食のプロおすすめ パンを楽しむ 美食の足し算

vol.05 パテの達人に聞く、パンとパテのマリアージュ

紹介してくれた人

パテ屋 店主
林 のり子さん


大学で建築を学んだ後、ロッテルダム、パリ、東京にて建築事務所勤務。ヨーロッパの食文化に触れ、好物のレバーペーストやパテが家庭でもつくることができると知って、パテづくりにのめり込む。1973年4月東京・玉川田園調布に「パテ屋」をオープン。庭の緑に囲まれた、小屋組みの店舗とその奥にある厨房は、開業のころから変わらない佇まい。若いスタッフたちと一緒にパテや洋風総菜をつくる傍ら、世界中の気候と風土と食のつながりを探求している。著書に「パテ屋の店先から、かつおは皮がおいしい」(発行:アノニマ・スタジオ)がある。

おすすめの組み合わせ

ホロッとやわらかなレバーパテの食感を素朴なカンパーニュがやさしく受けとめる
レバーパテ+全粒粉のカンパーニュ

レバーや肉のパテ、テリーヌは、世界中の肉食をする地域ではどこでも見かけられる保存食です。この店は、私がアメリカで手づくりのレバーペーストをごちそうになり、自分でもつくってみたのがそもそもの始まりです。子どもたちの離乳食にもなりましたし、知人にも好評で、だんだんにつくる種類や量が増えていき、道具を揃え、ついに「パテ屋」として開業することになりました。

当店の「レバーパテ」の材料は、新鮮な鶏レバーと野菜、ローリエと塩だけ。大量の玉ねぎとセロリとねぎをオーブンで焦げる寸前までローストし、甘みは出さずに香ばしさだけをひき出します。丁寧に血抜きをした鶏レバーをこの野菜と合わせてペースト状にし、鋳物の型に入れてオーブンで蒸し焼きに。塩分は1.5%ほどで、新鮮なレバーには、塩に負けない甘みがあります。
レバーパテは、シンプルで素朴な食べ物ですから、合わせるパンも素朴なものがいいですね。といってもライ麦がたくさん入った黒くてかたいものよりも、クラストはパリっとしてクラムはしっとりソフトなフランスパンや、全粒粉入りのカンパーニュなどが合うと思います。口に入れたときの食感が大切なので、当日焼いたカンパーニュなら12~15mmの厚さくらいに、パン屋さんでスライスしてもらうとよいでしょう。でも、もっとラフに丸ごとを手でちぎってはレバーパテをたっぷりつけて食べるのもおすすめです。そして、もちろんワインは赤。ズシッと重たいのが合います。ほかにあれこれ合わせるよりもシンプルに、パンとレバーパテと赤ワインだけで、「ちぎっては食べ、飲む」がいくらでも続いてしまいそうです。

私のお店のおすすめ

ノルウェーの家庭の味 ニシンの酢漬け
二シンはノルウェーの春告げ魚。脂ののったニシンを保存のきく酢漬けに。

当店では、ポークリエットやパテドカンパーニュなど肉のパテのほか、砂肝カレー風味、イカの墨煮、スモークしたカキとほうれん草のペースト、ゴマとひよこ豆のディップの「フーマス(hummus)」など洋風総菜を、保存料や発色剤などは一切使わずにつくっています。今年で45年目。長くやっていると、レシピはどんどんシンプルになっていきます。新鮮な、いい素材を使えば、「面倒なことはなし・必要最小限のものだけ」で、十分においしさをひき出すことができるのです。

春から夏にかけてはニシンの酢漬けがおすすめです。漬け酢はシナモンなど5~6種類のスパイスを混ぜて3カ月ほど寝かせて準備しておきます。船上冷凍したノルウェー産の小ぶりのニシンを仕入れ、厨房で1本ずつさばいてフィレ状にします。塩をして1晩おいてから、漬け酢に。日本と違い、調味料として砂糖は使わないので、一緒に玉ねぎスライスも加えて、少し甘みを出しています。ニシンは水分が少なく、脂が多いので、酢で〆ても白く固まらず、とてもしっとりしています。


食べるときは、皮をひいてから1口大に切り、ぜひフレッシュのディルを添えてください。「スモーブロー」と呼ばれる、北欧風のオープンサンドにしてもいいですね。薄切りしたパンにチーズやハム、スモークサーモンなど、好みの具材をのせるサンドイッチは、火を使わずに簡単に準備できます。ライ麦や雑穀の入った黒いパンを使うのが北欧風で、ザクッとした質感のパンですから、具材をのせてからでも食卓で切り分けやすいです。そして、これにぴったりなお酒はじゃがいもの焼酎「アクアビッツ(AQUAVIT)」。ビールをチェイサーにしても、いけます。

料理とは、もとをたどれば気候風土が異なるそれぞれの地域で、収穫時期に大量にとれる食材をどうやったら、おいしく、長く食べ続けることができるのか、先人たちが知恵を絞って編み出し、引き継がれてきたもの。ですから、合わせる食材やお酒も現地と同じものにして、その土地ならではの「食」を楽しんでみてはいかがでしょう。

店舗情報

店名
パテ屋
住所
東京都世田谷区玉川田園調布2-12-6
TEL
03-3722-1727
営業時間
11:00~18:00
定休日
日・月・火 ※8月は休業
URL
http://pateya.com/main/

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