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ベーカリーのSDGsへの取り組み

SDGsとは、2015年に国連が定めた「持続可能な開発目標」です。最近では社会に広く浸透し、多くの企業がよりよい世界への実現に向けてSDGsの取り組みを行っています。今回は、SDGsに積極的に取り組んでいるベーカリーをご紹介します。

Bakery Dank Brot
(ベーカリーダンクブロート)鶴見本店 

本店のほか兵庫県尼崎市内に店舗を構え、地元で愛されているベーカリー。12種類の生地から90種類以上のパンをラインアップ。全6種類ある食パンをはじめ、パンの種類に合わせて素材を選び、それぞれに適した工程で丁寧につくるパンが好評です。

Bakery Dank Brot(ベーカリーダンクブロート)鶴見本店

住所
大阪府大阪市鶴見区横堤5-3-27 スペースカワタ1F
電話
06-6967-8904
営業時間
8:00~20:00
定休日
日曜日(不定休あり)
横堤駅から徒歩1分

月1回完全予約制で販売する「SDGs食パン」

「SDGs食パン 三宝」1本(2斤分)860円(税込)
店長の吉村貫さん

同店では、2019年7月から月に1回「SDGs」にちなんだ食パンを販売しています。地元の大阪市は、自治体ぐるみでSDGsに積極的に取り組んでおり、鶴見区で活動しているNPOからの呼びかけで生まれたのが同店の「SDGs食パン 三宝」です。開発当初からSDGs食パンに携わっている同店の吉村貫さんにお話を伺いました。

「『SDGs食パン 三宝』(以下「三宝」)は、事前予約制で月1回第1月曜に販売しています。1本(2斤分)860円(税込)で、1本売れる毎に途上国の給食1回分の寄付をしています。社会貢献とはいえ、わざわざ予約をして購入していただくのですから、おいしさにはとことんこだわり、何十回と試作をしてつくり上げました。国産小麦粉を使い、低温で発酵させることで上品な香りと素材そのものの甘みを存分に活かしています。また、はちみつを加えて、しっとりした、とろけるような食感が自慢の食パンに仕上げています」(吉村さん)。

「三宝」は、SDGs(国連が定めた持続可能な社会をつくるための17個の目標)のうち、次のような複数の目標に貢献しています。

①飢餓をなくす:「三宝」1本につき、途上国の子どもたちに給食1食分を寄付
②職場環境の改善:予約制で1日につくる上限を決めることで、労働時間の短縮につながる
③食品ロスをなくす:完全予約制のため、食品ロス(廃棄するパン)はゼロになる
④二酸化炭素の排出量削減:国産原料に変えたことで輸送にかかわる二酸化炭素の排出量を削減できる。
このほか、手渡し袋を紙袋に、エコバック持参で10円引きにするなどで環境に配慮している。

「『三宝』にはより上質な材料を使っているため、本来なら1,000円程度の価格が相当です。利益を生むための商品ではないですから、あまりに販売数が増えてしまうと店としては厳しい。緊急事態宣言もあり、あまり派手な宣伝はしていないのですが、現在はリピーターの方を中心に1回で100本くらいを販売しています」(吉村さん)。

「SDGs食パン」発売当初はマスコミの取材が多数ありました
地元の子どもたちからのエールも

近江商人の経営哲学「三方よし」で、無理なく継続

「こどもパンタイム」は、開催当日にSNSでお知らせ

2021年5月から鶴見本店で不定期開催している新しい取り組みが「子どもパンタイム」です。5円でも100円でも子どものおこづかいの範囲で代金をいただき、パンをお店からお子さんに1人2個提供。いただいたパン代はNPOを通して途上国に寄付しています。金額としてはささやかですが、お客様(お子さん)がパンを買うことで、社会貢献ができる仕組みです。
「パン業界はロスがつきもの。ある程度の数を揃えておかないとお客様にはご不便です。雨の日などは、どうしてもパンが残ってしまうこともあります。廃棄を避けるには、値引きまたはおまけとして無料で差し上げるか、冷凍して販売するなどの方法があります。実際に、ロスパンを冷凍して配送する『もったいないセット』や『rebake』というサイトを利用したロスパン販売も行っています。ですが、この地域はお子さんも多いですし、もう少し楽しくパンを生かしたい。そこでSNSを活用した『子どもパンタイム』を考えたのです」(吉村さん)。

