム、上にピンクペッパーで彩りを添えています。主役のカマンベールをアパレイユから少し顔を出すようにして、見た目にも華やかにしてあります。「パン屋のショーケースは茶色が多いので、キッシュやタルトでなるべく色彩を入れるようにしています」(菊池さん)。

シュトロイゼルで見た目と食感に変化を


タルトはシュクレ生地の上にクレームダマンドを敷き、具材の上にシュトロイゼルをのせて、食感に変化をつけてあります。サイズが小さいので生地だけのから焼きはせず、下火を効かせてそのまま焼きあげます。具材は旬の果物を使うことが多く、ほとんどは生のまま、カットしてのせて焼いています。表面ににじみ出たフルーツの水分が焼成中に煮詰まってジャムのようになります。

「タルト1つにりんごは1/4個分、栗のタルトは渋皮マロン1.5個分、結構たっぷり使っています。あえてカスタードクリームは使わず、クレームダマンドとフルーツだけでも十分においしくなりますし、特別な日のお菓子ではなく、焼きっぱなしにして普段づかいのホームメイド風なタルトに仕上げています」(菊池さん)。焼き菓子として2~3日は日持ちしますから、焼きたてはサクサク、日がたつと少ししっとりしたおいしさも楽しめます。

セルクル、大きなタルト型で焼いてカット、小さなタルト型で1個ずつつくる場合の違いについても伺ってみました。「大きな型で焼くと焼き時間が長くかかります。小さい型を使うと、セルクルに比べて失敗が少なく、見栄えもよくなります。セルクルでつくるほうが成形に手間がかかりますが、スタッフみんなのスキルアップのためにもキッシュはセルクルでつくっています。底生地が天板に直接触れ、2度焼きもしますから、下火が入りすぎてしまうときは天板を重ねるなどで調整しています」(菊池さん)。

取材に伺った午後5時過ぎ、1人で来店した小学生くらいのお子さんに売り場スタッフが言葉をかけ、おつかいをコンプリートできるよう気づかう、ほほえましいシーンも見られました。
本日3回目のバゲットが焼きあがり、仕事帰りに立ち寄ったお客様も焼きたてのパンを携えて家に帰れる、そんなところもご近所さんに愛されるゆえんのようです。

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pour-kur(プルクル)

藤沢市辻堂にあるベーカリー「POURQUOI?(プルクワ)」と、「代々木VILLAGE」のコンセプトプロデュースを担当した、音楽プロデューサー小林武史氏率いる株式会社KURKKUの共同プロジェクトで誕生。低温長時間熟成と自家製酵母(ルヴァンリキッド)で旨味と香りを引き出した石窯ピッツァやパ二―二、バゲット、クロワッサン、ベーグルなどのほか、焼き菓子や野菜をふんだんに使った総菜パン、彩りも華やかなデニッシュなどが並びます。
pour-kur(プルクル)
住所:東京都渋谷区代々木1-28-9 代々木VILLAGE
電話番号:03-6300-5390
営業時間:8:00~19:00
定休日:月曜 ※祝日の場合は営業、翌日休み

クロワッサン生地を活用した、発酵バターが香るキッシュ

緑に囲まれた代々木ビレッジ内にある同店では、定番のキッシュ2種類と季節ごとのタルト数種が売り場に並んでいます。
「タルトやキッシュは成形して焼くだけなので、朝のオープン時から並べることができますし、売れ行きを見ながら必要な数だけ補充することができます。平日は、通勤途中に来店されて朝食やランチ用に買っていかれる常連のお客様も多いです」とお話しくださったのはシェフの藤田麻依さん。

