パンのテーブル

早起きした日はベーカリーのモーニング

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Bakery & cafe つむぎ

ドイツでパンづくりの修業をし、帰国後は日清製粉で40年間小麦粉と製粉の研究開発に携わってきた竹谷光司さんが、2010年に創業したベーカリー。2018年1月、ともに店を支えてきた息子の健吾さんが父上の後を継いで店主に就任。店舗2階にあるカフェでは、2017年12月からモーニングのメニューもスタートしています。

Bakery & cafe つむぎ
住所:千葉県佐倉市ユーカリが丘2-2-7
電話番号:043-377-3752
営業時間:8:00~18:00 カフェ8:00~17:00
定休日:月曜、火曜
モーニング:8:00~10:00 10時までの入店でカフェのセットメニューにパンの食べ放題がつきます。(制限時間60分) 842円(税込)~

こだわりのパンを食べ放題で

同店のカフェは、1階のレジで注文すると、イートインのパンやドリンクをスタッフが席まで運んでくれるスタイルです。モーニングタイムは8時~10時で、セットメニューを注文するとパンが食べ放題になります(制限時間60分)。

カフェスペースは、白い壁に古材を使った窓辺のカウンターやリビングボードなど、内装をご夫妻で手がけたそう。落ち着いた雰囲気で、気兼ねなくゆっくり食事を楽しめる空間になっています。カフェのメニューづくり、調理、接客を主に担当する恵さんに、モーニングを始めたきっかけなど伺いました。

「以前働いていた『沢村』でパンの食べ放題をやっていて、お客様の満足度も高く、これはいいな、やりたいな、と思っていました。そして、つむぎにはおいしい食事パンがたくさんあります。モーニングで気軽にいろいろな食事パンを試していただこう、というのも目的の1つなんです」(恵さん)。

モーニングのメニューは、サラダ・目玉焼き・野菜たっぷり自家製日替わりスープの「モーニングセット」、1日10食限定の「ぶどうパンのフレンチトースト」、最近新しくメニューに加わった「トルティーヤセット」の3種類。トルティーヤ生地は自家製のレーズン酵母を使い、ポーリッシュ法で1晩熟成させて小麦粉の風味と旨みをひき出しています。薄く伸ばした生地を注文後にフライパンで1枚ずつ焼いてからチキンとリーフレタスを巻いてラップサンドに。自家製日替わりスープとフルーツがついたセットです。

一緒に供されるのはかご盛りのパン。バゲットや全粒粉のパン、カンパーニュなど、当日焼きあげた食事パンの中からおまかせで5種類ほどを盛り合わせてあります。
ライ麦65%のドイツパン「ベルリーナ・ラントブロート」は、料理と一緒にいちばんおいしく食べられる1.1㎝の厚さにスライス。「こうやってお出しすると、『思っていたよりしっとりしていて食べやすい』と、それまで食べず嫌いだったライ麦パンのイメージが一変することもあるんです」(恵さん)。

食事パンのかごが空になるころを見計らって、おかわりには単品でもおいしく食べられる総菜パンや菓子パンなどが登場します。「こちらは前日に焼成したものが中心で、店としてはロス対策でもありますが、いろいろなパンを少しずつ、お好きなだけ味わっていただけるので、お客様にもとても喜んでいただいています」(恵さん)。


粉と発酵にこだわり、お客様に喜んでもらえるバリエーションを展開



「今店に出しているパンのほとんどは、父と一緒にやっていたときと同じように生地を仕込んでいます。とくに製粉への思い入れが強く、例えば、全粒粉は自店にある特製の製粉機を使ってじっくり低速で製粉しています」と健吾さん。同店で使っているのは、香りを大切にする抹茶用の石臼を応用した製粉機。熱は発生させずに微細な粉に挽くことがき、臭みやクセがなく、舌触りも滑らかな全粒粉になります。

「全粒粉テーブルロール」は、<全粒粉50%配合>と聞いてびっくりするくらいクセがなく、やさしい甘みとソフトで滑らかな口当たりです。小麦粉に比べて、ビタミンB1や食物繊維を豊富に含み、低糖質とあって、ファンが多いのもうなづけます。1日中製粉機をまわしても50個つくるのが限界で、昼過ぎに完売することもあるそう。

