竹谷さんだから聞けるパン職人の理想と挑戦-対談vol.14 ロデヴとの出会いで始まった新たな挑戦 ベッカライ徳多朗 徳永久美子さん

今回はご夫妻で営まれているベッカライ徳多朗の徳永久美子さんとの対談が実現しました。
2011年9月に東急田園都市線たまプラーザ駅の人気店「ベッカライ徳多朗」が移転し、「ベッカライ徳多朗 元石川店」として新装開店。開店から現在までに徳永さんが経験したことやパン作りに対する熱い想いを語っていただきました。

前編 後編

新装開店で広がった商品ラインナップ



竹谷
 しっかりとお話しさせていただくのは初めてですね。今日はとても楽しみにしてきました。
徳永
 私も今日がとても楽しみでした。本当は主人(徳永淳氏)にもぜひ同席してもらいたかったのですが、仕事の都合でお話しできず残念です。
竹谷
 ご主人ともお話しさせていただきたかったですね。ところで前の場所からこちらにお店を移転されたのはどうしてですか?
徳永
 駅前にあった頃は駐車場がなかったので、どうしてもお客様にご不便をおかけしていました。そのため仕方なくこちらに移転というのが正直なところです。最初は駅から遠くなるし嫌だなと感じていました。でもすぐに、決まってしまったことは仕方ない、この立地で今までできなかったことをやればいいじゃないか!と気持ちを入れ替えました。
竹谷
 例えばどんなことを移転してから始められたのですか?
徳永
 飲食スペースができたことで、パニーニを提供できるようになりました。また新しく導入した機械のおかげで時間ができたこともあり、スコーンなども店頭に並べられるようになりましたね。
竹谷
 これからお店をいいものに成長させていけるといいですね。
徳永
 新装開店から3年経ち、やっとオーブンも馴染みはじめたので、これからどんどん新しい挑戦をしていきたいです。

病気からの復帰。背中を押したのは息子の言葉



徳永
 実は2013年5月に脳腫瘍で手術をしました。嗅覚神経に近い脳腫瘍だったので、術後、嗅覚を失ってしまいました。コーヒーを飲んでも苦いお湯という感じですね。
竹谷
 大変な病気でしたね…。
徳永
 はい。そういう状況だったので、「違う仕事をしようかな」と思ったこともありました。
竹谷
 そんな気持ちを払拭できたのはどうしてですか?
徳永
 ある日、中学2年生になる息子に「死ぬまでパン屋なんだろ?周りにたくさん素敵な人がいるじゃないか。もっと周りを頼ってやっていきなよ。」と言われたんです。その言葉に随分励まされました。
竹谷
 素敵な息子さんですね。親の姿をしっかり見て育っている証拠ですね!
徳永
 ありがとうございます。今までは従業員に任せることができず、全て自分でやっていたのですが、今はなるべく任せるようにしています。「それもいいよね、でももう少しこうするともっとよくなるよ」といった言葉をかけながらやっています。
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