「ロスが多くなりそうな日は18時にSNSで参加希望者を募り、18時10分までにメッセージを送ってもらいます。希望者多数の場合は抽選のうえ、ご利用いただく方にお知らせ。19時までに来店していただきます。自分のおこづかいでパンを買って、そのお金が遠くの子どもの助けになる。お子さんたちにとっては、途上国の子どもたちのことを少し身近に感じたり、SDGsについて考える小さなきっかけにもなるようです。緊急事態宣言などもあり現在は休止していますが、状況が落ち着けばまた週に1~2回くらいのペースで続けていきたいです」(吉村さん)。
「三宝」の取り組みと同様に、お子さんにとっては楽しいお買い物体験とおいしいパンを食べることができ、スタッフが心を込めてつくったパンは無駄にならず、食品ロスも削減、社会貢献にもなっています。

「つくり手と売り手、お客様ともに幸せになり、そして世の中のためにもなる。近江商人が昔から大切にしてきた経営哲学『三方よし』の思想です。『三宝』もこれにちなんで名づけました。どんなによい取り組みであっても、三方のいずれかがつらい思いをしたり、無理をしたりでは続けることができません。ベーカリーがSDGsに向けて新しく何かを始めてみようと思ったら、誰にも無理がかからない形で、いかに簡単に、持続的に取り組めるかが何よりも大事だと実感しています」(吉村さん)。

12種類の生地から90種類以上のパンをラインアップしています
「もったいないセット」10~15個2,500円(税込・送料別)

KANEL BREAD(カネルブレッド)

那須・黒磯駅前にある県内外からお客様が訪れる人気のベーカリー。地元産の素材にこだわり、自家培養酵母ほかパン酵母や製法を使い分けて、素材の持ち味を最大限に引き出したパンづくりをしています。隣に、同店で購入したパンをイートインできる姉妹店のカフェ「イリスブレッド&コーヒー」があります。

KANEL BREAD(カネルブレッド)

住所
栃木県那須塩原市本町5-2
電話
0287-74-6825
営業時間
パン販売 8:00〜18:00、
併設カフェ(iris bread & coffee)9:00〜17:00
定休日
火曜
JR黒磯駅から徒歩1分

チーズ製造過程で出る「ホエイ」をパンの材料に生かす

「ホエイのイングリッシュマフィン」1個テイクアウト180円/イートイン183円(各税込)
パン職人の皆さん

首都圏からのアクセスもよく、緑豊かなリゾート地として名高い那須高原一帯は、酪農の盛んな地でもあります。同店では、生乳からチーズをつくる過程で大量に出るホエイを生かしたパンづくりに力を入れています。オーナーの岡崎哲也さんにお話を伺いました。

「もともと私はワインバーを営んでいて、20年以上ヴァン・ナチュール(自然派ワイン)を扱ってきたこともあり『自然との共生』は自分にとってごく身近で、大切にしてきたことです。この地でベーカリーやカフェを営むにあたり、人と自然の共存が織りなす美しい風景を未来に残せるように、何をしたらいいかを常に考えてきました」(岡崎さん)。

地元産の食材を活かすこと、フードロスを減らすことは、その大きな柱です。たくさんの酪農家が活躍している那須では、搾りたての生乳を使ったチーズづくりも盛んです。チーズをつくる際に、原料となる生乳の約10%がチーズになり、残り90%は「ホエイ(乳清)」という上澄み液になります。ホエイは高たんぱく、低脂肪、カルシウムやビタミン類などを豊富に含む栄養価の高い素材で、一部は家畜の飼料などに利用されますが、使いきれない分は大量に廃棄されていました。そこで、近隣のチーズ工房から出るホエイをパンづくりに生かしてつくったのが、同店の人気アイテム「ホエイのイングリッシュマフィン」です。