ライ麦パンの「ベルリーナ・ラントブロート」は、かつて光司さんがドイツで修業した基本中の基本のレシピを継承し、サワー種を使ってじっくりと長時間発酵、ドイツ製Welkerの窯で焼きあげています。「パンの表面に美しく表れるひびわれ模様は、発酵・焼成すべてがうまくいった証し。「常に会心の焼きあがりになるように、日々精進中です」(健吾さん)。

食パンは、中種を小麦粉100%で仕込む「フルフレーバー法」で、温度管理に細かく気を配りながら時間をかけて、キメ細やかで粉っぽさのないソフトな食感を生みます。この食パン生地に、特製の漬け込みレーズンを練り込んだレーズン食パンも人気アイテム。カフェメニューのフレンチトーストにも使われていて、ふわふわトロトロの食感が大好評です。

「父がつくりあげたパン生地をベースに、私たちの代ではさらにお客様に喜んでもらえるように新しいメニューを考えたり、サービスをブラッシュアップしています。例えば、カレーパンはフィリングを改良。肉たっぷりのキーマと、スパイシーさが際立つカレーの2種類をブレンドして、全粒粉の生地により合うおいしさになっています」(健吾さん)。

また、リニューアルしたスコーンは恵さんのスペシャリテ。自家製レーズン酵母を使い、じっくり時間をかけて発酵させた生地を4折2回、バターと生クリーム入りの層が重なって、しっとりした食感が特長です。

「つむぎ」という名の通り、親子2世代、人と人とのつながりから、おいしいパンと居心地のよい空間が紡ぎ出されているようです。

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ブレドール

葉山に店を構えて20年以上になる人気ベーカリー。店名(Blé Doré)は「黄金の麦穂」の意味で、こだわりの材料を使ったパンが120~130種揃います。桜木町や逗子駅前など4店舗ある中で、「モーニングタイム」のサービスを実施しているのは葉山の本店のみ。これを目当てに遠くから訪れるお客様も多く、平日でも開店早々に席が埋まるほどの人気です。

ブレドール
住所:神奈川県三浦郡葉山町一色657-1
電話番号:0468-75-4548
営業時間:7:30~18:00 土曜、日曜、祝日 7:00~18:00(LO17:00)
定休日:火曜
モーニング:平日 7:30~11:00 土曜、日曜、祝日 7:00~11:00 焼きたてパンの盛り合わせ(食べ放題・制限時間90分) 日替わりスープまたはサラダ、ドリンク付き1500円(税込)

モーニングで焼きたてのおいしさを伝えたい

同店のモーニングは、焼きたてパンの盛り合わせ+日替わりスープまたはサラダ、ドリンク付きで1500円(税込)。プラス200円でスープとサラダ両方をつけることもできます。カフェスタッフによるフルサービス方式で、まず3種ほどのパンがかごに盛られ、サラダやドリンクのほか、バターとジャムもテーブルに。おかわりのパンは、制限時間90分の間に焼きあがる都度、スタッフが客席を回って1種類ずつサービスします。

カフェマネージャーの秋山朋美さんにモーニングのねらいを伺いました。「何よりも『焼きたてパンのおいしさを伝えたい』ということがいちばんにあります。『パンが食べ放題』の部分がクローズアップされがちですが、すぐそばにある窯から出したばかりのパンを召し上がっていただいて、『焼きたてって、こんなに違うんですね!』と喜んでいただけることが何よりもうれしいです」



モーニングで提供するアイテムはある程度決まっていて25種類ほどあります。どのパンがいつごろ出てくるかは日によって違いますが、開店間もなくの時間帯はバゲットやカンパーニュなど食事系のパンが多く、その後、総菜系のパン、後半になるとデニッシュ系が登場します。同店の看板商品ともいえるエシレの食パンは、モーニングでは土、日、祝日を中心に提供しているそう。「ちょっと立て込んでしまったときでも、パンを窯出ししてから遅くとも5~10分後にはテーブルに。90分間でマックス20種類ほどお出ししています。いくつ召し上がるかは人によって本当に様々ですが、最後のほうは1つをグループの皆さんでシェアされたりして、たくさんの種類を楽しんでいただいています」(秋山さん)。

サラダやスープは日替わりで、店頭のボードで本日のメニューをお知らせしています。「どうやったらもっとパンをおいしく食べてもらえるかを考えてメニューを構成しています。常連さんもいらっしゃいますから、例えばトマト味のスープが続かないように、など日々変化をつけていますし、ベジタリアンの方にもご利用いただけるように、スープ、サラダのどちらかには肉・魚介を使わないなどの配慮をしています」(秋山さん)。

