パンのテーブル

独自のアイデア パンと自慢のもう一品

  • Boulangerie NOLAN Hatta(ブーランジェリー ノーラン ハッタ)
  • ベッカライ徳多朗 Yotsubako(とくたろう よつばこ)
  • 圓満(えんまん)
  • トーホーベーカリー

Boulangerie NOLAN Hatta(ブーランジェリー ノーラン ハッタ)

湘南・藤沢で28年続くベーカリーで、藤沢市内に2つの支店を展開。小麦粉や、バターなどの副素材にもこだわり、いつも変わらないおいしさで地域の方々に愛されています。パンのほかに焼き菓子にも力を入れている同店自慢のもう一品は「ブランデーケーキ」です。

Boulangerie NOLAN Hatta(ブーランジェリー ノーラン ハッタ)
住所:神奈川県藤沢市本町1-10-17 ドエル沼上1F
電話番号:0466-28-5577
営業時間:8:00~18:00
定休日:火曜

ブランデーたっぷりの辛口・大人味の「ブランデーケーキ」

長年丁寧にメンテナンスしてきた窯は「パンも焼くし、ケーキもプリンも、頼まれればローストビーフも焼くことがある万能窯です」と教えてくれたのはオーナーシェフの八田達是さん。ゆったり空間を使った店内には、アンティークの家具や小物がパンの焼き色と素敵にマッチしています。レジ横の大きな棚は焼き菓子のコーナー。クッキー、フルーツケーキ、マフィン、スコーンなど種類もいろいろ揃っていますが、中でも自慢の一品がブランデーケーキです。
サントリーV.S.O.P.とコアントローをブレンドしたシロップは、洋酒率高めの、どちらかといったら辛口な大人味。ブランデーケーキ用に、きめ細かく焼きあげたスポンジをブランデーシロップに漬けて、たっぷりとしみこませてあります。


常連さんからの「もっとつゆだくでお願い!」というリクエストに応えて、現在はもともとのブランデーケーキのほか、ブランデーシロップ増量の「つゆだく」もつくっています。
「通常品が450gに対して、つゆだくは550g。これでもかというくらい、中までブランデーたっぷり。うっかり持ちあげると崩れそうになるくらいです」と八田さん。

生ケーキに使うような、ふんわりとしたスポンジケーキでは、シロップに漬けるとボロボロに崩れてしまうため、ブランデーケーキ専用のレシピで目の細かなスポンジを焼きあげています。
「このスポンジは、そのまま食べるのにはあまり向いてないですが、肌理(きめ)の内部にブランデーの香りが浸みこんで、しっとりやさしい口溶けに仕上がっています」(八田さん)。
最近では、鎌倉カントリークラブでのゴルフコンペの賞品としても人気が高くなっているそう。とくに女性のファンが多く、賞品をゲットできなかったときは、その足で買いに立ち寄る方もいらっしゃるとのこと。
「4~5日寝かせてから店に出していますが、それでもかなり洋酒が効いていますから、召しあがった後は、車の運転はダメですよ!と念を押しています」(八田さん)。

「焼菓子は、パンづくり作業の合間を見ながらまとめて仕込み、数日かけて販売することができます。何より、いろいろなバリエーションを揃えておくことで、お客様も選ぶ楽しみが広がります。それがいちばんのサービスになっているんじゃないかと思います」(八田さん)。

クッキーは、バタークッキー(サブレ)とカントリークッキーの2タイプを用意。
「カントリークッキーは、修業時代からつくっているので、もう40年くらい。オートミールを入れたザクザクッとした食感が特徴で、1枚ずつ手で平たく伸ばしてつくるから、結構手間がかかります。でも、ケーキ屋さんのように1枚いくらではなく、袋入りでたっぷり楽しんでもらえるようにしてあるのがパン屋ならでは、です」(八田さん)。

パンも焼き菓子も良質の素材でおいしさをつくる


お菓子はほかにもフロランタンやイタリア風フルーツケーキ「フィレンツェ」、冬になればチョコレートを使ったアイテムも加わり、クリスマスにはシュトーレンを400台限定販売します。毎年楽しみにしている常連さんが多いそう。
冷蔵ケースには自家製の「カスタードプリン」が並び、プライスカードには「なつかしい昭和の味」と。シンプルな材料でつくる昔ながらの素直なおいしさで、しっかりとコクがあります。
「良質の生クリームを選んでいます。乳脂肪38%を使うことで、濃厚だけど、しつこすぎない、ちょうどいいバランスにしています。乳製品は本当に大事で、いいものを使うと香りとコクが全然違ってきます」(八田さん)。
「今日は、もう売り切れてしまったコーヒーゼリーにも生クリームのホイップを添えています。日持ちはしなくなりますが、おいしさには代えられません」と八田さん。また、ケーキや焼き菓子類のほか、クロワッサンもデニッシュもバター100%でつくるのがこだわりです。

