パンのテーブル

出来たて!サンドイッチ

  • パンヤ
  • COBATO836(コバトハチサンロク)
  • ジューシーズ ラボラトリー(juicy’s laboratory)
  • LAND(ランド)

パンヤ

大阪環状線の玉造駅から徒歩1分の場所にある「パンヤ」は、関西では数少ないフォカッチャの専門店。カラー舗装された小さな商店街の角、築約80年というクラシックな交番の隣にあり、コック帽のイラストと、大きく書かれたパンヤというカタカナの文字が目を引きます。2017年5月にオープンして以来、SNSなどで評判となり、開店前には行列ができ、閉店時間を待たずに売り切れてしまうこともある人気店です。

パンヤ
住所:大阪府大阪市東成区東小橋1-2-4
電話番号:06-7505-9919
営業時間:11:00~17:00 売り切れ次第終了
定休日:月曜、第1・3日曜

普通のパン屋ではない、パンヤをつくりたかった


ありそうでない「パンヤ」という名前のパン屋さん。下町風情の残る大阪・玉造にあるフォカッチャ専門の小さなお店です。店主の中津さんは「カタカナのおしゃれな名前だと覚えてもらいにくいので、これ以上ないくらいわかりやすい『パンヤ』にしました」と教えてくれました。たこ焼き屋さんのような対面販売で、具材を挟むタイプは、注文を受けてから仕上げます。 「工場直売みたいに新鮮なものを提供したかったんです。やってみると、いつも行列しているように見えるというメリットもありました」と、中津さん。出来たてが食べられる上に、パンが見えないくらいのトッピングが写真映えすると、パンヤの存在はネットを通じて瞬く間に広がりました。

店主の中津さんは、食べることが大好き。けれど最初からパン屋になりたかったわけではありません。将来は接骨院をやりたいと考えていたそう。その資金を貯めるために和食の店でアルバイトをしたのが、飲食業界との出会いでした。その後イタリアンの料理人になり、玉造の別の場所で12年間ピザ屋を経営。しかしお酒とともに提供するピザに限界を感じたことと、昼間の仕事に変わりたかったことから一念発起。現在のお店を開くことになりました。
「イタリアンから間口を広げて、イタリアのパンをもっと広い年代、いろいろな層の人に食べてもらいたいと考えました。コック出身ということを強みにして、普通のパン屋さんがしないような仕事をしたいと。まあ、他のパンはつくれないんで…」(中津さん)
自分のつくったものを捨てたくないという思いから、“販売できる量だけつくる。売り切れたら閉店”というスタイルを貫いています。

日本人の味覚にあうフォカッチャサンドを提案


最近、目にすることが増えてきたフォカッチャ。フォカッチャとは北イタリアのジェノヴァ発祥とされるパンで、古代ローマ時代から食べられていたとか。表面にオリーブオイルを塗って、平らに焼き上がるようくぼみをつけて焼くのが一般的で、ピザの原型ではないかとも言われています。
「フォカッチャは迷い出すと難しいパン。毎日手探りでやっています。ただ本場そのままではなく、表面はカリカリ、中はふわふわで日本人の好みに合わせています」と、中津さん。自慢のフォカッチャに日本人好みの具材をのせたり、挟んだり。バリエーションは20種類ほど。コッペパンのように親しみやすいパンを目指しています。

「おいしいパンを焼く職人はたくさんいます。自分はパン初心者なので勝負になりません。だからオリジナリティを追求して、今までにないパン屋をつくりたかったんです」(中津さん)

そんなパンヤの人気商品のひとつが「アボカドチキン」。自家製のスモークチキンに、サイコロ状に切ったアボカドとトマトを合わせ、自家製マヨネーズとバジルソースで味付け。ゴロゴロした具材のボリューム感で女性に人気の商品です。