窯からテーブルにダイレクトに運ばれる「焼きたてパン」は好評で、1日60人、多いときは100人ぐらいの利用があるそう。土、日、祝日はオープン時間の1時間以上前から店頭にお客様が並び始めることもありますが、ひとたび席についてしまえば、店内に飾られた藤田嗣治の絵画、マイセンや有田の陶磁器なども眺めつつ、ゆったり優雅に過ごせることも人気の秘訣のようです。


素材にこだわり、ひとひねり、ふたひねりしたオリジナルなおいしさ


取材時のモーニングにも登場した「レザンベール」は、大きくカットしたカマンベールチーズをぶどうパンの生地で包んであります。「チーズとレーズンの組み合わせは珍しいものではありませんが、粉にこだわり、レーズンもいいものを選んで、このパン専用に生地を仕込んでいるため、チーズとの相性のよさがより引き立っています」(秋山さん)。

「エシレ食パン」に代表されるように、素材にこだわるのが同店の特長。エシレバター、ジャージー生クリーム、和三盆、枝付き干しぶどうなど、価格は多少高くなってもいいものを選び、レシピにはひとひねり、ふたひねりを加えて、他にはないパンを生み出しています。

また、地元産の食材もパンやカフェメニューに積極的に取り入れています。「鎌倉野菜」は鎌倉市農協連即売所(通称:レンバイ)で毎日仕入れ、牛乳は横須賀の関口牧場から、卵は横須賀産や葉山産の地卵を使用しています。
色鮮やかな鎌倉野菜が満載の「鎌倉野菜のフォカッチャ」や「鎌倉野菜のゴロゴロカレーパン」は、売り場でもひときわ目を引く人気アイテム。季節感も大切にして、「いちごピザ」「りんごピザ」は冬限定のお楽しみに。「春になると『桜あんぱん』や『イベリコ豚とポルチーニのパン』、その次はカンパーニュ生地に鎌倉産ルッコラを練り込んだ『ルッコラとチーズのパン』などがお目見えする予定です。こちらもぜひ楽しみにしてくださいね」(秋山さん)。


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ラ・タヴォラ・ディ・オーヴェルニュ

国内外のさまざまなコンテストで多数の受賞歴を持つ、井上克哉シェフによる「ブーランジェリーオーヴェルニュ」の2号店として2014年2月にオープン。オーヴェルニュの定番に加え、イタリアのパンやピザが充実しています。店名は「オーヴェルニュの食卓」の意味で、南欧をイメージさせる明るい店内には22席のカフェを併設しています。

ラ・タヴォラ・ディ・オーヴェルニュ
住所:東京都葛飾区細田5-9-15
電話番号:03-6657-8688
営業時間:7:00~19:00 カフェは7:00~18:00(LO17:30)
定休日:無休
モーニング パンブッフェ:7:00~10:00(LO9:30)1ドリンク付き 制限時間60分 500円(税込)

思い切ったワンコイン価格でモーニングブッフェを提供

あたたかみのある色づかいの店内はゆったりとスペースをとってあり、ベビーカーを押しながらでもラクラクとパンを選べます。「1店舗目は限られたスペースにたくさんのパンを並べていましたから、2号店は空間を広々と使ってカフェもぜひ備えたいと考えていました」とオーナーシェフの井上克哉さん。

同店の「モーニング パンブッフェ」は、ブッフェ台の菓子パンや総菜パンなどを60分間好きなだけいただけます。どんなきっかけでこのサービスを始められたのでしょうか?


「当初、午前中のカフェの利用がなかなか伸びず、ほかのいろいろなベーカリーさんを視察してみました。九州のほうでモーニングブッフェをやっている店があり、なかなかのインパクトがあったのです。ただ、朝から700~800円という価格設定は、ちょっと高いと思い、600円か?いや、いっそ思い切りよくワンコインに! ということで、税込み500円に決定しました」(井上さん)。

お邪魔したのは平日ですが、8時前後からお客様が多くなり、9時前には席が空くのを待つお客様も。土、日、祝日は開店前から行列ができ、大盛況の様子です。
パンの種類はモーニング専用につくったものを中心にし、売り場に出す通常品を食べやすくカットして出す場合もあります。品数はとくに決めていないですが、20種以上は並ぶようにしているそう。

