パン屋さんで活躍する女性たち
パンとお店と“私”のストーリー

VOL.01
私と夫、それぞれの持ち味を最大限に生かしたパンをもっともっと追求していきたい
手づくりのパン 薫々堂 店主 亀山裕子さん

手づくりのパン 薫々堂 店主 亀山裕子さん

亀山裕子さん

「薫々堂」は店主が私、夫(亀山修二さん)がシェフという役割を担っています。お互いに修業経験は違いますが、パン製造のすべてができる職人同士です。

私は19才でホテルの製パン部に入ってバゲット作りの基本を学びました。でも、学ぶうちにそもそも「おいしいバゲットってどんなものなの?」という疑問がわいてきて…。本場で学ぶためにフランス国立製パン学校へ入学。ここでフランスでパン屋を開業するのに必要な資格(C.A.P.)を取得。フランス南西部の田舎町の薪窯パン屋で一日何千本もバゲットを焼くという経験も積みました。日本に帰国してからは、戦後すぐから営業している昔ながらのパン屋さんへ。パンはもちろん、カレーパンのカレーやマヨネーズも手作り、ロールケーキやクレープなども昔ながらの手法で一から作っているところで、日本人に昔から愛され続けてきた味を体得しました。その後、製パン材料メーカーに勤務し、パンの開発や実験、研究に携わりました。この間、パン作りの現場から少し離れていたのですが、やはり自分の手でパンを作りたくて、「薫々堂」を2003年にオープンしました。

夫は27才でパン職人を目指し、「アンジェリーナ」「ブノワトン」という名店で経験を重ね、縁あって一緒に「薫々堂」でパンを作ることに。

お互いに得意とするパンは違いますが、「おいしい」と感じる感覚は一緒です。2人の個性を生かしながら、「薫々堂」ならではのパンを作っています。

パンへのこだわり

冷凍生地や生地改良剤は一切使わず、手作りにこだわっています。サンドイッチのフィリング、菓子パンのジャム、果物のコンポートなどももちろん手作りです。お客様がいつ来ても焼き立てのパンの香りが漂うお店でありたいと、まとめて焼くことはあえてしていません。

一番人気の「パン・ド・ミ281円(税込)」。製法にこだわりもちもちとした食感が好評です。 小麦胚芽とはちみつ入りの「シェフの食パン335円(税込)」。裕子さんの朝食はいつもこれだとか。

女性ならではの苦労

4年前に男の子を出産しました。出産の前日まで厨房でパンを作っていましたが、やはり小さな子どもを育てながら今まで通りに働くことは大変で…。出産前は私と夫はそれぞれ自分の得意とするパンを作り、焼く工程は窯がひとつなので夫がすべてを担う、という役割分担でしたが、今は夫の分担が増えています。子どもがもう少し大きくなるまでが、家族のふんばりどころかなと思います。

パン製造はいつも夫婦2人で。窯は休む間もなく稼働しているので、いつでもパンの焼ける香りが店内に漂う。

どんなお店にしていきたいですか?

私と夫、それぞれの持ち味を最大限に生かしたパンをもっともっと追求していきたいですね。私は毎日食べたくなるようなパン・ド・ミや角食などリーンなパンを。夫は卵やバターをたくさん配合したブリオッシュ、デニッシュなどのリッチなパンを。そして、せっかく足を運んでくださったお客様のために、常に店頭にパンがある状態にしたいと思っています。

店主の亀山裕子さんと、シェフの修二さん。

「お近くにお越しの際は是非お立ち寄り下さい!

亀山裕子さん お気に入りのpan

シュネック189(税込)ブリオッシュ生地にアーモンドクリームとカスタードクリームを合わせて、巻き込んでいます。夫の得意なパンのひとつ。ふんわりした食感とクリームのやさしい甘みがいつ食べても飽きのこないパンです。

店舗情報

薫々堂

店名/手づくりのパン 薫々堂
郵便番号/〒245-0016
所在地/神奈川県横浜市泉区和泉町3857-10
最寄駅/横浜市営地下鉄立場駅、相鉄線いずみ中央駅
アクセス/立場駅から徒歩5分、いずみ中央駅から徒歩12分
電話番号/045-805-0403
営業時間/10:00~19:00
定休日/日曜・月曜

<オススメパン>シェフが得意とするブリオッシュ生地の菓子パン。手前から手作りの杏のコンポートが贅沢な「ブリオッシュ・アブリコ216円(税込)」、ドライマンゴー×パイナップル×ココナッツの「アナナス216円(税込)」、洋梨のコンポートにキャラメルがアクセントの「ブリオッシュ・ポワール・キャラメル216円(税込)」。水を使わず牛乳だけで練り上げた「ミルヒ(小)108円(税込)」。風味豊かなやさしい味。

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