アボカド、ベーコン、チーズの頭文字から名付けた「A・B・C」。主役のベーコンは手づくり。冷めても脂が口に残らないイベリコ豚を使用しています。チーズをトッピングして焼いているので、見た目はピザのようです。
玉子たっぷりの「タルタル」は、コンデンスミルク入りの自家製マヨネーズがたっぷり。コンデンスミルクを入れることで、甘みとコクが出て、昔なつかしい味わいになるのだとか。
「ツナオニオン」のベースは、薄めに焼き上げたフォカッチャ。たっぷりのったスライスタマネギの甘さを楽しめます。隠し味にラードとクミンを利かせたピザ風の味わいです。
「マルゲリータ」には、分厚く焼いたフォカッチャを使用。フレッシュさを大事にしたいから、ソースはオーダーが入ってからかけるというこだわりぶり。生の葉を刻んでつくったフレッシュなバジルソース、モッツァレラチーズとの相性も抜群です。
最後に菓子パン系のメニューをひとつ。自家製あずき餡がたっぷりの「あずきバター」。ふわふわのバターは、注文が入ってから削ります。店のことをシニア世代に知ってもらいたいという思いでつくった一品。ご近所の“おばちゃんたち”に「あの店、いつも行列してるな。買ってみたら、あんこのパン美味しかったわ」と言ってもらうことで、地域に溶け込んでいきたいと願っているそうです。

イタリアンの料理人として、長年ピザ店を営んできた中津さん。そこで培った経験からこの店ができました。目指すのはソフトフランスパンのように、いろいろな具材との組合わせで楽しめる“フォカッチャ”。
「いろいろ好きにやってきた結果が今につながっています。長年親しんだ玉造の地域性を大切に、地元に根付いていきたいです」(中津さん)


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COBATO836(コバトハチサンロク)

COBATO836のルーツは2010年10月に、ハンドメイド好きなふたりが始めた雑貨屋さん。都心部なのに川が近くて緑の多い場所を気に入って開いた雑貨店の一部に、コーヒーを飲める場所をつくったことが、カフェやベーカリーへの事業拡大のきっかけに。ベーグルをつくれるスタッフがいたことで提供したランチから、バトングループの物語が始まりました。

COBATO836(コバトハチサンロク)
住所:大阪府大阪市北区天満2-2-7
電話番号:06-6881-0779
営業時間:9:00~18:00
定休日:水曜

いちいち可愛い、いちいち美味しいお店をつくりたい


バトングループのルーツとなった「雑貨屋BATON」。店の目の前には大川沿いの南天満公園の緑が広がり、開放感にあふれています。ハンドメイド雑貨などの販売と並行してベーグルのランチ、焼き菓子やケーキを提供する「雑貨カフェBATON」へと発展。子連れのママさんやペットと散歩をする人、ジョギングをする人たちから、口コミで評判が広がっていきました。
お客さまが増えたため、カフェだけを別に独立させることになり、2012年4月、すぐ近くに「Cafe Tokiona」をオープンさせました。(Cafe Tokionaは、ビルの老朽化にともない、2019年6月に天神橋筋一丁目に移転)カフェ店内で焼く自家製ベーグルが好評で、生産が追いつかなくなり「コバトパン工場」を開設。こうして次々と店が増えた一帯は、バトンストリートと呼ばれるようになりました。
コバトパン工場オープンから約2年経った2016年、「雑貨屋BATON」をリニューアルして”挟む(836)”をテーマにした、サンドイッチ専門店「COBATO836」が誕生しました。
「コバトパン工場」は現在、昭和レトロなコッペパン専門店として、COBATO836とともにバトンストリートの中心的存在として活躍中です。


COBATO836のターゲットは“大人なお姉さん”。生活にこだわりを持っていて、高くても美味しいものを食べたいと考える人たちです。
「カフェのモーニングで人気の厚切り山食や、ベーグルを気に入って買いに来てくれるお客さまもおられ、近くに店舗が集まっているメリットを感じています」と谷野さん。インスタなどを見て、わざわざ遠くから来てくれるお客さまにがっかりされたくないと、スタッフみんなで日々努力しているそうです。
スタッフたちのキーワードは“いちいち”。「いちいち可愛い、いちいち凝ってる」をコンセプトに、可愛い店づくり、心地の良いサービス、美味しいメニューなどで、お客さまに気持ちよく帰っていただけるよう頑張っています。そのためにパンはもちろん具材もできるだけ手づくり。
「お料理が美味しいことは基本ですが、お店の雰囲気やスタッフの接客もお客さまの印象に残ります。スタッフが明るい笑顔で、記憶に残るサービスを提供できるようにしています」(谷野さん)
忙しい日常の中で、つい「とりあえず」と言ってしまいがちだけど、COBATO836で買ったサンドイッチをほおばりながら、川沿いの公園でピクニック気分を楽しむのもオススメです。

