紹介してくれた人

メガネコーヒー
店主 竹日 渉さん


カフェ開業を目指し、喫茶店で働いていた成人したての頃は、コーヒーに関しては、「とくにおいしくもなく、苦い飲み物」と思っていたそう。
開業に向けて製菓専門学校で洋菓子、和菓子、パンを学んだ後、入店したシアトル系のコーヒー店でスペシャルティコーヒーに出会う。以来、コーヒーを極め、バリスタとして15年間、専門店の立ち上げなどにも携わった後、2015年夏に「メガネコーヒー」を開業。厳選した豆を仕入れ、自家焙煎を行い、豆の香り、うまみをすべて抽出した珠玉の1杯に。店休日には、専門学校にて後進の指導にあたる。

おすすめの組み合わせ

コーヒーのフルーティな甘みと酸味がジャムのように際立ちます
スペシャルティコーヒー+バタートースト
フレンチプレスで1杯ずつ丁寧に淹れるコーヒーがおすすめ

昔と比べて、今は本当においしいコーヒー豆が手に入るようになりました。いわゆる「スペシャルティコーヒー」と呼ばれるもので、「from seed to cap」つまり、産地での栽培から1杯のコーヒーになるまで、各段階のプロの手で厳密な品質管理のもとに供されるコーヒーです。産地、農園ごとのはっきりと特長ある味わいを楽しむことができます。
当店では、厳選したコーヒー豆を仕入れ、豆の個性を最大限においしく引き出す焙煎をし、抽出はエスプレッソとフレンチプレスを軸にしています。
とくにフレンチプレスは、スペシャルティコーヒーならではのおいしさがとてもわかりやすく、味にブレが出にくい、おすすめの淹れ方です。ローストは浅煎りから中浅煎りくらい。フルーツのような甘みと明るい酸味がはっきりと表れます。あまり深く煎った豆では苦みが出過ぎてしまうため、フレンチプレスには向いていません。
淹れ方はとてもシンプルで、湯を全量注いで3~4分程度待つだけ。その後、ゆっくりプレスを押し下げると、コーヒー豆から油分やうまみをあますところなく引き出すことができます。そして、フレンチプレスで淹れたコーヒーは、冷めてきたときに生まれるなめらかさが何よりの特長です。淹れたての熱いときも、もちろんおいしいのですが、冷めていくにしたがって、熱々のときには感じ取ることができなかった香りや味わいが現れてきます。よいコーヒーは、ゆっくり冷ましながら楽しんでみてください。

コーヒーとバタートーストは黄金のペアリング

コーヒーにはトーストがよく合います。コーヒーを焙煎して茶色い色が出るのはメイラード反応。パンをトーストにしたときのこんがりとした焼き色もメイラード反応のなせる業です。焼き色とともに独特の芳ばしさが生まれ、これが共鳴し合います。
また、コーヒーにはオイル系もよく合います。とくにバターは、「バターコーヒー」という飲み方もありますし、豆を焙煎するときにバターを入れるという方もいるくらい、コーヒーとは相性のいい食材です。
実は、当初は「酸味が際立つコーヒーにトーストは合わないのではないか」とも思っていました。でも、実際にバタートーストとコーヒーを合わせてみたら、バターが加わることでコーヒーの香りや甘み、酸味はよりフレッシュフルーツに近づいていきます。まるでパンにフルーツのジャムをつけて食べているようにも感じられ、想像をはるかに超えた素敵なペアリングになりました。
コーヒーとトーストをお出しすると、たいていの方は、まずコーヒーを一口飲んで、少し口を湿らせてからトーストに取りかかります。最初にコーヒーの香りと甘み、酸味を楽しんで、その後、バタートーストを口にしたときのフルーティなジャム感!この変化にはちょっとした驚きがあります。コーヒーとトーストのペアリング、ゆっくりと楽しんでいただけたらと思います。

私のお店のおすすめ

コーヒーの酸味のおいしさをぜひ味わってみてください
「エチオピア ヴォリチュ ナチュラル」浅煎りで、明るい酸味とフルーティさが開花する
カウンターと、学校机のテーブル席の
店内。テイクアウトもOK

コーヒーは、産地や農園ごとにいろいろな味わいがありますが、ざっくり分けて、苦みか酸味かのお好みに合わせて選んでいただけるように、常時2~3種類をご用意しています。それぞれの豆の持ち味を最大に生かせるように自家焙煎しています。

おすすめは酸味系。今置いているのは「エチオピア ヴォリチュ ナチュラル」で、浅くローストすると、マスカットやイチゴのようなフルーティさを楽しんでいただけます。

「コーヒーの酸味は苦手」という方は多いです。確かに焙煎に失敗すると、イヤな酸味が強烈に出ます。でも、本当にいい豆を選び、豆の特長を引き出す焙煎をして、均一に挽いて淹れることで、フルーティな酸味が華やかに開きます。この酸味のおいしさは、ぜひ一度味わっていただきたいです。

豆の挽き売り、フレンチプレスの器具なども販売していますが、ご家庭ではペーパードリップでもおいしく淹れられます。ペーパードリップ用には、豆は少し細かめに挽いて、沸騰したお湯を粉全体に含ませたら30秒ほど蒸らしてから、前半は湯をほんの少しずつ注いで、ゆっくり時間をかけて香りと味わいを十分に引き出すのがコツです。フレンチプレスなら湯の全量を注いで、数分待つだけ。豆によって多少の加減はありますが、どなたでも簡単においしく淹れていただけます。

パンのメニューに使う自家製食パンは、コーヒーに合うようにつくりあげた竹日さんオリジナルのレシピ
フレンチプレスの器具販売もしています

コーヒーのお伴には、トーストのほか、冬季はホットサンドをご用意しています。パンメニューに使っている自家製の食パンは、コーヒーと一緒におやつっぽく召し上がっていただけるように、菓子パンと食事パンの中間くらいの甘さに仕上げています。ホットサンドは、具をはさんでチーズを上にのせて、山型食パンのふんわりした食感をそのまま残すように、トースターで焼いています。具材は、店主気まぐれで、今日は「チーズとたまごとサラミ」。マヨネーズ和えの卵サラダにサラミをスパイス感覚で使って、パンの甘さとサラミの塩気、燻製香とスパイシーさがアクセントになっています。

春から秋の定番メニューは、自家製ハムの「ハムサンド」です。食パンは山食と同じ配合で角食に。ふんわりとやさしい口どけ、主張しすぎない、やわらかな味わいに仕上げていますので、コーヒーを100%おいしく楽しんでいただけます。

ブラウニーやチーズケーキなど、自家製のお菓子はしっかり甘くつくるのが当店のこだわり。コーヒーには、甘さ控えめだと意外に合わなかったりします。コーヒーもパンもお菓子も、奇抜なことや特別なことは何もしていないですが、ひとつひとつを丁寧につくってお出ししています。おいしいコーヒーとおやつをお伴に、ゆったりした時間をお過ごしくださいね。

店舗情報

店舗外観写真
店名
メガネコーヒー
住所
東京都杉並区下高井戸3-3-3
TEL
03-5374-3277
営業時間
月曜、木曜、金曜12:00〜17:00、18:00~21:30
土曜、日曜、祝日12:00〜21:30
※営業時間は変更あり、facebookで確認を
定休日
不定休
交通
京王線桜上水駅から徒歩2分
URL
https://www.facebook.com/meganecoffee333/

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