「最初は、朝ならシンプルなトースト類かと考えていましたが、おかず的な要素もあったほうが喜ばれ、フレンチトーストにもツナやポテトサラダなどの具材をはさんで出しています」(井上さん)。

そして、毎日欠かさず出しているのが大人気のミニクロワッサン。発酵バターを使った通常品と同じ生地を小さめに成形、シロップを塗って焼きあげてあります。
それ以外はとくに決まったものはなく、毎日来てもなるべく飽きないように変化をつけているそう。「ただ、朝はパン屋にとってとても忙しい時間帯なので、できるだけ手間をかけないことが基本です」と井上さん。カレーやツナ、ポテトサラダなど具材のバリエーションを4~5種類揃えておき、モルダーで平たく伸ばしたロールパン生地に具材をのせる、バゲットでタルティーヌ風に……など。いかに手間をかけずにおいしく提供できるか、スタッフからの提案がブッフェ台をより魅力的に進化させています。

「今後は、ミニクロワッサンに次ぐ、モーニングでの目玉アイテムが出てくるといいな、と思い、みんなにハッパをかけているところです」(井上さん)。


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2号店の構想を練っているときに、コンテストのためにイタリアのパンの勉強をしていたこともあり、「イタリア」を新店舗のテーマに決めたそう。「日本ではピザやフォカッチャなど以外はまだあまり知られていないものも多く、オープン当初は張り切っていろいろな種類をつくりました。その中から、現在はよく出るもの20種類くらいに絞っています」(井上さん)。

「ババ」は本店でも人気のアイテムで、レーズン入りのブリオッシュをラム酒入りシロップに浸し、ホイップクリームをたっぷりはさんであります。ナポリ名物「スフォリアテッラ」と「カンノンチーニ」は、シェフの自信作であるクロワッサンの生地を利用。クロワッサン用には4つ折り3回行うところ、4つ折り2回にしてザクザクの食感に焼きあげてあります。ホーン状のカンノンチーニにはカスタードクリームが詰めてあり、スフォリアテッラは中にイチジクとクリームチーズ。

そして、カフェでは9時からピッツァを提供しています。自家配合の長時間発酵生地を使い、生地を扱うのはお手のもののパン職人が注文を受けてから成形。ピザ専用の石窯で500℃の高温・約90秒で焼きあげる本格派のナポリピッツアで、マルゲリータ(500円・税込)や季節のピッツアなど3種類があります。
早朝からのパンのブッフェと同様に、焼きたてのおいしさで「オーベルニュの食卓」を賑わしています。

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トーチドットベーカリー(Torch.bakery)蒲田本店

JR蒲田駅西口から線路沿いに川崎方面に10分あまり歩くと、店先に広々したテラスのある「トーチドットベーカリー」があります。「街をほっこり温かく照らすトーチ(たいまつ)のようなベーカリーでありたい」と2014年12月に創業し、おいしいパンとパンを楽しむ空間を提供しています。2017年8月には2号店の大森店がオープン。

トーチドットベーカリー(Torch.bakery)蒲田本店
住所:東京都大田区西六郷1-2-14
電話番号:03-6424-5929
営業時間:8:00~20:00(カフェLO19:30)
定休日:水曜
モーニングサービス:8:00~10:00 前日焼成のパンのブッフェ+1ドリンク上記が終了した場合 当日焼成・モーニング対象のパン2個+1ドリンク 540円

モーニングブッフェは時間とパンの有効活用

同店のモーニングサービスは、「前日焼成したパンのブッフェ+1ドリンクで税込み540円」です。レジでモーニングをオーダーしてトレイを受け取り、ブッフェ台から好きなパンを選ぶシステムで、店内にはリベイク用のトースターも置かれています。このサービスをスタートしたきっかけを代表取締役CEOの川端慎之介さんに伺いました。

「早朝はパン製造で忙しい時間でもあるのですが、せっかくカフェスペースがあるのですから、これを生かさない手はない。また、開店時に焼きあがっているパンは、まだ全体の半分くらい。前日焼成分をブッフェスタイルで提供することで、これを補う意味もあります。いわば時間とパンの有効活用です」