誰がつくっても変わらない、いつもの美味しさ



COBATO836の商品はすべて店内で手づくり。食パンとベーグルは836の店内で焼いています。スタッフの中にすごいシェフがいるわけではないけど、見た目を大切にして「かわいいだけじゃなく味もよかったね」と、リピートにつながるような商品づくりを心掛けています。
製造は細かくグラム単位で計量し、誰がつくっても同じ味が出せるように工夫しながら、経験者から新人スタッフへとその味を伝えています。それでも毎日パンの表情が違うのが楽しい、とスタッフの方が話してくれました。メニュー開発は、みんなで相談。誰かの一言から「やってみようか」となるそう。カフェのスタッフとも、お互いに情報交換しているのだとか。
評判のサンドイッチは、注文を受けてから出来たてを提供しています。人気No.1の「ハニーマスタード エッグポーネ」。玉子サラダにマスカルポーネを合わせています。ブラックペッパーをたっぷりかけているので後味すっきり。はちみつの甘さも絶妙です。
たっぷりのブラックペッパーを効かせた「鶏ハムとキャロットラペ」は、甘みのあるクランベリー入りのパンに自家製の鶏ハムと、どっさり入ったキャロットラペがヘルシーなイメージで女性に人気です。
「オリジナルジンジャーポーク」は、一晩タレに漬けてからスチームをあてながら焼いた、甘みのある豚肉のしょうが焼きが病みつきの味。トマトもたくさん入っています。
2018年5月からスタートした「生ハムとアボカドクリームチーズ」は、早くも店の人気No.2に。セミハード系のイギリス山食で具材をサンド。玉ねぎとブランデー入りの調味液に1週間漬けたピクルスがアクセントです。
あん塩バターの「bagel sand」は、特別栽培のあずきを原料に京都の製餡所の餡をたっぷりとプレーンのベーグルに挟みました。2種類の岩塩を10粒単位でトッピング。いつも同じ味を出すためのこだわりです。
COBATO山食でサンドした「フルーツサンド」は、バニラ風味の生クリームがたっぷり。春はイチゴ、夏はグレープフルーツなど、フルーツは季節によって変わります。


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ジューシーズ ラボラトリー(juicy’s laboratory)

大阪市内の緑のスポット・靱公園のテニスコート南側にあるのが、サンドイッチ専門店「ジューシーズ ラボラトリー」です。カラフルな具材を使ったサンドイッチとケバブが評判で、ランチタイムには店内がごった返すほどの賑わい。フレッシュで美味しくて、ワクワクできるサンドイッチを提供するため、夫婦で“研究”に余念がありません。

ジューシーズ ラボラトリー(juicy’s laboratory)
住所:大阪府大阪市西区靱本町2-6-15
電話番号:06-7508-5684
営業時間:11:00~19:00
定休日:月曜

サンドイッチ職人とケバブ職人の出会い




店名の「ジューシーズ ラボラトリー」は、“ジューシー”なデリカテッセンと野菜を組み合わせ、新商品のアイデアをあれこれと考える“ラボ(研究室)”をイメージして名付けられました。その出来たてでフレッシュなサンドイッチのインパクトは絶大で、オープン1年足らずで雑誌の表紙を飾るまでになりました。オーダーを受けてから調理するため、ランチ時には行列が出来てしまう人気ぶりです。

店を切り盛りするのは斎藤友樹さんと妻の慶子さん。東京の有名ハンバーガー店で修業した慶子さんは、大阪市内でサンドイッチのお店を経営。夫の友樹さんも同じく大阪で7年間、ケバブの移動販売をしていました。そんなふたりが出会い、やがて結婚。ふたりにしかできないお店をということで、2017年7月にオープンさせたのがこのお店です。
「移動販売だと、ただ焼いたケバブを提供することしかできなくて、メニューも少なかったんです。でもこの店を持てたことで、可能性が広がったと思います」(友樹さん)

白を基調とした店内は、広い厨房とイートインスペースがカウンターで仕切られ、お客さまは豊富なメニューの中から好みの商品をオーダーします。オーダーが入るとすぐさまパンをトーストして、新鮮な野菜やこだわりのお肉をどっさり盛り付け。ペーパーに包んだら絶妙な技で2つにカット。斎藤さん夫妻が、あうんの呼吸で仕上げていくサンドイッチは、出来たてのフレッシュな味が楽しめます。
「私たちの夢は、サンドイッチをメインの食事にすること。“小腹が空いたから食べる”とか、“ちょっとサンドイッチでもつまもうか”というものでなく、立派な主食になるようにつくっているつもりです。だからボリュームもたっぷり。うちのサンドイッチを食べるだけで、肉も野菜もパンも十分な量を摂取できるんです」と、友樹さん。
「うちはすべてのメニューが主役級。似たような味のものはありません。海老やローストビーフなど使ったことのない具材にも挑戦していきたいですし、味も和風、中華風、アジア風とアイデアが広がります。外国人のお客さまも多いのですが、彼らは甘辛い照り焼き味が好きですね」
お店のインテリアやメニューなどはデザイン好きな友樹さんが担当。来るだけで元気が出るような店にしたいとの思いから、店内はとてもカラフルです。