むぎゅっとした食感で、バターも牛乳も使っていないので口当たりは軽やかでほのかな酸味が感じられます。トーストして表面をカリッとさせて食べるのがおすすめです。バターやチーズなど乳製品との相性がいいのはもちろん、肉や野菜と合わせてサンドイッチにもぴったりです。

「こどもまるパン」1個テイクアウト60円/イートイン61円(各税込)
「カネルのおまかせパンセット」3,000円~(税込・送料別)

「ホエイシリーズ」として「こどもまるパン」「バンズ」など6種類ほどのパンにホエイを使っています。生地にホエイを加えるとミルキーなニュアンスが生まれ、サンドイッチなどにも展開しやすいアイテムに仕上がります。
「近隣の酪農家さんからホエイを受け取り、おいしいパンをつくってお客様に召しあがっていただく。自然にやさしくて、生産者の方もお客様もみんながうれしい、幸せな循環が生まれます」(岡崎さん)。
つくり手のそうした想いをのせて、食パンやホエイのイングリッシュマフィンなど同店自慢のラインアップからチョイスした「カネルのおまかせパンセット」は、全国に向けての配送を行っています。

お客様からの共感を大切にしていきたい

「お店の人がいきいきと楽しそうに働いていて、おいしそうなパンがたくさん並んでいる。しかもそのパンは捨てられることなく、原料となる素材もすべて生かされていく……そのためには、食材や調理法など、一つひとつの選択に責任を持って改善を重ねています」(岡崎さん)。

例えば、パンに使う材料はできる限り地元産、国内産のものを使うことで輸送にかかる環境への負荷を減らしています。カフェで出るコーヒーのかすは堆肥に、ドーナッツの揚げ油はバイオディーゼル燃料へとリサイクルしています。

スタッフが生き生きと働く様子を見ていただくことも大事
「オリジナルのエコバッグ」は700円(税込)

地元産のライ麦、乳製品や卵、季節の野菜や果物を使ったパンや焼き菓子などが売り場を彩り、この地で育った農産物の魅力を再発見できます。小型のピザ風惣菜パン「季節のピゼッタ」にあしらわれた野菜のみずみずしさ、チーズのナチュラルな香りと味わいは、難しい理屈は抜きにして「地産地消って素敵だな」と実感させてくれます。

「数あるパン屋の中から当店を選んでいただくには、パンのおいしさや好みの味であるかどうかは当然のこと。『ぜひまたこの店に来たい』と思っていただけるような、パン以外の要素も必要です。素材の生産者の想いまでが伝わるようなパンづくり、環境に負荷をかけないサステナブルな取り組みなど、店の哲学にいかに共感していただけるかは、とても大事だと思うのです」(岡崎さん)。

地元産の食材を活かしたパンや焼き菓子が売り場を彩ります
佐藤農場さんのズッキーニ、地元産の厚切りトマトとパルミジャーノをのせた「季節のピゼッタ」各1個テイクアウト280円/イートイン285円(各税込)

現在、那須産の生乳を使って自前でチーズをつくる工場を建設中で、2022年夏くらいには稼働を始める予定だそう。
「カネルブレッド専用の工房でつくりたてのモッツアレラを味わえるチーズスタンドや、ホエイをピザ生地に使ったピッツェリアなども併設して、小さなエリアの中で素材を生かしきる循環をつくっていきます。また、お子さんや犬が遊べるスペースなども設けて、パン以外にいろいろな楽しみのある場所にしたいです」(岡崎さん)

「おいしさと楽しさ、地球環境、人や動物を守ること、どちらも両立できることが目標です。小さくとも誠実な仕事をして、たくさんの方に当店のパンを選んでいただくことで、この幸せな循環を広げていけたら、と願っています」と岡崎さん。