パンは、種類によって様々な粉をブレンドして、食感や風味の違いを生み出しています。看板商品の「琥珀クロワッサン」は、2種類のフランスパン用小麦粉と全粒粉をブレンドし、きび砂糖とバターを配合することで、琥珀色の焼き色とサクサクの歯ごたえ、広がる香りを生んでいます。

食事パンで人気なのが、玄米を50%配合した玄米パンです。玄米は粉状に挽いたものではなく、粒のままを吸水から仕込んでいます。黒玄米を使った黒玄米パンは、雑穀ご飯のように鮮やかな色合いに。
食パンには通常5~7%程度の砂糖を使うところを、玄米パンは2%と控えめですが、お米の甘みとうまみで、そのまま何もつけずに食べても、しっかりとした味わいになっています。

「うちは、ワンちゃんのお散歩がてらに訪れてくださるお客様も多く、朝方のほうが混んでいます。ですから8時半くらいには、ほぼすべてのアイテムを揃えるようにしています。焼き菓子類は日持ちもしますから、ご自宅用や、ちょっとしたおつかい物にもしていただけます。『パンを買うついでに、おやつも買っていこうかな』と思っていただけるような品ぞろえやディスプレイにしています」(八田さん)。
レジカウンターには、マフィン、スコーン、ホワイトチョコを間にはさんだ「フルムーン」などがさりげなく置かれています。食事パンを買いに来たお客様も、思わず一緒に連れて帰りたくなること請け合いです!

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ベッカライ徳多朗 Yotsubako

横浜・あざみ野にあるベッカライ徳多朗の2号店。徳永夫妻が2つの店舗を約60名のスタッフとともに運営しています。ご近所の方が毎日買いに来てくださる、ごく普通のパンだけど、徳多朗でしか出会えないおいしさをめざしてパンをつくり、どちらの店舗にも、焼きたてのパンを楽しんでもらえるようにカフェスペースを併設しています。同店自慢のもう一品は「グラノラ」です。

ベッカライ徳多朗 Yotsubako (とくたろう よつばこ)
住所:神奈川県横浜市都筑区中川中央1-1-5 Yotsubako 1F
電話番号:045-913-3200
営業時間:月曜・水曜・金曜 9:00~18:00、土日祝日 7:00〜18:00
定休日:火曜、木曜

余った卵白とアーモンドの活用法を考えたら自家製グラノラに

栄養士の資格を持ち、もともとは料理の道に進もうと考えていた徳永久美子さん、「パンによく合うおいしいもの」や焼き菓子の引き出しは限りなく広がります。その多くは、久美子さんが徳永家で家族のためにつくってきた、家庭料理やお菓子がベースになっています。
グラノラもその1つ。プレーンとココアグラノラの2種類があり、つくるそばから売れていく、同店の人気商品になっています。
「つくり始めたきっかけは、たまプラーザで最初の小さな店をやっていたころ。菓子パンに使うスライスアーモンドの砕けたかけらと、サブレの大量注文をいただいたときに、卵白が大量に残ってもったいないな、これを使って何かできないかな、と。それで思い出したのが、サンフランシスコ土産としていただいた、現地オーガニックカフェのグラノラです。」(徳永さん)。


グラノラは、一般的には<オートミールなど穀物4:オイル1:砂糖などの甘味料1>くらいの割合で混ぜてオーブンで焼いてから、ドライフルーツやナッツを適宜混ぜてつくります。
当時、日本では自家製グラノラを手がける人もいなくて、つくり方もわからなかったそうですが、「オイルとはちみつとメープルシロップに、粉と卵白も入れたら、固まった部分もできて美味しいんじゃないかと考えて、穀物類をつなげる役目として全粒粉を少し混ぜてみました」(徳永さん)。
スポーツをやっているお子さんに、栄養価の高いアーモンドを食べさせたいと、たっぷり配合したのも自家製ならでは。芳ばしく焼きあげたグラノラは、卵白と全粒粉のおかげで、平たいクッキー状にまとまった部分もできますから、器にザラザラっと入れて食べるだけでなく、おやつにつまむのにもぴったりです。フロマージュブラン(フレッシュチーズ)に添えるのも、徳永家お気に入りの食べ方だそう。