意外性のある組合わせが、生み出す新しい味


ジューシーズ ラボラトリーでは、大きく分けて食パンを使った「サンドイッチ」、トルティーヤで巻いた「ラップサンド」、ピタパンにお肉がたっぷりの「ケバブサンド」があります。
サンドイッチの基本となるパン選びには、とても気を遣ったそう。食パンは業務用パンで定評のある大阪のメーカーから仕入れています。
「食パンは具との相性を考え、昔から食べているシンプルな味のものをチョイスしました。ピタとトルティーヤは輸入品を使用しています」
ライ麦食パンを使った「アップルチーズサンド」は、生リンゴの食感がシャキシャキと楽しい、デザート系サンド。はちみつやピーナツバターの甘さをブラックペッパーが引き締め、くるみの歯ごたえもアクセントになっています。
牛バラ肉を1週間以上かけて仕込み、7時間火入れした手づくりのコンビーフ。本場アメリカの味を再現したこの自家製コンビーフにトマト、レタス、きゅうり、スプラウトを合わせた「自家製コンビーフ」もぜひ試してみたい一品、一度食べるとはまる人が多い味だそうです。


「ツナサラダとアボカドのサンド」は、シーザードレッシングで味付けしたツナと、1/2個分のアボカド、レタス、紫キャベツ、アルファルファのスプラウトをボリュームたっぷりにサンドしました。
定番人気の「ベジタブル」に、今回はベーコンをトッピング。新鮮な野菜がたくさんとれるヘルシーなサンドイッチです。トッピングのベーコンは店内で燻製。味付けは手づくりのバジルソースです。トッピングはベーコンの他にも目玉焼きやチーズ、大葉などがあり、自分だけの味にカスタマイズすることもできます。
店内で焼いているケバブをピタパンで挟んだ「オリジナルケバブ」は、多くのお客さまが注文する人気商品。夫の友樹さん自慢のケバブは、鶏もも肉の食感が楽しめ、脂が落ちてあっさりしているのが特徴。ケバブソースはスパイシーでコクのある味です。トマト、ピーマン、キュウリ、グリーンリーフと一緒にサンドしています。
野菜は友樹さんの実家がある福井から、新鮮なものを届けてもらっているそう。アメリカンカルチャーが好きで、ホットドッグのようにカジュアルに食べられるものをつくりたい、という思いからスタートしたこのお店。手軽だけど“家ではできないプロの味”を楽しめる人気スポットとなっています。


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LAND(ランド)

京都市内を南北に流れる鴨川にかかる、荒神橋のすぐ側にあるLAND。2015年にオープンしたパン屋さんですが、オーダーのサンドイッチが大人気に。お昼時には多くのお客さまがお気に入りの味を求めて行列をつくります。レジ奥の黒板に書かれた4種類ほどのメニュー(日によって変更あり)から具材を選び、食パン、ベーグルなどからチョイスしたパンと自由に組合わせることができます。

LAND(ランド)
住所:京都市上京区荒神口通河原町東入ル亀屋町128
電話番号:075-231-7738
営業時間:8:30~17:00 売り切れ次第終了
定休日:水曜、木曜

片手で食べられるカジュアルなものが好き

LANDのオーナー吉川さんが、こだわるのは「美味しいかどうか、自分が好きかどうか」。以前この場所にあった人気のベーカリー「hohoemi」で2年間働いていた吉川さん。残念ながら「hohoemi」は閉店してしまい、現在はドーナツ店として別の場所で営業しています。その後、吉川さんはコーヒー店で働き、さらにフレンチのレストランで働きました。元々自分の店を持ちたいという気持ちがあり、hohoemiの元オーナーに相談したところ「この場所を使ってもいいよ」と言ってもらえたのだそう。
「最初hohoemiには、お客として行っていて、鴨川が近くていい場所だなと思っていました。京都で一番好きなこの場所で仕事ができてラッキーです」と吉川さん。



