紹介してくれた人

オークスハート株式会社
代表取締役・酢ムリエ®No.0001 内堀 光康さん


岐阜県出身。創業明治9年の酢醸造元に生まれ、商社勤務を経たのち、さまざまな果実・果汁から酢を醸造し、デザートのように楽しめる「デザートビネガー®」を開発。2003年名古屋に初の酢の専門店「オークスハート」を立ち上げる。酢醸造の知恵と技術を駆使して、新しいタイプの酢をつくりあげた功績により、個人で農林水産大臣賞を受賞。「お酢のおいしさ新発見」をコンセプトに、お酢のソムリエ=「酢ムリエ®」として活躍中。

おすすめの組み合わせ

フルーツよりフルーティな酢の力で、バターと小麦が鮮やかに香り立ちます
デザートビネガー®・飲むふじりんごの酢+クロワッサン 

「お酢」といえば、まず酸っぱい味を思い浮かべると思いますが、酢のほかにも酸っぱいもの、柑橘類をはじめとする果物や、ワイン、ヨーグルト、漬物など、酸味のある食べ物はいろいろあります。これらと酢の酸味とは何が違うのでしょう? 
酢の主な酸味成分は酢酸です。酢酸はキレ味のある酸味が特長で、揮発性があるため、濃度が高くなるとむせるような、鼻にツンとくる匂いを感じます。果物の酸味はクエン酸、ヨーグルトや発酵した漬物の酸味は乳酸、ワインの酸味は酒石酸によるもので、ほかの旨味や甘味の成分と一体になって、その食材ならではの味わいを生みます。果物が「甘酸っぱくておいしい」と感じられるのは、甘味と酸味の後味が一つになるためです。

近年では、お酢を飲むことが体に良いと言われ、穀物酢に果物が漬けこんである「酢」や、甘味やフレーバーを加えて飲みやすくした「酢」もたくさん出ています。ところが、酢にほかの素材を混ぜた場合、どんなに甘くしても最後には酢の味だけが残ってしまいます。酢にオレンジの果肉を入れても、酢とオレンジの2つの味に分かれてしまうのです。
そこで、果汁のように酸味と甘味が一体化して、本物の果汁以上に果実感のある酢をめざしてつくりあげたのが、当社の「デザートビネガー®・飲む酢」、デザート感覚でおいしく飲むことができるお酢です。 酢は、食材に含まれる糖をアルコール発酵させて、まず酒をつくり、そこに酢酸菌を加えて醸造します。「デザートビネガー®」は、果実や果汁を原料にしてフルーツビネガーをつくり、酢の原料と同じ果物の果汁を合わせた新しいタイプのお酢です。たとえば、ふじりんごの果汁を原料に酢を醸造し、同じふじりんごの果汁をブレンドすることで、果汁の自然な甘味と酢の酸味がひとつにまとまります。さらに、酢には香りを立ち上げる働きがあり、本物の果実以上にりんごの香りが強調されます。これは、リキュールがアルコールによって香り立つのと同じ理由です。

また、油脂類とはとても相性がよく、野菜にオリーブオイルと酢をかければ、おいしいサラダができあがりますし、すりつぶしたピーナッツに酢を混ぜても、おいしいドレッシングになります。チョコレートにバルサミコ酢が合うのも、油脂と酢がマリアージュするから。油脂が食材の味わいにまろやかさとコクを加え、酢はそこにキレ味をもたらします。口に入ると同時に味覚をシャープにし、食材のおいしさをより繊細に感じ取ることができるのです。
クロワッサンに「デザートビネガー®・飲むふじりんごの酢」を組み合わせて、ぜひこれを実感してみてください。小麦粉とバターを使ったクロワッサンは、焼きあげたときに美しい層が生まれ、バターが香ります。「飲むふじりんごの酢」をたっぷり浸していただくと、ふわっと香るふじりんごの甘酸っぱさが、まるで上質のデザートのようなファーストインパクトをもたらします。酸味によって味覚は開かれ、口中に唾液があふれます。パンをよくかみしめることで、バターはよりはっきりと香り、そのあと少し控えめに小麦が主張を始めます。パンを食べるときは水分が欲しくなりがちですが、たっぷりの酢を合わせることで、飲み物なしでもそしゃくが進みます。バターや小麦が奏でるクロワッサンのおいしさを、水分で薄めることなく堪能できるのです。