プレーンにはオーツ麦を使ってサクサク軽い食感、ココアグラノラは粒の大きなオーガニックのジャンボオーツを使い、ザクザク、ガリッとした食感を楽しめます。どちらもオイルは、穀物との相性がいいオリーブオイルを使い、甘みはきび砂糖とはちみつ。

「混ぜ方で食感や味わいも違ってきます。オーツ麦とナッツ類、全粒粉を混ぜてオイルを全体にいきわたらせてから、はちみつと卵白が表面を覆うようにさっと混ぜます。こうすることで、カリッとした歯触りと、はちみつの香りと甘さが生きてくるのです」(徳永さん)。
カリッとした食感を保つため、プレーンのほうには湿気を呼びやすいドライフルーツは入れず、ココアには、アクセントとしてドライのオレンジとクランベリーを少しだけ混ぜています。
「オーブンは150度くらいが適温。昔はパンを焼いた後の余熱で焼いていましたが、おかげさまでグラノラがとても人気で、窯が空いたタイミングでつくっています。これからも違うフレーバー、たとえばチャイなどもつくって、バリエーションを増やしていきたいと思っています」(徳永さん)。


来るたびに新鮮な驚きを感じていただけるように



「きまぐれ」クッキーは、そろそろ温かい飲み物が美味しい季節になって、カフェで一息つくときのお供にもぴったりなお菓子です。ジャンボオーツを使ったアメリカンタイプのカントリークッキーは、1枚でも結構なボリュームで、満足感があります。
クルミを入れたり、レーズンとクランベリーを入れたりと、そのときどきで合わせる素材は気まぐれで、取材した日はカカオニブとチョコ入りが、対面販売方式のカウンター上で素敵な焼き色を見せていました。
「お店に来たお客様に、『今日はこんなのもあるのね?』と新鮮な驚きを感じていただけるといいな、と思っています。近くにはJAの直売所もあり、地元で採れたての旬の野菜や、少量栽培のため、ここでしか手に入らない珍しい野菜なども手に入ります。そうしたものからもヒントをもらって、思いついたらどんどんつくっていきたいです」(徳永さん)。

同店は、2018年4月から定休日を火曜と木曜に変更。休みの間の水曜日には限定のメニューが数多く登場します。
たとえば、ピタパンにひよこ豆のコロッケをサンドした「ファラフェルサンド」。こちらも、10年以上も前の旅行で、ドバイの空港での空き時間に出会ったもの。乾燥そら豆を戻したもので、「豆のコロッケがこんなにおいしいものなのか!」と衝撃を受け、大急ぎで空港内の本屋さんで中東料理の本を探したそう。「日本に帰ったら、手がかりを探すのは難しいと思って。現地でおいしいものに出会ったら、現地でどうやってつくるかを即リサーチ。本から得たものもとても多いです。このとき買った本に出ていた、ブドウの葉っぱを使った料理を再現したら、カフェのメニューで大当たりしました」(徳永さん)。
ファラフェルサンドのひよこ豆のコロッケと一緒にはさんであるのは、切り干し大根のアラビアータと、半日干して揚げたナスを玉ねぎドレッシングでマリネしたもの。ヨーグルトと塩にんにくのソースでまとめています。 「簡単にできるおいしい自家製ソースも、『徳多朗自慢のもう一品』として販売していきたいとも思っています」(徳永さん)。

もう一つ、新しく登場して大好評なのが、クリームチーズと島豆腐を合わせたベーグルのフィリングです。サンドものは、「具材をとにかくたっぷりはさんであげたい!」というのが徳多朗のこだわりですが、クリームチーズだけだと重たくなりすぎてしまいます。クリームチーズと島豆腐を混ぜることで、口どけはなめらか、濃厚だけどくどすぎない「豆腐クリチ」ならではのおいしさを、ボリュームたっぷり楽しんでいただけます。

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圓満(えんまん)

中国出身の富田さんご夫妻が営むベーカリー。丁寧なパンづくりとともに、自慢のもう一品は自家製の「水餃子」!店内にはゆったりテーブル席が設けられ、パンのイートインはもちろんのこと、熱々の水餃子やランチ定食も提供して、地元の方々の憩いの場になっています。