キッシュは、台にルヴァンリキッドを使ったクロワッサン生地を使っています。折り込み生地を折りたたんでバターが練られた状態になるようにアレンジ。底はパリッと焼けて、サクサク感と発酵バターの香りを楽しめます。卵の黄色が鮮やかなアパレイユは牛乳、生クリーム、卵を固すぎず、やわらかすぎない食感になるように配合。「生地の厚みやアパレイユの配合など何回かつくってみるうちに、ベストな組み合わせにたどり着きました。生地だけのから焼きはせずに、具材を並べてアパレイユを注いで一気に焼きあげています」(藤田さん)。

「きのことベーコン」のきのこは、しめじ、マッシュルームにポルチーニ少量をだし代わりに使ってガーリックソテーにしてあります。
「サーモンとじゃがいも」は、じゃがいもをスライスして生のままスモークサーモンと重ね、サーモンと相性のいいディルも入れてハーブの香りをプラス。いずれもチーズはドイツ製モッツアレラとパルメザンチーズの2種類を使っています。

タルトは「ガトーバスク」から展開


パン職人になる前からお菓子づくりも大好きだったという藤田さん、プルクルのラインアップに焼き菓子も加えたいと考え、プルクワの神田シェフにガトーバスクのレシピを教えてもらったそう。それだけではもったいないと、タルトもつくるようになったのです。「旬の果物などを使って季節感も出せますし、バリエーションが広がる、と常連のお客様にも喜んでいただけます」(藤田さん)。

タルト生地は小麦粉に粗めのアーモンドプードルを混ぜて、よりサクサクとした食感と香ばしさ、コクを加えています。生地のから焼きはせずに、クリームとフルーツなどの素材を並べて一気に焼き込みます。焼き時間は素材に合わせて調整。水分の少ないナッツなどは早めに火が通り、瑞々しい生の洋梨などは少し長めに焼成するうちにジャムのように煮詰まっていきます。「いろいろな種類を一度に窯に入れるので、何度も様子を見ながら具材に合わせた焼き時間でベストの状態に焼きあげていきます」(藤田さん)。

フルーツ類は生のままで使うことがほとんどで、クリームはラム酒を効かせたアーモンドクリーム、ハーブやスパイス、紅茶でフレーバーをプラスしたもの、アーモンドプードル入りカスタードクリームを使い分け、焼成後も素材に合わせた仕上げのひと手間で、見た目も美しく仕上げています。

例えば、紅玉の季節限定の「タルト・オ・ポム」は、アールグレイの茶葉を練りこんだアーモンドクリームを使い、焼成後に粗熱を冷ましてからグラニュー糖をふりかけます。「タルト・ポワール」は、アーモンドプードル入りのカスタードクリームにスライスしたフレッシュの洋梨。焼きあげてからバーナーで焦げ目をつけ、グラサージュでツヤツヤにしてあります。「タルト・オ・ノワ」は、ピスタチオ入りのアーモンドクリームにキャラメリゼしたクルミ、アーモンド、ピスタチオ、ヘーゼルナッツを合わせ、アクセントに少量の岩塩を振りかけて味を締めています。仕上げは雪のような粉糖。

冬に向けて今考えているのは「デーツとクルミのタルト」で、スパイスを効かせたチャイのカスタードクリームを合わせて、ちょっとオリエンタルなテイストに仕上げる予定だそう。
「秋は果物もおいしいものがいろいろ出て、タルトのラインアップが最も充実します。タルト自体、秋冬になると食べたくなるアイテムですよね。同じ素材でも年が変わると少しアレンジしてつくってみたりで、レパートリーは無限です。ベーカリーのタルトで季節を感じていただく、そんな楽しみがあるといいですね」(藤田さん)。

お店の詳細情報、商品情報はこちら!

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総菜パンや菓子パンと一緒に、気軽に選べるベーカリーのキッシュ&タルト。同じアパレイユを使っていても、合わせる素材でバリエーションが広がり、台の生地にもベーカリーならでは、各店のこだわりが込められているようです。見た目もキュートなキッシュ&タルト、お気に入りを見つけに各店を訪れてみてくださいね。

※店舗情報及び商品価格は取材時点(2017年12月)のものです

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