パンのテーブル

世界でたった1つのオーダースイーツ

  • SWEETCH(スウィーチ)
  • アニバーサリー 青山本店
  • BON SWEETS&CONGRATS! (ボン スイーツ アンド コングラッツ!)

SWEETCH(スウィーチ)

広尾駅からほど近い、アパートメントの1室でオーダースイーツのアトリエ「SWEETCH」を主宰しているのは笠尾美絵さん。個人や企業向けのデコレーションケーキのほか、スイーツのケータリング、オリジナルクッキーや撮影用のスイーツなど、スイーツに関するあらゆるオーダーにこたえています。また、アトリエでは年に3回ほど季節の食材をテーマにしたスイーツのワークショップを開催するほか、外部のさまざまなイベントに参加してSWEETCH特製のスイーツを紹介。ご近所のカフェに焼き菓子などの卸しも行っています。

SWEETCH(スウィーチ)
住所:東京都港区南麻布5-15-9 1F
電話番号:03-6450-4172
営業時間:11:00~20:00 来店は予約のみ
定休日:不定休

大人から見てもかわいい!と思えるスイーツが得意

現在、オーダーケーキやスイーツづくりを基本的には1人で行っている笠尾さん。栄養士の短大を卒業後はホテル、レストラン、ケーキ店などでパティシエとして活躍。数カ月間のヨーロッパ放浪を経て、2005年9月に「世田谷ものづくり学校」(クリエイターのスタートアップを支援する施設)内にてオーダー専門のスイーツ制作を開始しました。ちょうどオーダーケーキが流行り始めた時期とも重なって着々と注文が増え、その翌年にはアトリエを現在地の広尾に移転しました。

「ケーキやお菓子には人を幸せにする力があります。栄養士の学校を出てパティシエになったのも、お菓子をつくって友だちにあげると、とても喜んでもらえた経験があったから。でも、普通のケーキ店やホテルなどでパティシエをしていると、お客様と接する機会はほとんどありません。オーダー専門店なら注文を受けてケーキをつくってお渡しするところまで、全部を自分で手がけることができます。おつくりしたケーキがおいしかったのか、喜んでいただけたか、手ごたえを直に感じることができるんです」(笠尾さん)。

季節の花をモチーフにしたデザインのケーキは、スウィーチの人気デザインの1つ。笠尾さんは、シンプルながらも心が躍るようなデコレーションのスイーツを得意とされています。「オーダーによってポップなものなど様々な雰囲気のものをつくりますが、必ず私のフィルターを通して、スウィーチらしさを入れてデコレーションしています」(笠尾さん)。

注文は基本的には電話かメールで受けています。ただし、メールだけでは済まさず、必ずお電話で10分~20分くらい、お客様と直接お話しをするそう。スウィーチのテイストを気に入って「デザインはおまかせで」とおっしゃるお客様でも、贈られる方の好きな色、好きなもの、趣味、お人柄などを聞き出してモチーフを考えていきます。「インスタグラムにのせている画像を見て、『これと同じものを』というオーダーも多いですが、必ず少しずつ変えて、常に今までつくったことのない、見たことがないスイーツにしています。ですから、注文するお客様もおまかせ!では済まなくて大変なのかも(笑)」(笠尾さん)。

最近は、贈られる方の職業や趣味をモチーフにしたスイーツの依頼も多く、「実物大のギター!」という壮大なオーダーもあったそう。特徴をどう表現するのか、実物を見て触って構造や機能を確かめたり、資料を調べたりもしたうえで、どこかに必ず笠尾さんならでの「大人っぽいかわいらしさ」を加えて、ほかでは手に入らない、オリジナルなスイーツに仕上げていきます。

コンセプトをスイーツでカタチにする

バースデーケーキは、ショートケーキタイプのフルーツを入れたものが人気ですが、ウエディングケーキはバタークリームのケーキでつくることが多いそう。スポンジとクリームの味も数種類から選べます。3段のウェディングケーキには、形をきれいに保てるフルーツケーキとバタークリームを組み合わせるなど、使うシーン、大きさ、デザインに合わせて土台とクリームを組み合わせ、主にデザイン面でオリジナル感とスウィーチらしさを表現していきます。
「予算やどんなテイストがお好みなのかをお聞きして、希望に沿った提案をしていくことがとても大事です」(笠尾さん)。