圓満(えんまん)
住所:千葉県松戸市東平賀536-1
電話番号:047-347-1199
営業時間:7:30~17:00
定休日:火曜

お客様への感謝の気持ちでつくり始めた餃子が評判に

常磐線北小金の駅から住宅街を7~8分歩いていくと、川に突き当たる手前の角地に「ギョーザ」「日替わりランチ」と書かれた赤いのぼりが目に留まります。店内に入ると左手にパンが並んだ棚、右側にはテーブル席があり、まるで街の食堂のような雰囲気です。
同店は、中国出身の富田圓満さん・君子さんご夫妻が営むベーカリー。時間をかけて丁寧につくりあげる食パンやリッチなおいしさのデニッシュ食パンを始めとする自慢のパンに加えて、意外性のある「もう一品」が自家製の餃子です。
たとえば写真のような、フワフワの卵スープと熱々の水餃子のセット。これがベーカリーの店内でいただけるとは驚きです。

パンも餃子の皮も、「主な材料は小麦粉」という意味ではきょうだいのようでもありますが、どうして餃子をつくることになったのでしょう? 
店主の圓満さんは、来日後にベーカリーで長年修業を積み、君子さんとともに都内に自店を開きました。
「何かと困難もありましたが、自分たちを支えてくれたのは近所のお客さんたち。何かお礼をしたいと思って、思いついたのが中国の祖母がつくっていた餃子だったのです。母につくり方を聞き、たくさんつくって自宅で皆さんを招いて餃子パーティーをしました。皆さん、おいしいと喜んでくださって、つくり方を教えて、とか、ぜひ売ってほしい!と頼まれることが多くなり、お店でも販売するようになりました」(君子さん)。

中国に一時帰国した後に現在の場所でお店を再開してからも、餃子は大好評で、1日50個ほどつくって販売していたそう。「パン屋さんがつくる餃子」は評判が評判を呼び、遠くからもお客様が訪れるようになります。「テレビでも取りあげていただき、おかげさまで大反響がありました。通販の注文も殺到し、大量の注文をさばくために、従業員も増やして対応しましたが、どうしても商品にブレができてしまいます。それで初心に帰って、いつもパンを買ってくださるお客様への感謝の気持ち、ということは変わらずに、今は夫婦2人だけでつくれる分だけをつくっています」(君子さん)。

じっくり時間をかけてつくるパンにファンが多数!

同店の餃子は、ゆでて水餃子にしていただきます。たっぷりの肉餡を包んだ餃子は1個80g!小ぶりの肉まんほどの大きさで、具材は豚バラ肉、キャベツ、ニラ、エビ。豚肉は塊肉を赤身と脂をほどよいバランスに調節しながら、大きな中華包丁を使ってミンチにし、キャベツもすべて手作業で刻んでいるそう。
自家製の餃子の皮はパン生地をベースに、水餃子に合うようにさまざまな工夫を重ねて完成させたそう。耳たぶほどのやわらかな生地は、ゆっくりゆでるうちに肉餡から出てくるスープを包んで逃さず、なめらかな舌触り、生地が重なったとじ目の部分はモチモチの食感です。餡にしっかり味つけされているので、醤油など何もつけなくてもおいしくいただけます。遠方までお持ち帰りのお客様には冷凍したものをお渡ししています。


自家製の餃子が人気とはいえ、同店のメインはパンです。
バターを丁寧に折り込んで、リッチな味わいの「プレーンデニッシュ高級食パン」は、粉を選び、生地を8時間じっくり熟成させてから焼きあげます。
「発酵4時間でもつくることはできますが、いちばんおいしくなるように、時間をかけるべきところはしっかり時間をかける。そこは譲らずにやっています」(圓満さん)。
「天然酵母の食パン」もじっくり時間をかけて小麦粉の味わいを存分に引き出しています。食パンのみみ、デニッシュ食パンをカリカリに焼いたラスクは、お母さんの手づくりおやつのような素朴なおいしさで、パンとともにファンの多い一品です。


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トーホーベーカリー

吉祥寺駅から井の頭公園、ジブリ美術館を経た、バス通り沿いにある老舗ベーカリー。100種類ほど揃ったパンのおいしさはもちろんのこと、季節ごとのお店のディスプレイやイベントにも趣向を凝らして、お客様により楽しんでいただける店づくりをされています。同店の自慢のもう一品は、骨つき肉の「フライドチキン」です。

