竹谷さんだから聞けるパン職人の理想と挑戦-新春対談vol.13 帝国ホテルをはじめ第一線で活躍されたシェフが焼き上げる至福のロデヴ ボワドオル 金林 達郎さん

帝国ホテルをはじめベーカリー業界の第一線で活躍され、2012年4月千葉市緑区に「ボワドオル」をオープンされた金林達郎さんと竹谷さんの対談が実現しました。
開店後1年半が経過した「ボワドオル」や金林さんのこれまでの経歴について、30年以上交流を続けているお二人に語っていただきました。

前編 後編

千葉市郊外に自宅併設のベーカリーを出店



金林
 竹谷さんと出会ったのは30年以上前で、会合などでいつもご一緒していましたが、二人だけで話すのは初めてですね。
竹谷
 そうですね。私も今日の対談を楽しみにしてきました。まず金林さんが千葉市のJR外房線土気(とけ)駅の住宅地にご自分の店を出店した理由を教えて下さい。
金林
 私は釣りが趣味で内房と外房どちらにも出掛けられる事から、自宅併設のベーカリーとして千葉市を候補にしました。また息子がこの辺りに詳しく、静かな住宅街で環境が良いと勧めてくれた事が決め手になりました。
竹谷
 土気は比較的新しい町のようですね。
金林
 平成に入る頃から開発が行われ、現在も区画整備は続いています。住民は若い方から年配の方まで世代が幅広いようです。「ボワドオル」は駅から2km程離れていますが、近隣だけでなく隣町からも車でお越しいただいています。

人気の「ロデヴ」は売り切れになる日が多い

竹谷
 「ボワドオル」の売れ筋はどのようなパンですか?
金林
 ロデヴの評判がいいですね。ロデヴのような大物のパンは売るのに苦労するだろうなと想像していたのですが、ロデヴ目当てで来店いただくお客様もいて売り切れてしまう日が多いです。ルヴァン種を使用しており、深い味わいを評価いただいているようです。プレーンは360円、クルミレーズンは450円です。
竹谷
 金林さんは「パン・ド・ロデヴ普及委員会」の技術顧問ですよね。
金林
 シンプルな味のロデヴは料理との相性が良く、米食文化の日本には馴染みやすいパンだと思います。そんなロデヴを身近な町のベーカリーでも買えるように、知識や情報を共有し、作り手を支えていく会「パン・ド・ロデヴ普及委員会」をスタートしました。ボワドオルは「あたりまえのパンが食卓に載せられるように」をコンセプトにしており、ロデヴのようなお客様に味わい深く馴染みやすいパンを提供していきたいです。私のようにロデヴに取り組むベーカリーは、最近増えてきているのではないかと思います。
竹谷
 その他に注力しているパンはありますか?
金林
 「あすみ食パン」をどんどん売っていきたいですね。「ボワドオル」は千葉市緑区あすみが丘にあり、地元の地名を冠した食パンというわけです。1斤360円でホップス種を使用し、ざっくりとした食感と香りを楽しんでいただく食パンです。
竹谷
 2012年4月に開店して少し落ち着いたのですか?
金林
 独りで製パンしており午前にいくつかパンが売り切れてしまうので、13時から15時まで販売を休止して夕方から販売するパンを焼き上げています。客単価は1,000円近い状況ですが、あと1割くらい伸ばしていきたいです。
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