緑道に佇む隠れ家的コーヒーショップ｜ソトパン

名古屋市内の交通の要所の1つ「今池」に、1km以上に渡って桜並木が続く「水道みち緑道」があります。その道の傍らに2018年5月にオープンしたのが「SUIDOMICHI coffee」です。毎年美しい桜が咲き誇り、大通りから一本中に入った閑静で落ちつける魅力的な雰囲気でありながら、あまり知られていないこのエリア。地名の名が入った店名には、おいしいコーヒーとともに、このエリアの魅力を発信していきたいという想いが込められていました。

ベーカリー出身の店主がつくる自家製パンのトースト

水道みち緑道沿いの小道に佇む建物の2階にあるのが、「SUIDOMICHI coffee」。階段を上り、トビラを開けると、柔らかな笑顔で店主が出迎えてくれます。店内は東向きの大きな窓から光が入り込む、木製の机といすが並ぶ明るい空間。窓に面したカウンター席も用意されており、ゆったりとしたBGMが流れ、穏やかな雰囲気が漂っています。“のんびりできる場所”を目指し、長居大歓迎という、なんとも寛容な店主の尾碕さんが一人で営むお店。「コーヒーを楽しんでもらう場所にしたかったので、店名を“cafe”ではなく“coffee”にしました」という言葉どおり、一つひとつ丁寧に仕上げたスペシャルティコーヒーが楽しめます。

コーヒーは常時3種類で、月ごとに変わります。その豆を仕入れているのが豊田にあるMAQUETTE COFFEE SHOP（マケットコーヒーショップ）。ほぼ毎週足を運び、焙煎士の方に直接話を聞くことで、豆に合ったベストな煎れ方を実践しているそうです。喫茶店文化が根付く名古屋では、コクや苦味重視の深煎りのコーヒーが主流。そんななかでも、SUIDOMICHI coffeeが売りとしているのは、浅めにローストした果実味の強い透明感のあるコーヒーです。コーヒー好きにはもちろん、普段コーヒーを飲まない人や、いつも砂糖やミルクを入れて飲むという方でも楽しめる、軽やかでありながらも豆の個性が際立つ味わいとなっています。

名古屋近郊のコーヒーショップはほぼ網羅している、と豪語するほどのコーヒー好きが高じ、コーヒーショップをオープンした尾碕さん。実は、15年以上パン屋で勤めた経歴の持ち主でもあります。お店で提供しているパニーニとトーストに使用するパンは自家製のもの。国産小麦の風味や食感を際立たせるため、全粒粉を多くブレンドするなど、配合を試行錯誤しながら“トーストして美味しい食パン”を作りあげています。コーヒー同様、極力シンプルな材料と工程で素材本来の良さを引き出すことを主軸としているため、小麦の配合量が多く、しっかりとした食べ応えのあるパンです。

自家製食パンのトーストは現在5種。中でも「はちみつバタートースト（￥350）」は人気メニュー。耳までサクッと軽い食感で、中はもっちりとした小麦感豊かな生地のトーストに、濃厚なはちみつバターが染み込んだバランスの良い一皿。ただバターを塗ってはちみつをかけるだけでなく、はちみつとバターを先に混ぜ合わせてクリーム状にしたものを塗り込む一手間を加えることで、ぐっと味に一体感が増します。朝だけでなく、いつ訪れてもいただけるのも嬉しいポイントです。

モーニングセット
ドリンク価格+150円（税込）

11:00までの限定セットとして、自家製食パンのトーストをサラダとセットで提供しています。バルミューダのトースターでトーストすることで、こんがり焼けた表面と対照的な内側のもっちりふっくら感が増します。北海道産バターを塗って、シンプルに。流行の生食パンとは異なる、素朴な小麦の風味をお楽しみください。
プロシュットランチセット
850円（税込）

パニーニと季節のスープとサラダのランチセット。使用するのは油脂を使わずに仕上げたサクッと歯切れのいい自家製パン。食べ易さを重視した具材に合うパンの間に、そのまま食べても美味しいイタリア産熟成生ハムとクリームチーズをサンドしています。香り立つジェノベーゼソースが味のアクセントに。単品は600円。11:30～13:30のランチメニューとして、他3種をご用意しています。
ハンドドリップ
コーヒーICE
450円（税込）

コーヒー豆は深く焙煎するとビターになり苦みが強くなります。かといって生ではだめで、絶妙な浅めの焙煎は技術を要する職人技。そんな中煎りの豆で淹れるコーヒーは果実味があり、紅茶のように透き通った色をしているのが特徴です。ホットよりも飲んだ時の爽快感が味わえ、フルーティ感が際立つアイスコーヒーは、中煎りの繊細な味をより感じていただけます。