トーホーベーカリー
住所:東京都三鷹市下連雀1-9-19
電話番号:0422-43-6311
営業時間:7:00-19:00
定休日:日曜・祝日・第3月曜

繁盛店には置いてある確率大の「フライドチキン」

数十種の小麦粉を使い分けて、100種類以上のパンをつくっている同店では、10年ほど前から「フライドチキン」をパンと並べて販売しています。そもそも、ベーカリーでなぜフライドチキンを置くようになったのか、代表取締役の松井成和さんにお話を伺いました。
「大手ハンバーガーチェーンでおなじみの『ポテトも一緒にいかがですか?』からヒントをもらいました。パンにプラスアルファでフライものを1品加えたらどうか、と考えたんです。実は、フライドチキンはベーカリーの隠れた人気商品の一つ。繁盛店にはフライドチキンを置いている率が高いんです」(松井さん)。

導入するならいちばんおいしいものを、と吟味した結果が骨付きのチキンでした。多少の食べにくさを差し引いても、骨付きのほうが断然味がよく、見た目にもボリューム満点です。そして、なるべく揚げたてを提供できるように、カレーパンなどの揚げ作業と調整しつつ、1度に10個程度の少量ずつを、揚げては売り場に並べるようにしています。

お子様から大人まで、みんなが大好きなフライドチキン、ベーカリーならパンと一緒に1個から気軽に買える点も受けているようです。平日でもコンスタントに30個ほどが出て、客単価をプラスアルファで押し上げる効果もあります。

また、紙容器に入れて食べやすくしたハッシュドポテトもフライドチキンと並べて販売するようにし、大皿にチキンとポテトを盛り合わせたパーティーメニューの予約注文も受け付けています。
「毎年12月のクリスマスシーズンには大きな紙のバケツ型パッケージを用意して、フライドチキンを積極的に販売します。クリスマス限定でターキーのもも肉ローストもつくっています。こちらも1本から購入できますし、バケツにフライドチキンなどと一緒にお好きな数だけ詰め合わせることもでき、お客様にも好評です」(松井さん)。


地元との連携で生まれるプラスアルファも


取材に伺ったのは9月末で、店内ディスプレイはすっかりハロウィーン仕様となっていました。10月に入るとハロウィーン限定商品も続々登場する予定とのこと。かぼちゃペーストを使ったマフィンや、オレンジ色のジャックアランタンの器に入ったパンプキンプリン、ギフトボックスなどが、すでに販売中でした。今シーズンからは白いドクロ型の容器に、紫いもを使った新作プリンで、ちょっと怖い感じの紫色のスイーツの準備も進めているそう。

また、9月から10月にかけては、国立天文台を擁する三鷹市の秋の恒例イベント「みたか太陽系ウォーク」のスタンプラリーが行われ、同店も10年前の初回から参加しています。
三鷹駅を太陽系中心の「太陽」として市内を6つのエリアに分け、「土星エリア」に属する同店では「土星あんぱん」をこの時期限定で販売しています。
始まった当初は、スタンプラリー用のスタンプを店内に置いていましたが、気軽に立ち寄ってもらえるように、店の外のテーブルに置いて定休日でもスタンプを押せるようにしたそう。「スタンプを押しに来て、ここにパン屋があるなって知ってもらうだけでも、次につながっていくかと思っています」(松井さん)。

三鷹みやげにもぴったりなのが、地元産のトマト、ブロッコリー、ほうれん草など野菜を使ったラスクです。パン生地の吸水の段階でペースト状にした野菜を練り込み、野菜色のフランスパンを焼きあげて、ガーリック風味のラスクに加工しています。
また、地元の農家さん有志でつくっている農業法人と連携して、三鷹産小麦粉を使ったパンづくりにも取り組んでいます。畑での麦踏みや麦打ちの脱穀作業には地元の小学生も参加するなど、都市農業を身近に感じてもらう活動に、ベーカリーとして力を貸しているそう。
「地元に少しでもかかわって、みんなで三鷹を盛り上げる気持ちで取り組んでいます」と松井さん。地元との協働から生まれたもう一品が、ベーカリーの人気商品としても育っていくようです。

お店の詳細情報、商品情報はこちら!

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各店独自のアイデアとストーリーで生まれた自慢のもう一品。ぜひ各店を訪れて、パンと一緒に味わってみてはいかがでしょう?

※店舗情報及び商品価格は取材時点(2018年11月)のものです

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