価格はデザイン次第で、凝りに凝ったシュガークラフトだと日数もかかりますし、金額も跳ね上がってしまいます。気軽にオーダーしていただけるように、12cmのバースデーケーキなら、ベース5000円+デコレーション代で6~7000円くらいにおさまるように提案することが多いそう。ウェディングケーキは1人600円+デコレーション代で、3段のケーキが30000円~。
明確につくりたいイメージがあり、細部のデザインまでご自身で考えてオーダーされるお客様も多いそう。

「見て楽しくて、食べておいしいことはパティシエとして絶対譲れない条件です。例えば、青い色はパッと見てのインパクトは大きいですが、おいしそうには見えづらいもの。お客様にそうお伝えしたうえで、サプライズだからそれでも是非!という場合は、おいしく見えるように考えに考えて最善を尽くします」(笠尾さん)。

「青いバラ」がテーマのウェディングケーキはブルーベリーをあしらい、ブルーベリー色の大輪のバラの花をトップにのせてあります。「お客様のイメージどおりに表現するために、いろいろな素材の中からより適したものを選んだり、例えば『サーフィン』がコンセプトなら、平面で構成するより立体的に表現した方が躍動感が生まれますよ、なんて提案をすることもあります」(笠尾さん)。

「コンセプトをスウィーツでカタチにする」ことがスウィーチの仕事。子どもでも大人でも、自分の好きなことやもの、大切な人、かけがえのない特別な1日……それを想うとき、心の中はほわっと温かいもので満たされます。そんな温もりもかわいらしいカタチを通して伝わってくるようです。

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アニバーサリー 青山本店

英国で本場のシュガークラフトを習得した本橋雅人オーナーによるウェディングと記念日をテーマにしたパティスリー。青山本店のほか、早稲田、札幌円山にも店舗があります。多いときは週末に100台以上のウェディング・ケーキをつくり、オリジナルの記念日ケーキも好評です。

アニバーサリー 青山本店
住所:東京都港区南青山6-1-3 コレッツィオーネ1F
電話番号:03-3797-7894
営業時間:11:00~19:00 tea room L.O.18:30
定休日:月曜、火曜

見て美しく、食べておいしいウエディングケーキの先駆け

かつての日本のウェディングケーキは、入刀用につくられた華やかな見た目であるものの、食べられないイミテーションがほとんどでした。「アニバーサリー」は1990年に、日本で初の「美しく、すべておいしく食べられるウェディングケーキ」をつくる店としてスタートしました。

根津美術館近くにある青山本店は、エントランスが通りに面していない隠れ家のようなロケーション。とはいえ、記念日にぴったりのオリジナルスイーツをオーダーしたい!という方にはおなじみのパティスリーです。 ティールーム併設の店内には、繊細なシュガークラフトのウェディングケーキや、ミニチュア細工のようなプチギフトの数々がディスプレイされています。お話を伺った店長の関根夏子さんは、パティシエールとして入店後からシュガークラフトに取り組み、本橋オーナーからみっちり技術を仕込まれたそう。

同店の代名詞ともいえるウェディング・ケーキは、シュガークラフトの技を尽くしてつくるシュガーケーキのほか、一からデザインを起こす「オーダーメイド」と、定番のラインアップから選べる「スタンダード」があります。現在はほぼ式場を介してのオーダーとなっていますが、こだわりのデザインをご自分たちで考え、スケッチや画像つきの仕様書をつくってこられる新郎新婦の方もいらっしゃるそう。「お客様のイメージを大切にし、ご希望をかなえつつ、期待していたものよりいいクオリティで出す、そこに感動が生まれると思っています」(関根さん)。

ケーキが会場に運ばれてきたとき、入刀の際の美しさやインパクトはもちろんですが、食べておいしいことにも創業のころから変わらない徹底したこだわりがあります。さらには、ゲストのお皿に取り分け、お口に入れたときにも驚きや感動が生まれるように、とこだわる新郎新婦様もいらっしゃるそう。「ケーキの断面の美しさや、あしらいに工夫を凝らすことなども含めて、ケーキのデザインを考えていきます。また、ウェディング全体のテーマやケーキと同じモチーフでオリジナルの引菓子をおつくりすることもできます。スイーツをトータルコーディネイトすることで、お2人らしさや素敵なウェディングの想い出が、より印象深くゲストの心に残ると思うのです」(関根さん)。