私のお店のおすすめ

魔法のように、おいしさを生む「お酢の魔法使い」
はちみつからつくった酢に同じはちみつをブレンド。調味料としてそのまま料理にふりかけて使えます。

酢は食材のよい香りを引き出し、不快な香りをマスキングする働きがあります。また、塩味をまろやかにし、塩分少なめでも味に深みを与える、という働きもしてくれます。酢を使うことで、食材そのものの味わいや香り、甘味などがいっそう引き立つ、ということが起こるのです。

酢は、糖を含んだ、あらゆる素材を原料につくることができます。たとえば、8割程度の糖を含むはちみつ。常温に置いても腐らないのは糖度が高く、水分量が少ないためで、酵母による発酵を進めるには手ごわい素材でもあります。私たちは、酢づくりのプロフェッショナルとして、はちみつから酢を醸造することに取り組み、試行錯誤の末に「はちみつの酢」を完成させました。
カナディアンハニーからつくったはちみつ酢に、カナディアンハニーをブレンドし、そのままソースとしても使っていただけるのが「お酢の魔法使い/はちみつの酢」です。お酢をかけるだけで、魔法をかけたように料理の味がおいしく変わります。たとえば、カツサンドに!オイルと酢の相性のよさ、はちみつの甘味とはちみつ酢の酸味がひとつになって、トンカツとキャベツをサラダにして味わっているような爽やかさが生まれます。酸味により味覚は鋭敏になり、食材の持つ、ごく繊細な味わいまでもしっかり味わいつくすことができます。

はちみつの酢をドリンクとして楽しむなら、はちみつ量を控えめに、さっぱりとしたテイストに仕上げた「デザートビネガー®・飲むカナディアンハニーの酢」があります。このほか、デザートビネガー®には、期間限定品も含めて、柑橘系やベリー系の果物、バナナ、ざくろ、カカオ、かぼちゃなど、さまざまなラインアップがあります。冷水やソーダ、牛乳や豆乳などで割ったり、オンザロックでドリンクとして召し上がっていただくほか、お菓子づくりにもぜひ活かしてみてください。ケーキの表面に艶をつけるグラサージュや、焼き菓子の生地、タルトのフィリングなどにデザートビネガー®を使うと、甘酸っぱくてさわやかなスイーツが完成します。マフィンなどは、グラニュー糖の約2割をデザートビネガー®に替えると、やさしい甘さと果実感にあふれた香り、味わいを楽しめます。お酢の力でよりしっとりしてパサつきを抑え、日持ちもよくなります。

マフィンの材料(例)※ベーキングカップ(86ml)7~8個分

  • 無塩バター 100g
  • グラニュー糖 70g
  • 卵 100g
  • 薄力粉 80g
  • アーモンドプードル 25g
  • 飲むふじりんごの酢 30g
  • バナナ 100g(約一本分)
国産いちごのジャムにいちごのフルーツビネガーをプラス。本物のいちご以上に、ベリーならではの甘酢っぱいおいしさを楽しめます。

また、果物からつくった酢は、ジャムにも変化をもたらします。「ビネガージャム 国産いちご」は、国産いちごの果汁でつくったいちごの果実酢を、国産いちごのジャムに入れました。糖度45度の低糖ジャムですが、糖酸のバランスが変わることで、キレ味が変わり、甘さといちご感がよりくっきりと立ちあがってくるのです。

オークスハートのショップでは、各種デザートビネガー®の試飲をしていただけます。ぜひ味わって、お酢のおいしさを新発見していただけたらと願っております。

店舗情報

店舗内写真
店名
ビネガー専門店 オークスハート
日本橋店
住所
東京都中央区日本橋2-4-1 日本橋高島屋 S.C本館 地下1階
TEL
03-3211-4111
営業時間
10:30~19:30
定休日
不定休
URL
http://www.vinegar-world.com/

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