AMAM DACOTAN(アマム・ダコタン)

福岡の人気イタリアンのシェフが展開するSNSでも注目のベーカリー。長時間発酵のもちもちの生地にこだわりの具材をふんだんに使ったパンの数々をそろえ、2018年のオープン当初から行列が絶えない人気店です。2021年10月には東京・表参道に新店をオープンしています。

AMAM DACOTAN(アマム・ダコタン)

住所
福岡県福岡市中央区六本松3-7-6
電話
092-738-4666
営業時間
10:00~19:00
定休日
水曜
六本松駅から徒歩7分

手を加えることで、再生・持続する「サステナブレッド」

残ったパンに手を加えて、「ボストック」や「パンペルデユ」などの「サステナブレッド」に

SNSなどを通して全国のパン好きの方々から熱い視線が注がれている同店では、SDGsにも地道に力を入れています。マネージャーの松本達也さんにお話を伺いました。
「職人たちが丹精込めてつくっているパンを廃棄するのは本当に心が痛むもの。また、パンが出来上がるまでのすべての工程、すべての素材の1つ1つに携わっている人たちがいます。そのバトンを最終的に受け取っている私たちは、今以上に『もったいない』という想いを強く持たなければと思います。そこで、残ったパンを『廃棄』するのではなく『手を加えて再生し、持続するパン』という意味を込めて、リベイクしたアイテムを『サステナブレッド』と名付けました」(松本さん)。

プライスカードの角に黄色のカラーを添えて「サステナブレッド」と書かれたパンは、パンの残り具合に合わせて、日によって登場するアイテムが変わるのも楽しみの一つです。例えば「ハニートースト」は、食パンに蜂蜜バターを塗って焼き上げ、季節のフルーツを贅沢にあしらったもの。「ガトーブレッド」は、チョコ生地のパンとチョコプリンをしっとり焼き上げた濃厚なガトーショコラ風のパンプリンケーキです。売り場に並ぶほかのパンと同様に、思わず手に取り、食べてみたくなるビジュアルも魅力です。

「季節のフルーツとゴルゴンクリームのハニートースト」260円(税込)

「『サステナブル』という言葉をよく耳にするようになり、あらためてその意味や、世界で様々な取り組みが行われていることを知ると、『これは自分たちが当たり前のように取り組んでいたことじゃないか!』と気づきました」と松本さん。
例えば「パンペルデュ」は『失われたパン』という意味で、時間がたって硬くなってしまったパンを卵液に浸して焼き上げるフレンチトーストのこと。「ボストック」はブリオッシュなどにダマンド生地を塗って焼き上げる、古くからあるフランス菓子です。どれもベーカリーではおなじみのアイテムです。

「HOBOKURO」 238円(税込)

同店のフレンチトーストはバゲットを使った「パンペルデュ」のほか、食パンや抹茶パンの「フレンチトースト」、塩味の惣菜系「パンペルデュ・サレ」などがあります。「ボストック」は、スライスしたチョコブレッドの上からダマンド生地をかけてリベイクしたもの。また、リュスティックを揚げて黒ごまときび糖をたっぷりまぶした「HOBOKURO」など、さまざまなパンがサステナブレッドとして、美味しく生まれ変わります。

日によって「サステナブレッド」のラインアップは変わります

「焼き上げたパンにまたひと手間かけてつくりあげていく。マニュアルも作りにくく、ラインにものせづらく、生産性もいまいちで大変なことですが、少しずつ自分たちにできるところからやっています。おかげさまで、たくさんのメディアにも取り上げていただき、サステナブレッドをお目当てに来店されるお客様もいらして、手ごたえを感じています。再生させることで持続する『サステナブレッド』という呼び方が世の中に広まっていくといいな、と思っています」(松本さん)。