ウェディングで培った技が光る記念日ケーキ


バースデーなどの記念日ケーキにも、決まったデザインの中から選ぶ「スタンダード」と「フルオーダーメイド」があり、6:4くらいの割合で利用があります。ウェディングケーキで培ったデコレーションの技は、記念日ケーキにも存分に生かされています。丸型のバースデーケーキはクリームの絞り技だけで、色とりどりにさまざまな花を表現したフルオーダーのケーキ。長方形のケーキは、母の日を祝って。カーネーションのピンクの濃淡に、白いクリームの絞りが華やかさを添えています。

フルオーダーの場合、ベースのケーキは丸型9cm1700円~、ハート形13cm 3200円~など。デザインやクリームの色の数などに応じてデコレーション代がプラスされます。

「丸、四角、ハート型以外の特殊な形は、人数を目安にオーダーしていただき、体積を丸型に換算してベースのケーキの価格が決まります。最近では、お子様のバースデー用に新幹線の『はやぶさ』や『ドクターイエロー』のご注文がありました」(関根さん)。

フルオーダーに比べ、お手頃価格でオーダーできる「スタンダード」のバリエーションが豊富なのはアニバーサリーならでは。丁寧に手づくりされたデコレーションケーキにメッセージプレートを添えて、大切な記念日のためのオリジナルケーキができあがります。

新幹線や車、ピアノの形をしたフォームデザインケーキや、かわいらしい動物ケーキもラインアップされ、丸型ケーキにお好きな動物ケーキを重ねた、ラブリーな2段ケーキもお子様には人気です。「スタンダード」のクリームの色を変えたり、デザインを少しアレンジするなども可能です(料金は別途加算)。

ご自分できっちりデッサンを描かれ、フルオーダーされる方もいますし、店頭のケーキや画像を見て「こんな感じで!」という方、「2段のケーキで上をピンク、下を白で」、「定番のフェイバリットリボンで、側面のリボンはなくていいです」など、注文の仕方は本当にさまざまだそう。

「シュガークラフト、クリームのナッペ(ケーキ表面にクリームなどを薄く均一に塗り伸ばすこと)や絞りの技、フルーツのカッティング、アイシングで文字や絵を描くなどを駆使して、お客様のイメージをケーキで表現するパティシエは、『アート系の技術職』ともいえます。ですが、実際にオーダーを受けるのは販売スタッフ。『お客様がどんなケーキを望んでいるのか、色や形、雰囲気など自分の頭の中にはっきりとしたイメージを描けるように』と常に言っています。お客様とつくり手がイメージを共有できることが大切で、その橋渡しをするのが販売スタッフなのです」(関根さん)。


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BON SWEETS&CONGRATS!(ボン スイーツ アンド コングラッツ!)

恵比寿にあるオーダーメイドケーキ専門店。オーダーケーキの利用は、ウェブサイトのオーダーフォームから問い合わせ、申し込みすることからスタート。店内のショーケースには、デコレーションをイメージしやすいように、クリームをナッペした丸型ショートケーキや小さな正方形のキャレケーキのほか、オリジナルのアイシングクッキーやトッパ―などのデコレーションパーツが並び、販売もしています。

BON SWEETS&CONGRATS!
(ボン スイーツ アンド コングラッツ!)
住所:東京都渋谷区恵比寿2-37-8-2F
電話番号:03-3446-3376
営業時間:11:00~20:00
定休日:なし

オリジナルのデコパーツを使って個性的なデコレーション

同店の前身はスイーツとお酒のコラボを提案するバーで、イベントやパーティー用につくるデコレーションケーキが評判に。専用の工房を立ち上げ、現在ではオーダーケーキの工房兼店舗として営業しています。10年以上にわたり、さまざまな祝福の場に驚きと笑顔を届けている同店の、オーダーケーキの魅力を店長の江口基さんに伺いました。

「いちばんの自慢は、あらゆるオーダーに応えてケーキをつくってきたことで蓄積され、洗練されてきた技術と経験です。『世界にたった1つ』のケーキは、つくり手にとっても常にこの1台限り。その方のために心をこめて取り組んでいます」(江口さん)。