ブッフェの実施時間は8時~10時ですが、ブッフェ用のパンがなくなってくると受付を終了。以降10時まではグレー色のプライスカード(概ね250円以下)の 商品から「お好きなものを2品+1ドリンク」のモーニングセットに切り替えています。定休日の翌日や、前日完売した日などはブッフェの実施はありません。ここ3~4カ月ほどは売行きが順調で、ブッフェを提供できるのは毎朝先着の3~4名様まで、という状況が続いているそう。
「ブッフェボードには20種類くらい並ぶのが理想ですが、その日の状況で10種以下のこともあります。最初からブッフェまたはセットを、お客様が選べるようにするか、現在検討中です」(川端さん)。

モーニングの時間帯は、家族連れや女性のお客様の利用が多く、ゆっくりと過ごしていただけるようにブッフェの制限時間はとくに決めてはいないそう。「ベンチやテラスなどフリースペースを設けてあるせいか、ちょっと込み合ってくるとお客様同士で融通し合う雰囲気ができています。外のテラス席は、目の前に電車を眺められますし、お子様連れのお客様には店内のカフェ席よりものびのび過ごせると好評です」(川端さん)。


柔軟な発想でパン屋の課題をブレイクスルー


代表の川端さんは、有名ホテルの運営を手がける企業に12年間在籍。その経歴を生かし、「ホテル仕様のぬくもりを感じられるサービス」を店づくりのコンセプトに、新しい形態のベーカリーを目指しています。

「パンは生活の中にほっこりと灯るたいまつ(トーチ)のような存在」と位置づけて、木の質感を生かした店内には、中央にパンを並べたカウンターがあります。そして、落ち着いた雰囲気で飲食できるカフェゾーンとは別に、気軽に利用できるベンチゾーンを配しています。
「テイクアウトのお客様でも、焼きたての1個を今ここですぐに食べたい!と思うこともありますよね。お客様が自由に、なるべく居心地よくパンを楽しめるように空間づくりをしました」(川端さん)。

ベンチやテラス席に限っては、パン購入のお客様にサービスコーヒーを1杯10円で提供するほか、持ち込みドリンクもOKとしています。「パン生地とパンのおいしさにはこだわりを持っていますが、それ以外のドリンクなどはお客様のお好きなもので構わないと思うのです」(川端さん)。

こだわりのパン生地は、デニッシュ・クロワッサン生地以外には北海道産を中心に国産小麦粉を100%使用し、塩は沖縄糸満沖の海水からつくる純国産「青い海」、砂糖は国産さとうきびからつくられた「花見糖」を使っています。店舗の規模に合った、最新の機械とパン製造技術を取り入れて、日々80種類ほどのパンをつくり、地域に合った価格帯で提供。一番人気は「白神こだま酵母」を使った食パン「松明(たいまつ)」で、卵・バター・乳製品不使用で、小麦粉が持つ自然な甘みをひき出しています。

「小さなベーカリーですから、職人の負担を軽減するためにも生地の種類はしぼって、ひとつのおいしい生地から複数のアイテムを展開しています。フィリングなどは、よいものであれば既成のものも積極的に活用してバリエーションを広げています」(川端さん)。店名を冠した「トーチ」は、たいまつの炎をイメージしたハード系のパン。国産小麦粉に石臼挽きのライ麦粉10%配合した生地を棒状に伸ばし、きゅっとねじった形にして焼きあげてあります。クラストは薄めで歯切れよく、ご年配のお客様からも食べやすいと好評です。プレーンとショコラ2種類のほか、トーチの生地にホワイトチョコ&マカダミア、レモン&ジンジャー、クランベリーなどの副材料を練りこんだものや、プレーンのトーチにあんこやヴァローナのバトンショコラをはさむなどでもバリエーションは多彩になります。

また、揚げパン発祥の地として注目されている蒲田ではありますが、同店では敢えてフライヤーは導入せず、カレーパンは焼きカレーパンに。生地表面に纏ったパン粉と溶けたチーズがカリカリに焼けて、見た目にも食欲をそそられます。
なくても大丈夫なものは潔く削ぎ落とし、コンパクトな中から個性的で魅力のあるパンが生まれています。

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お手頃な価格でいろいろなパンを試すきっかけにもなるモーニングサービス。早起きした日はお気に入りのベーカリーに出かけ、充実の朝食を楽しんでみてはいかがでしょう。新たなお気に入りのパンを見つけてくださいね。

※店舗情報及び商品価格は取材時点(2018年3月)のものです

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