パンのテーブル

京都のおみやげパン

  • SIZUYAPAN
  • GRAND MARBLE 祇園
  • BROZERS’人形町店

SIZUYAPAN

昭和23年創業、京都市内に20店舗を展開する老舗ベーカリー[志津屋]のコンセプトショップ[SIZUYAPAN(シズヤパン)]。取り扱うのは、京都の食材と和菓子の要素を取り入れた“京のあんぱん”。定番10種類と季節限定の2種類を展開しています。日持ちが良く、スタイリッシュなパッケージのあんぱんは、手みやげとして大ヒット中。店舗は、京都駅の新幹線改札口近くの[アスティロード]内。このあんぱんを販売しているのは、この京都駅構内の店舗のみですが、京都の地下鉄・四条駅のブース内では、京都市交通局とのコラボあんぱん3種類を販売しています。インターネットでの通販は行っていませんが、電話のみ受付をしています。

SIZUYAPAN
住所:京都市下京区東塩小路高倉町8-3 京都アスティロード1F
電話番号:075-692-2452
営業時間:9:00~21:00
定休日:無休

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あんぱん専門店[SIZUYAPAN(シズヤパン)]がオープンしたのは2012年。コンセプトは、和の食文化を取り入れた京都発のあんぱん。定番のあんぱんは、和の素材を組み合わせた10種です。俳優・佐々木蔵之介さんの実家・京都市上京区[佐々木酒造]の酒粕や、宇治の有機抹茶、丹波大納言など京都ならではの素材をふんだんに使用。玄米ローストぱん+丹波大納言のこしあんの<PLAIN(プレーン)>や、黒糖入りの黒ぱん+丹波大納言のこしあんを入れた<WAGURI(和栗)>など、一般的なあんぱんとは少し違う生地とあんの組み合わせがユニークです。

あんぱんというと、ふわっとした柔らかい生地にあんこが入っているシンプルなパンですが、[SIZUYAPAN]のあんぱんは比較的しっかりとした生地に、和菓子のような繊細なあんを入れています。食事用にいただくというよりも、丁寧に淹れた日本茶やコーヒーに合わせてゆっくりと味わいたい一品です。

日持ちは、製造日より1週間。窒素充填剤を同封する個包装のため、賞味期限を通常より長くすることができました。ちなみに、あんぱん以外のパンを同じように個包装しても、賞味期限を伸ばすことはできないそうです。「製造過程については企業秘密ですが、他のパンと同じ本社工場で作っています」(広報担当・上野浩さん)とのことです。

商品コンセプトは「京都らしさ」と「高級感」

こちらの店舗はもともと、[志津屋]としてオリジナルあんぱんの詰め合わせやラスクなど、パンの土産品を販売していたスペース。しかし、京あんぱんの専門店としてスタートを切ることになり、店舗も商品、そしてコンセプトまで一新する流れとなったそうです。プロデュースは、関東のデザインユニット[ASAGATA]のプロデューサー・中村伸也さん。デザインは、中村さんとコンビを組むアートディレクター、(有)ダイナマイト・ブラザーズ・シンジケートの野口孝仁さんが担当。もともとあんぱんはベーカリー[SIZUYA]でも人気の商品ですが、<より上質な素材を使用すること><生地とあんをユニークに組み合わせること>を軸にしてオリジナリティを追求。さらに、高級感と京都らしさを演出することで、贈る人ももらった人もうれしい、ギフト用のあんぱんが生まれました。

世界的なデザイン賞を受賞

[ASAGATA]のアートディレクター・野口孝仁さんが特にこだわったのが、おしゃれなパッケージデザイン。[SIZUYAPAN]の店舗ロゴ、そしてそれぞれのあんぱんに、家紋のような“甘紋(かもん)”と呼ぶマークをデザイン。パッケージにはあんぱんの名称や説明が英文で表記されていますが、日本のオリエンタリズムが感じられるのは、この“甘紋(かもん)”のおかげ。白ベースに使用したのは金、赤、黒のみです。

デザイン性の高さから、世界最大級かつ世界的にもっとも権威のあるデザイン賞の一つ「レッドドット デザイン アワード コミュニケーションデザイン 2013」のパッケージデザインカテゴリーで、レッドドット賞を受賞。このデザイン賞はドイツにあるノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンターが主催し、国際的なデザインの専門家たちにより公平に審査するというもの。この年は43ヵ国から6,800件もの応募があり、その中から高い評価を受けたそうです。

京都=古都、のイメージを美しくくつがえす[SIZUYAPAN]のあんぱん。1個から購入できますが、箱入りのあんぱんは、贈答用や結婚式の引き出物としても喜ばれているそうです。

