株式会社ぶどうの木 食品製造課課長
福島 大悟さん
石川県出身。富山の老舗フレンチ「ル・ポワソニエ」を経て、2001年に「銀座のジンジャー」の母体で、石川県金沢市にある「株式会社ぶどうの木」に入社。フランス料理「オーベルジュ ぶどうの木」マネージャー、社長秘書を務めた後、現職にてコンフィチュールやジンジャーシロップのレシピを監修。金沢の食の宝庫「近江町市場」や近隣の農家さんの畑にも足繁く通い、旬の果実や果実と合わせる食材を探求。出会いを大切にし、素材×素材が生む新しいおいしさをイメージしてコンフィチュール、ジンジャーシロップをつくっています。また、シニアソムリエの資格を持ち、ソムリエ協会北陸支部副支部長を務めています。
ジャムとコンフィチュール、どちらもフルーツなどを砂糖と一緒に煮てつくりますが、何が違うかというと、ジャムは保存を目的にフルーツと砂糖を果実の形が残らなくなるまで長時間煮たもの。パンに塗って食べるのが一般的です。一方のコンフィチュールはヨーロッパのスタイルで、火入れを極力少なくし、フルーツの形を残して、風味や香りなどフルーツそのままのおいしさを生かしてあります。パンに合わせるだけにとどまらず、素材や調味料の1つとして、料理やお菓子づくりにも幅広く使うことができます。
当店のコンフィチュールは、当初はプロヴァンスにある工房で、現地のフルーツや食材を使ってつくったものを入荷していました。その後、金沢に工房を設け、プロヴァンスで培った技術はそのままに、国内産のフルーツなどを原料にしたコンフィチュールを製造しています。
メインとなるフルーツに、他のフルーツや生姜、ハーブ、ワインなどの素材をかけ合わせることで、フルーツの色や香り、味わいをさらに魅力的に引き出しているのが当店のコンフィチュールの特長です。また、砂糖については、果物由来の果糖や液糖では、その素材である果物のテイストが強すぎる場合もあるため、クセのないビートグラニュー糖(甜菜糖の精製糖)を使っています。
おすすめは「二つの苺」。野生種の「フーレズデボア」と「センガセンガナ」、2種類の野イチゴを合わせることで、野イチゴならではの甘い香りとコクがさらに豊かになっています。やさしい香りと甘みは、力強いハード系よりもソフトな食感のパンに合います。
また、「いちご×ミルク」の相性は言うまでもなく、バターともよく合います。ぜひクロワッサンにたっぷり添えて召し上がってみてください。バタ―が醸し出す芳醇なミルクの香りが、小麦とイチゴを仲よしにしてくれます。
プレーンヨーグルトを一緒に合わせてもいいですし、パンケーキに添えてもイチゴの香りや素材感を堪能していただけます。
一方、小麦の風味が強いバゲットやカンパーニュでしたら、「ブルーベリーとアールグレイ」など、香りと個性がより際立つコンフィチュールがよく合います。
パンに合わせる料理として、チーズを入れたふんわりオムレツに、お好みのコンフィチュールを添えてもおいしくいただけます。また、生野菜にドレッシングとして「オレンジ・生姜」や「キウイ・レモン」といった柑橘系のさわやかなコンフィチュール、オリーブオイルと塩、こしょう、バルサミコ酢をかけるだけで、彩り・香り・フルーツ感を楽しめる素敵なサラダができあがります。
- 国産のりんご果汁と百花蜜を合わせた「ジンジャーシロップ りんごはちみつ」。マイルドな口当たりで、「ジンジャーシロップは初めて」という方にもおすすめ。
当社(ぶどうの木)は、金沢でレストラン事業をしておりますが、本業はブドウ農園。農家つながりで季節ごとの果物、野菜、豆類、穀物など、本当にさまざまな食材との出会いに恵まれています。そうした環境を生かして、私たちは「一期一会」をテーマに、旬のものや、あけび、食用ほおずきといった、一般にあまりなじみのない素材も取り入れて、季節を感じさせるジンジャーシロップやコンフィチュールをラインアップに加えています。
血行を促し、体を温める生姜のパワーが注目されて、ジンジャードリンクを愛飲される方が増えています。当店のジンジャーシロップは、厳選した国内産の生姜のすりおろしにシナモン、クローブ、黒コショウ、山椒、唐辛子のスパイスを合わせて、ビートグラニュー糖と一緒に大鍋で煮込んでエキスをギュッと抽出しています。
プレーンのジンジャーシロップに果汁などを合わせた、フレーバーのバリエーションは、常時8~12種類を揃えています。生姜の強さで分けると3段階ありますが、国産りんごの果汁と百花蜜をあわせた「りんごはちみつ」は、マイルドでお子様にも飲みやすく、おすすめの1本です。紅茶に入れたり、ビールや焼酎にも合いますので、ご家族皆さんでお楽しみいただけます。
「柚子」「レモン」「プレーン」などは、生姜の強さは中くらい。いちばん生姜が効いているのが「ドライ」で、こちらは生の生姜のしぼり汁も加えてあり、キリッとした辛さが特長です。
寒い季節は、お湯、温かい紅茶、ホットミルクなどで割ると、体の内側からポカポカと温まります。お気に入りのフルーツフレーバーとドライなど2~3種類を揃えて、その時の気分でオリジナルのブレンド、なんて楽しみ方もおすすめです。
当店2階のカフェでは、ジンジャーシロップやコンフィチュールをたっぷり添えた、かき氷やパンケーキ、クロワッサン生地をワッフルのように焼いた「クロワッサンワッフル」などのメニューをご用意しています。こちらにもぜひお立ち寄りください。
コンフィチュールは「サシェ」(30g)と瓶入りの「プティ・ボカル」(130g)の2タイプがあります。
- 店名
- 銀座のジンジャー 銀座本店
- 住所
- 東京都中央区銀座1丁目4-3 1階/2階
- TEL
- 03-3538-5011
- 営業時間
- 11:00~20:00(カフェL.O. 19:00)
- 定休日
- 不定休
- URL
- https://www.cep-shop.co.jp/