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第1回 林 のり子/パテ屋店主 パテ ~レバーペースト~

パテ ~レバーペースト~

 パテとは肉やフォアグラ、魚介類をすり潰して調味したペースト状のもので、パンにぬるものとして重宝する食品です。ヨーロッパには様々な種類のパテ、テリーヌがあり、ハムやソーセージと同じ肉の保存食品で、総称をシャルキュトゥリーと呼びます。頭・くず肉・内蔵等を、土器(テリーヌ)に詰めて焼いたものがテリーヌ、パイ生地につめて焼くとパテ、これを腸に詰めるとソーセージになります。保存食品なので塩は強めで、保存を助ける香辛料を加えたものもあります。ヨーロッパでは庶民の日常食として永く定着しています。またレストランで典型的なのが「フォアグラのパテ」で、店ごとに工夫をほどこしたパテやテリーヌもよく見かけます。高価な材料の断ち落としやくず肉を寄せものとして再利用できる有用なメニューであり、ブランデーやマデラ酒を加え切り口の彩りも工夫すれば、口当たりも柔らかく見た目にも美しいシャレたオードブルの一品となり、パンと共に食べます。

 田園調布で「パテ屋」を38年営む林のり子さんは、明治ハイカラ世代の祖父母の影響で、幼い頃から食パンにレバーペーストをつけて食べるのが好きでした。パテ屋を始めたきっかけは、ヨーロッパのマルシェ(市場)の食の豊かさに惹かれたことと、当時彼女が食べていたレバーペーストは工場で腸詰めされたものでしたが、アメリカでお手製のレバーペーストに出会い、自分でも作れそう!と思ったからです。「パテ屋」のレバーパテはレバーの味がキリッと際立っていて、食感はホロッとして、本当に美味しいのです。パテ屋のレバーパテに一番合うのはシンプルなバゲット。薄めにスライスしたバゲットにレバーパテをぬり食べ出すと、野菜もたくさん入っているせいか口当たりも良く、もう止まらなくなってしまいます!レバーパテはカンパーニュやライ麦パンにも良く合いますが、パテ屋のレバーパテを楽しむなら、断然バゲットがお薦め。そして普段飲まない私までワインが飲みたくなるから不思議です。

 林さんは、大学の建築科を卒業後、オランダのロッテルダムやパリの設計事務所で図面を引いていました。当時、ロッテルダムで驚いたのはサンドイッチの食感です。サンドイッチと言えば、かんな状のスライサーで薄く削り取ったチーズを何層にも重ね、しっとりした薄切りの黒パンに挟んだものか、これまた薄切りのスモークビーフかハムを黒パンに挟んだだけのものでした。このサンドイッチはその薄切りゆえに今までに出会ったことのない歯ごたえのものでした。黒パンやハム、チーズは元来素朴で重い材料ですが、それを薄く削いで盛り上げるように重ねると、材料の間に空気を含んでやさしく深い歯応えを生みます。ナイフやスライサーで薄く削ぎ取るという手法は、まな板と包丁で材料を切り分ける日本では出会いにくい味や歯応えです。と林さんは話してくれました。


サンドイッチとクリームチーズのペースト

サンドイッチとクリームチーズのペースト

 「パテ屋」には、カナッペやサンドイッチにも合うポークリエット、スモークオイスターを利用した牡蠣ペースト(ほうれん草入り)、セロリなど野菜のディップとしてもさわやかな鱈とじゃがいものペースト、面白い所ではアラブ伝統の味、ゴマとヒヨコ豆のペーストのフーマスなどもあります。フーマスはピタパンやごまのパンにつけて食べると美味しいです。どれも、ヨーロッパで出会った味や素材を日本で楽しめるように試行錯誤してできた品々です。中でも私が気に入ったのはクリームチーズペースト。これはクリームチーズにブルーチーズを加え、ハーブと塩で味付けしたものです。クリームチーズとハーブのバランスがいいので、少し酸味がある酵母のパンが似合います。クリームチーズのペーストをぬるだけでも美味しいですが、スライスしたリンゴをのせてサンドイッチにするのもオススメ。カナッペならクルミを崩したものをパラパラとのせると見栄えもします。ベーグルにサーモンも合いそうだし、ふかしたじゃがいもに添えても美味しそう!
夏はトマトやハーブと一緒にサンドイッチにすると、ひと味もふた味も違うサンドイッチになります。

PROFILE 林 のり子/パテ屋店主

幼い頃から牛タン、レバーの洋食、レバーペーストも好物だった。大学で建築を学び、ヨーロッパの建築事務所に勤務。帰国後、改築予定の実家の敷地にパテ、テリーヌ等の総菜店パテ屋を開く。料理より素材自体が好きで、見極めた素材を丁寧な作業と塩、ハーブなどシンブルな味付でパテに仕上げている。その人柄とセンスを慕い多くのスタッフOGを輩出。朝はコーヒーに甘いもの。お昼はパンにパテ。夜は発酵食品のチーズや納豆、お漬け物等をつまみに大好きなお酒を飲むのが楽しみ♪ 好きなパンは酵母のパン。今はなき「ジャーマンベーカリー」の黒パンが思い出のパン。著書「パテ屋の店先から~かつおは皮がおいしい~」(発行/アノニマ・スタジオ)が新装増補版した。
■パテ屋 http://pateya.com/
東京都世田谷区玉川田園調布2-12-6 TEL:03-3722-1727
営業:祝日以外の 水・木・金・土11:00~18:00土曜日12:00~13:00は中休み
*「食」研究工房も主宰。

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