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GRAND MARBLE 祇園

1996年創業、2016年で20周年を迎える[GRAND MARBLE(グランマーブル)]。当初はデニッシュ食パンのフランチャイズとしてスタートしましたが、現在は“マーブルデニッシュ”の専門店。直営店は京都・三条御幸町にある[ル・グランマーブル カフェ クラッセ]、2014年にオープンした京都・祇園の中心・花見小路にある[グランマーブル 祇園]のほか、大阪市内に2店舗があります。また、全国の百貨店でも期間限定ショップを開いています。今回は、古都の風趣あふれる祇園のショップでお話をお聞きしました。

GRAND MARBLE 祇園
住所:京都市東山区祇園町南側570-238
電話番号:075-533-7600
営業時間:11:00~20:00(季節により変動あり)
定休日:無し

食パンでも洋菓子でもない“マーブルデニッシュ”

見た目はデニッシュ食パンのようですが、食べてみるとあっさり、ふんわり。バターを使っていないため脂っぽさはゼロで、粉や素材そのものの香りが強く香るグランマーブルの“マーブルデニッシュ”。

「当社のマーブルデニッシュは、パンでも洋菓子でもないんです」と、企画・広報統括マネージャーの廣瀬仁美さん。定番のマーブルデニッシュは、プレーンタイプの<プレステージ>、祇園辻利の抹茶・イチゴ・プレーンを合わせた<京都三色>、こっくりとした甘さの<メイプルキャラメル>など10種類。1本で2つの味を楽しめる<Deux MARBLE>は、ちょうど半分あたりで味を変えた珍しい趣向です。季節限定では、生八つ橋を練り込んだり、フレッシュ感のあるフルーツを使ったりとユニークなフレーバーをラインナップ。
2015年9~12月はショコラ×チーズの<フロマージュショコラ>、11~12月は<和栗のモンブランデニッシュ>が登場しています。

1本1本を手織りで作る



「京のおもてなし」を極めたい、という想いからスタートした[グランマーブル]。京都発にこだわり、マーブルデニッシュの製造はすべて、京都市南区にある工場で行われています。一日最大1万本を作ることができる工場で、年間を通して130万本を製造しているそうです。驚くべきは、生地をひとつひとつ手織りしているということ。
「マーブルデニッシュの要は、焼き上がりのふんわり感。そのため、生地を伸ばしてから三つ編みのように手で編んでいます。」(廣瀬さん)

素材にもこだわっていますが、きれいな色を出すことや、量の増やし加減に苦心しているといいます。
「チョコレートやドライフルーツ、つぶあんなどの具材は、贅沢にたっぷりと入れています。難しいのは、生地と具材のバランスを取ること。<祇園辻利抹茶あん>では、つぶあんの量の調整に苦労しました。つぶあんを多く入れすぎると生地が押しつぶされて膨らみにくくなってしまいます。そのため、イーストの力で生地がきちんと膨らむぎりぎりの量のつぶあんを入れ、別でかのこを足すことであんこの強さを出しています」(廣瀬さん)

高級感溢れるエレガントなパッケージ


深みのあるオレンジ色に茶色の縁取りのパッケージは、高級菓子を思わせるエレガントなデザイン。箱はのし紙を巻けるサイズで、お中元やお歳暮、結婚式の引き菓子にも対応。現在は全国のホテルやブライダルサロン700軒と提携しており、「本当に美味しくて、おしゃれな引き菓子を」という、目も舌も肥えたカップルから指名されています。

マーブルデニッシュは糖度が高いため、そもそも劣化が遅いそう。賞味期限は、製造日を含めて12日間です。開発当初は商品を入れた袋をビニタイで留めていただけだったため、賞味期限が1週間でした。しかし、ピロー包装というフィルム式に切り替えたこと、鮮度保持剤のフレッシュドットを使うことで、12日まで賞味期限を伸ばすことができたそうです。

[グランマーブル祇園]では、祇園限定の商品も販売しています。マーブルデニッシュをラスクのようにカリカリに焼き、チョコレートなどでからめた「マーブルクランチ 結 Yui」8個500円のほか、最高級のマーブルデニッシュ「翠 Sui」5,000円を予約販売。また、舞妓さんや祇園提灯をモチーフにした付せんや一筆箋、シールといった和雑貨も祇園のみの取扱いで展開。パンでも洋菓子でもない“マーブルデニッシュ”専門店だからこそできる攻めの姿勢と遊び心は、外国人観光客からも絶賛されています。