吉川さんとパンとの出会いは、学生時代に姉が働いていたパン屋でアルバイトをしたこと。パン、コーヒー、料理と一通りの仕事を経験して吉川さんが開いたのは、なぜかパン屋だったそうです。
「昔から食べることよりも、つくることが好きでしたね。あまり深く考えず、勢いで独立してしまいました」と笑います。

「サンドイッチに力を入れているのは、パンの食べ方を提案したい気持ちもあるんです。バゲットなどのハード系のパンをもっと食べてもらいたくて、具材とともに販売するようになりました。お客さまがウチのサンドイッチを食べて『家でもつくってみよう』となるのがベストですね」

海外旅行などで得たインスピレーションを、自分なりに消化してメニューに落とし込んでいるという吉川さん。
「厨房にこもっていても、いいものはできないと思います」
良いイメージのなかったアメリカのパンが意外に美味しかったことから、同じパンでも土地によっていろいろだなと感じたそう。サンドイッチの具材はその日によって変わります。つくりたてを食べてもらうために、オーダー制というスタイルに行きつきました。
「商品の種類は少ないけど、どれもウチの味です。どのサンドイッチを食べても美味しいと思いますよ」と吉川さん。

お客さまは近くの常連さんが多いそう。LANDのクロワッサンが大きめなのは、朝食にコーヒーとクロワッサンで満たされてほしいという思いから。ランチ用には、サンドイッチと甘いパンを買う人が多いので、菓子パンは少し小さめです。

自分が美味しいと思うものをつくっているだけ




LANDでは、具材とパンを自由に組合わせて注文できます。自家製ベーコン、レタス、トマトの「BLT」は、食パンでサンドするのがオススメ。食パンは特別にサンドイッチ用に焼いているわけではありませんが、耳はカリッと中はしっとり。カリカリに焼いたベーコンと自家製マヨネーズの塩味が、みずみずしい野菜とマッチしています。

「ハムとバターのカントリーサンド」に使うカントリーブレッドは、サンフランシスコ生まれ。長時間発酵した天然酵母で焼いたこのパンを食べて感動した吉川さんが、無農薬の全粒粉を使って本場の味を再現しています。ハムも自家製で、添加物は使っていません。「毎日決まったメニューを買いに来られるお客さまのためにも、ヘルシーなほうがいいと思うので」と吉川さん。

「スモークチキン」はフォカッチャと組合わせて。塩漬けして低温でボイルした後、スモークしたチキンは胸肉なのにしっとり。トマト、クリームチーズ、緑の濃いほうれん草を合わせて、オリーブオイルで軽く歯切れよく焼いた、ふわふわのフォカッチャで挟みました。
スパイスを利かせたキャロットラペ、グリーンサラダ、季節の野菜をふんだんに使った「ベジタブル」は、カントリーブレッドでサンド。自家製ナッツバターが味に深みを出しています。野菜は京都府久御山町の直売所までわざわざ仕入れに行くそう。野菜は季節で変わり、秋には根菜も使います。

LANDと言えば外せないのが、きめ細かくしっとりしたベーグル。旅先で食べたベーグルに驚いたという吉川さん。「日本のパサパサしたイメージとはまったくちがうものでした。ウチの店ではシナモンやレーズンなどのフレーバーを使用したものを、常時4~5種類置いています」
ベーグルサンド用の具材「LOX」には、自家製スモークサーモン、トマト、玉ねぎ、ケッパー、クリームチーズが入っています。スイート系ベーグル用には、カシューナッツとアーモンドのペーストを混ぜた自家製のナッツバター(ベーグル代金+150円(税別))もあります。

LANDのサンドイッチの美味しさの秘密は素材へのこだわり。店で使用されているベーコン、ハム、ツナ、マヨネーズなどはすべて手づくり。つくれるものはすべて自家製です。けれど手づくりするのは、あくまで味を追究した結果。「何かにこだわるというより、自分が美味しいと思うものをつくり続けてきただけ」と、吉川さんは笑います。
京都という土地柄から、外国人のお客さまも多く訪れるこの店。吉川さんの夢は「この街に必要とされる店になること」。細く長く、続けていきたいと話してくれました。



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サンドイッチ愛と、美味しいものをつくりたいという情熱にあふれた、人気店の出来たてフレッシュなサンドイッチ。ぜひ一度、試してみてください。

※店舗情報及び商品価格は取材時点(2019年05月)のものです

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