2024.11.12

週一営業の自然に寄り添うパン屋さん

北海道で生産されているほとんどの野菜、果物を生産することができる夕張郡長沼町。その町に2011年7月25日にオープンしたパン屋さん「ポトリベーカリー」。北海道産の無農薬の材料を出来る限り使い、体も喜ぶパンを焼いています。訪れてみると、本当にこの先にパン屋さんがあるのだろうかと思うほど、大自然の中にあります。木製の可愛い扉を開けて、笑顔で出迎えくれたのが、店主の関口繭子さんです。

ぺこパン

ぺこパン

パンが大好きで、365日パンを食べてます。InstagramやYouTube、XなどのSNSで、 パンとスイーツ情報を発信!私の夢は、世界のパン屋さん巡りをして、 その国その国のパンのおいしさをみなさんにお伝えすることです。 11年勤めた会社を退職し、パン屋さんのおいしさを広めるべく、自転車で日本一周中!

なぜこの場所にパン屋さんをオープンさせたのか。

関口店主は、日々の生活にパンが寄り添う生活をするために、田舎におうち兼パン屋を建てて、引っ越してきました。この場所を選んだ理由は、近所に無農薬の小麦やライ麦、野菜や果実を育てている農家さんがいることと、お店のすぐそばにある『馬追の名水』を普段の生活で使えるからです。「自然溢れるこの場所で、雪どけの頃、白樺樹液の採り、畑で育てた素材をパンに使う、土や風や火、自然の力を借りて酵母を育て、薪窯に火を灯すことで、自然を映し出すようなパンを作りたかったのです。あと、景色が気持ち良く、砂利道が好きだからです(笑)」(関口店主)。この話を聞いて私は、素朴なパンの味わいに納得しました。

酵母に名前をつける!?

関口店主は、果実酵母に「川上くん」、ラム麦酵母に「ラララ〜♪」と名前を付けています。それは、酵母を育て続けると信頼できる相棒になり、愛着がわくからだそうです。果実酵母は山葡萄のみで、関口店主のご主人が山に入り、野生の酵母菌がついた山葡萄から起こします。「川上くん」は大切にしたいルーツのような名前だそうです。
ライ麦酵母は、長沼のライ麦から酵母を起こし、新作のパンやシュトレンもこの酵母から作っています。関口店主は、酵母を育てるのが楽しく、気持ちもルンルン。時には、鼻歌を。そこから生まれた酵母なので、歌うように名前は「ラララ~♪』です。関口店主だけでなく、きっと酵母も踊りながら育っていくのだろうと、妄想をしてしまいました。

最後に、今後の話を聞きました。「大きな出来事は無いけれど、こうしておだやかに日々を紡いでいきたい。こんなパンを焼いていきたいという背骨みたいなものはいつも持っていますが、今までもこれからも、したいと思っている色々な事や、誰かに出会うことなどは、流れに身を任せています。そう言った意味で、何も決めず、明言しないようにしています。」と関口店主は語ります。パンも生き方も自然体。だからこそ、我々人間が、抵抗なく、毎日食べたくなるようなパンになるのだなと感じました。

ルゲラー/かざぐるま

小麦やライ麦の全粒粉は近所の無農薬のもので自家製粉して使っています。近所で無農薬で育ったルバーブとクーベルチュールの有機チョコレートを使用。一口食べると、ザクザクの生地がほろほろと崩れ、そこに砂糖のガリガリ食感が追加されます。特に底面がキャラメリゼされていて、ビターな味わいがあります。ルバーブの爽やかな酸味と下のチョコの甘さが絶妙に合わさり、スイーツに近いパンの印象です。

クロワッサン

地元の農家さんが無農薬で育てたライ麦と小麦を自家製粉して使っています。山葡萄からおこした風味の深い酵母を使用。塩はゲランド塩を使用。噛むとサクサクできめ細く、中はもっちりしていました。オイリーさはなく、軽い味わいです。酵母による酸味があり、それが旨味となります。何個でも食べたくなる!そんなクロワッサンでした。

スイートポテト

POTORIの菜園で、無農薬で育てたさつまいも使用したパン。玄米から起こした酵母を使用。見た目から、薪窯で焼いた美味しさが伝わってきます。クラストがパリッとしていて、高加水でクラムがもちもちです。さつまいもがゴロゴロ入っていて、まるでスイートポテトのような自然な甘さがありました。もし子どもにおやつを渡すとしたら、これをあげたいなと妄想をしてしまうやさしいパンでした。

店舗情報

http://ポトリベーカリー
店舗名:
ポトリベーカリー
住所:
〒069-1317
北海道夕張郡長沼町東9線北2番地
アクセス:
由仁駅から8.5km
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電話番号:
050-1420-9048
営業時間:
11:00 - 17:00
定休日:
月・火・水・木・金・日
店舗公式インスタグラム:
@potori_bakery
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