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ブラウニーブレッド&ベーグルズ

京都市内を南北に流れる鴨川からすぐ。中心地から少しだけ外れた北大路エリアにあるベーカリー[ブラウニーブレッド&ベーグルズ]。大型商業施設と隣接する地下鉄の駅から徒歩3分の場所ですが、周辺は高級住宅街のある落ち着いたたたずまい。常時40~50種あるパンのうち、ベーグルは約20~30種。ベーグルは、インターネットでの通販や、京阪くずは駅の改札を出たところにあるベーグル専門店でも販売しています。

ブラウニーブレッド&ベーグルズ
住所:京都市北区小山下内河原町50-1
電話番号:075-494-6610
営業時間:8:00~19:00
定休日:日曜

冷凍ベーグルのインターネット通販

創業は2000年。もともとサラリーマンだったオーナー・山崎耕二さんが、京都市内のベーカリー2軒で修行したのちにオープンしたお店です。開店後まもなくベーグル作りを開始。当時はベーグルの認知度が低かったため、一日の生産数は4種類を2個ずつ、つまり8個だけでした。2002年ごろから口コミやインターネットの掲示板でベーグルの美味しさが評判になり、次第に20個、50個と数を増やしていったそうです。

そして2003年ごろ、ベーグルのブームが到来。インターネット通販がまだ盛んではなかった時期ですが、山崎さんは「ベーグル専門店」と銘打ち、イチ早く冷凍ベーグルの通販をスタート。すぐさま反響があり、1日の注文が1000件を超えてサーバーがダウンすることもあったそうです。「ベーグルブームが終わって10年以上たちますが、それでも年間を通して一定の注文が入っています。実店舗でもベーグルは安定した人気を保っていますね」(山崎さん)。

美味しさキープの理由は“強い皮”


インターネット通販では、ベーグルを冷凍で販売しています。ベーグルはそもそも、普通のパンに比べて劣化がとても遅く、家庭用の冷凍庫でもおよそ1ヶ月半は美味しさがキープできるというから驚きです。その理由は、皮がしっかりしているから。ベーグルは生地がギュッと詰まっているため、皮も固め。水分量が多いにもかかわらず冷凍に強いというのが、ベーグルの特性です。ちなみに、店舗で購入したベーグルも、家庭用冷蔵庫で約1ヶ月ほど冷凍保存できるそうです。

冷凍ベーグルの根強い人気について山崎さんは「毎日食べられる食事パンだからでしょう」と、分析しています。少人数の家庭や一人暮らし、高齢の夫婦の場合、1斤の食パンを購入後に小分けして冷凍し、1枚ずつ解凍して食べている人も多いようです。食パンは長く冷凍すると臭いがついてしまいがちですが、ベーグルの場合は焼きたての美味しさが長く保たれます。ベーグルは合わせるスプレッドや具材によって、朝食にも腹持ちの良いおやつにも展開できるので、冷凍庫に常時キープしておけば何かと安心、というわけです。

美味しさキープの理由は“強い皮”

「ブラウニーブレッド&ベーグルズ」のベーグルがこれほど人気なのは、生地そのものの風味が抜群だから。本場・アメリカのベーグルは「ごわごわと固い」「もちもちしすぎている」というイメージがありますが、山崎さんが狙ったのは、日本人好みの、程よいもっちりさ。水分が多めなのにふわふわしない、もちもちしているけれど生地が詰まっている……という微妙なバランス感を重視し、研究を重ねて現在のベーグル生地にたどりつきました。「一番大変だったのは、今まで学んできたパンの製法をすべて忘れてしまうことでした。ベーグル作りには、一般的なパンとはまったく違う考え方が必要だったんです」(山崎さん)。

現在は、ベーグルの生地を3種類作っています。クラシカルなベーグル生地[TYPE-50]は、プレーンタイプのみ。強いもちもち感が特徴で、アメリカから輸入した専用の機械で生地に圧力をかけて作っています。ほとんどのベーグルに使用する生地[TYPE-60]は、水分が多めのセミハードタイプ。角切りチーズやドライフルーツ、ナッツといった定番のほか、醤油餅チーズや溜まり醤油漬けクリームチーズなど自由な発想でラインナップしています。そして2015年9月からは、しっとり系の[やわらかベーグル]を定番として販売。スタートは、焼きトウモロコシ、チーズレーズン蜂蜜、ベーコンチーズの3種類です。どんどん進化を遂げるベーグルに注目です。

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京都で見つけた日持ちのするパンは、いずれも個性と味、ビジュアルが際立っていました。自宅用に、パン好きの友人へおみやげに・・・と、あれこれ迷ってしまいそうですね。おみやげとしてパンを選ぶことができるのは、観光都市・京都ならでは。美味しいパンを求めて京都を旅してみてはいかがでしょうか。

※店舗情報及び商品価格は取材時点(2015年10月)のものです

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