新しいアイデアで、「もったいない」をはじめ、
さまざまな課題を解決

食パンやカンパーニュなどをサンドイッチにする際のみみの部分などは、どうしても廃棄パンとなってしまいます。単に飼料として「リサイクル」するだけでなく、よりよく活用して新たな付加価値を生み出せないかと考え「アップサイクル」として生まれたのがオリジナルのクラフトビール「パンビール」です。
「熊本県のクラフトビールメーカーにつくっていただきました。原材料は、大麦麦芽、小麦麦芽、ホップ、当店から出る廃棄パンの4種類のみです。使用するパンは食パン、カンパーニュ、ルヴァンなどのリーンなパン以外にも黒胡麻のリュスティックやレーズン食パンなど多彩で、パンとの相性もぴったりのビールに仕上がりました」(松本さん)。*現在「パンビール」は完売で、次回の製造は未定。

廃棄パンをアップサイクルして「パンビール」に
パンビールの原料となるパン

店舗でのパン販売には、ネットを介したテイクアウト予約システムをとりいれています。受け取りたい日の2週間前から当日朝9時まで予約可能で、指定した時間に店舗で受け取りができます。ロスを減らすことにもつながり、予約時に決済が完了するので店舗での会計を省力でき、お客様の待ち時間を減らすことにもつながります。 ちなみに、ベーカリー界の大ヒット、マリトッツォのブームの先駆けとなったのが同店ですが、実はコロナ禍で密を避けるための対策として商品化したそう。

SNS映えするおしゃれな店内

「偶然ネットでイタリアの菓子パン『マリトッツォ』を見つけ、見た目にもインパクトがあり、反響を呼ぶに違いないと確信。これをベーカリーのアイドルタイムである14時~15時に販売開始することで、狙い通りにピークタイムをずらすことにつながりました」(松本さん)。
※現在は販売時間を変更しています

「もったいない」の想いを軸に、残ったパンをリベイクして蘇らせる昔からの知恵と新しいアイデア、情報通信技術をミックスして生まれる同店のサステナブルな取り組みには、これからも注目です。

鴨川ベーカリー 京都本店

食パンと種類豊富なベーグルが人気のベーカリー&カフェ。京都という土地柄、外国からのお客様も多く、多様性に対応し、地域に根づいたサステナブルな店づくり、商品づくりに力を入れています。本店のほか、ベーグル製造を担う北大路店、滋賀県大津市に膳所駅前店があります。

鴨川ベーカリー 京都本店

住所
京都市上京区伊勢屋町386
電話
075-746-7720
営業時間
9:00~18:00 ※売り切れ次第終了
定休日
なし
丸太町駅から徒歩11分

食物に制限のある人にもない人にも、
おいしく食べていただけます

100%植物由来の食パン、各種ベーグルがそろっています
京都本店店長の荒木香鈴さんほかスタッフの皆さん

同店いちばんの特長は、メニューの80%以上が「プラントベース」、つまり植物由来の食材を主に使用していること。一般的にはパンをつくる際にバターやミルクは当たり前のように使われていますが、宗教や信条、食事制限など様々な理由で動物性の食材を控えている方もいます。制限がある方もない方も安心して利用でき、おいしく召し上がっていただけるもの、それが同店の目指しているパンづくりです。京都本店店長の荒木香鈴さんにお話を伺いました。

「プラントベースとは、肉や乳製品を完全に排除するのではなく、果物や野菜のほか、ナッツ、種子、油、全粒穀物、豆類など植物性のものを主体とした食べ物のことを表します。当店メニューの8割がプラントベース商品ですが、いちばん大切にしているのは『美味しいこと』。どうしても必要な場合は動物性のものも使用する、というスタンスです」(荒木さん)。

注文や商品詳細の確認はタッチパネルで行えます

プラントベースのメニューには目印として葉っぱのマークが付いています。合わせて、素材として何が使われているかをお客様にわかりやすく、正確に伝えることにも気を配っています。同店のWebサイトでは、主な商品の詳細な原材料情報のほか、アレルギー・コンタミネーション(製造過程での微量混入)も明記しています。店舗での注文は、お客様がタッチパネルを操作して行いますが、画面上でより詳しい情報にアクセスできるようにしています。お客様にとって必要な情報をしっかり伝えることができるように、スタッフの理解も深めているそう。