同店のオーダーケーキは、丸、スクエア、ハート型のほか、数字、アルファベット、漢字、建物、車など自由な形でつくる「フォルムカット」、小さな正方形のケーキを組み合わせてつくる「キャレ」などがあります。ケーキの種類はショートケーキ、チョコショート、チーズクリームの3種類、これをベースにイラストを描いたり、さまざまなデコパーツを使うなどで、デコレーションは無限大です。

「オーダーケーキは決して安い価格ではありませんから、できあがりがお客様のイメージどおりであることが求められます。まずはウェブサイトのオーダーフォームから大きさ、形、色合いや使いたいデコパーツなどを選んで、ざっくりとしたイメージをつかんでいただき、その後、詳しい打ち合わせをする中で、予算内でできることできないことを精査して、希望にかなった形にしていきます」(江口さん)。

お客様の希望を聞いて、パティシエに託すケーキの設計図をつくることが店長の江口さんの役目。事前に相談すれば、アレルギー対応の「乳」「卵」「小麦」「ナッツ」不使用のケーキにも対応しています。また、生クリームが苦手、スポンジが苦手などの場合でも、希望のデザインをかなえるためにお客様と一緒に悩み、職人さんと知恵を出し合いながら新しい方法を見つけていくそう。

店頭のショーケースには、当日お渡し予定のオーダーケーキのほか、生クリームをナッペしただけのシンプルショートケーキやキャレ、アイシングクッキー、マカロン、ケーキトッパ―などが並び、販売もしています。

「弊社のウェブサイトにも、これまでにつくったケーキの画像をたくさん載せていますが、デコパーツの実物を見てイメージを膨らませていただいたり、職人の手が空いていれば、簡単なデコレーションでしたら緊急対応も可能なので、まずは問い合わせていただければと思います」(江口さん)。


お披露目後もスマートなキャレケーキ、手描きのイラストケーキも


4x4cmの正方形、1個1個をフィルムでくるんだキャレケーキは、人数に合わせた数を並べてデコレーションアイテムを組み合わせれば、とても印象に残るおしゃれなホールケーキになります。実際のパーティー現場での使い勝手を考えて生まれたアイデアで、切り分ける手間もかからず、ゲストの方にもスマートに召し上がっていただけます。1つ1つはシンプルですが、例えば竹炭で黒いクリームをつくり、白と黒のシックなチェッカー模様など斬新なデザインができあがります。

イラストケーキはすべて手描き、ということも同店の大きな特色です。「写真を見ながら似顔絵を描く場合でも、そっくりなだけではだめで、モデルさんの特長をとらえつつも魅力的に描くことが大切です。機械では出せない、手描きならではの味わいも生まれます」(江口さん)。

輪郭をチョコで描き、固まったら塗り絵の要領で色をつけたナパージュを流して光沢をつけ、色みを調節することで陰影も表現できます。また、チョコペンのドットだけで描く肖像画風や、チョコを油絵のように塗り重ねて、立体感やワンちゃんのフワフワの毛並みまで表現したものも。

「一般のパティスリーの仕事とはひと味違う、絵画をつくる技法に近いですね。当日のお渡し時間が決まっていて、やり直しはきかない中、職人たちはストイックすぎるくらいに高い完成度を目指して取り組んでいます」(江口さん)。

奇抜なデザイン、本物そっくりなディテール、華やかでデコラティブなケーキは目を惹きますが、同店がまず何よりも大切にしているのはおいしさ。そして、丸いケーキはどこから見ても完璧に丸く、左右の高さに狂いはないかなどを職人たちは常に定規を持って、丹念にチェックしながらつくっていきます。「いちばんシンプルな部分での美しさが仕上がりの美しさに表れてきます。パティシエの実力とケーキに向かう姿勢もそこに出るのだと思います」(江口さん)。

オーダーケーキは、注文する人と贈られる方が別であることがほとんど。よいものをつくれば、注文したお客様だけでなく、お祝い事の主役の方に喜んでいただけますし、ゲストの方々、さらにはSNSなどを通してサプライズや楽しさが波紋のように広がっていきます。「そこからまた新しい注文につながりますし、つくり手である私たちにとっての喜びでもあります。もっともっといい仕事をしていこう、という意欲につながっています」(江口さん)。

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ホールケーキにプラスアルファのお値段でオーダーできる「世界でたった1つ」のケーキ。ハレの日のとっておきに、試してみてはいかがでしょうか?

※店舗情報及び商品価格は取材時点(2018年4月)のものです

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