「プラントベース商品が約8割、というベーカリーは少ないので、週1~2回通う常連さんもいらっしゃいます。食べ物に気を遣うアレルギーの方はもちろん、小さいお子さんを連れたファミリーのご利用も多いです。身体にやさしく、素材の味を大切にしてつくっているので、その点も評価していただいているのだと思います」(荒木さん)。

100%植物由来の「プラントベースバーガー」テイクアウト626 円/イートイン638円(各税込)
プラントベースのメニューには葉っぱのアイコンを表示。「3種のレーズン」テイクアウト216 円/イートイン220円 (税込)

できることから少しずつ、輪を広げていきたい

テイクアウト用に、プラの蓋が不要の紙カップ

環境に配慮した取り組みとしては、電力は100%再生可能エネルギーを使用。プラゴミ削減のために、パンの包装は基本は紙袋に、カフェでは紙ストローやプラスチック蓋のいらない紙カップを積極的に使用しています。ベーグルだけは硬くなるのを防ぐためプラの袋を使用しますが、お客様が持参した容器に入れることも可能です。
そのほか、フェアトレードコーヒーを使うこと、専門のアプリを通してのロスパン販売、また、こども食堂「カモガワベーカリーこども未来カフェ」の運営など、サステナブルな社会に向けて、さまざまな取り組みを実践しています。
「どれも『できることからちょっとずつ』で、背伸びしないことを大切にしています」と荒木さん。

「こどもクッキング」でSDGsについて話しました

2021年の夏には子どもたちにベーグルづくりを体験してもらう「こどもクッキング」を開催しました。発酵を待つ間に、お店で取り組んでいるSDGsについてのお話をしたそう。
「子どもたちは地球や他の生き物にやさしいことや多様性の大切さを大人よりも直感的に理解してくれるように感じました。だからこそ、現実とのギャップに苦しむことにもなりかねません。『できることからちょっとずつ、まずは知ることから始めてみよう!』のスタンスで関わっていきたいな、と改めて感じています」(荒木さん)。

ロスパンを減らすための取り組みとしては、「リベイク」「Wakeai」などフードロスを専門に扱っているサイトに登録し、全国に冷凍でお届けしています。また近隣のお客様に向けては、フードシェアリングサービスのアプリ「TABETE」を活用して、主に前日のロスベーグルをランダムに詰め合わせたお得なセットを販売しています。こちらは店舗でのお渡しで、リピートされるお客様も多いそう。

「こども食堂」は、同店オーナーが2021年6月から取り組んでいます。感染対策のため、現状では毎週金曜日営業終了後の本店でオーナー自らつくったお弁当を冷凍ベーグルと一緒に手渡しする形で、毎週2〜3組の利用があるそう。
店舗にはこども食堂のための寄付金箱を置いています。「カフェ・ソスペーゾ」といって、コーヒー1杯を楽しむときに、余裕のある人にはもう一杯分のお金を寄付してもらう、イタリア・ナポリのバールで始まった募金をヒントにしています。
「『カフェ・ソスペーゾ』のような取り組みが広がっていくと、誰でも無理なくちょっとずつの参加ができます。そして、いずれはこの店が、支援を必要とするこども達の居場所になれたらと願っています」(荒木さん)。

[TABETE」での販売例「ベーグル詰め合わせ8個セット」680円(税込)
「こども食堂」の取り組みを知って、たくさんのお客様が寄付してくださいます

世界中の、一人ひとりの課題でもあるSDGs。ベーカリーが実践しているさまざまな取り組みを通して、今一度SDGsについて考えてみるきっかけになるかもしれません。ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

※店舗情報及び商品価格は取材時点(2021年10月)のものです

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