竹谷さんだから聞けるパン職人の理想と挑戦-対談vol.23
優れた感性が生み出した秘境の名店~この地だからできること~
Aigues Vives(エグ・ヴィヴ) 丹野 隆善さん

「竹谷さんだから聞けるパン職人の理想と挑戦」。今回は、北海道小樽市忍路の「Aigues Vives(エグ・ヴィヴ)」の丹野隆善さんにお話を伺いました。札幌から車で1時間ほど、国道から脇道に入った丘の上に「Aigues Vives(エグ・ヴィヴ)」はあります。決してアクセスが良いとは言えない場所ながら、お客様が続々と訪れる繁盛店。その訳を探るべく丹野さんの経歴、薪窯との出会い、2000年にお店がオープンしてから現在までの経験などから見えてくる「Aigues Vives(エグ・ヴィヴ)」の魅力に迫りました。

前編 後編

卓越した感性を磨いた特異な経歴







竹谷
 本日はお忙しいところ、お時間いただきありがとうございます。
丹野
 こちらこそありがとうございます。竹谷さんとの対談のお話をいただけるとは思いもしませんでした。
竹谷
 まずは丹野さんの経歴についてお伺いしたいのですが、面白い経歴をおもちですよね?北海道大学の理学部を卒業されていると伺いました。そこからどのようにパン職人への道に進まれたのでしょう?
丹野
 北海道大学理学部で地球物理を専攻しました。建築と迷ったのですが地球物理を選択。しかし勉強を始めてすぐに地球物理になじめない自分に気がつきました。ちょうどその頃、パンのおいしさに気がついたんです。食べるだけでなく、自分で本を買ってきてパン作りも始めました。元からパンを食べるのも好きだったのですが、作る楽しさを知ったことがパン職人を目指すきっかけですね。
竹谷
 そこからどんどんパン作りに魅せられていったんですね。
丹野
 はい。はじめは自宅にある道具のみで作っていたのですが、調べていくうちに道具だけでなく材料もさまざまなものがあることを知り、パン作りの奥深さにどんどん引き込まれていきましたね。
竹谷
 そんな経験をしつつ大学卒業後はどちらで修業をされたんですか?
丹野
 札幌の老舗ベーカリーである竹村克英さんの『ブルクベーカリー』で2年間修業をしました。その後、すぐにヨーロッパ諸国を巡る旅へ出ました。この旅で出会ったパン屋さんからの影響は現在の自分にとって、とても大きな財産となっています。
竹谷
 どのような出会いがありましたか?
丹野
 コネクションがあった訳ではないので、突然行って修業をさせて欲しいと申し込んだり、パン作りを見せて欲しいと頼んだりしていました。どのパン屋さんも快く接して下さいました。なかでも印象に残っているのはフランスのサリアンという村にあるフレデリック・ボワイエ氏がパトロンを務めるパン屋さんです。「パンというのはこのように人々の生活のなかに溶け込んでいるものなんだな」と、とにかく見るもの全てに感動していました。
竹谷
 とてもすばらしい経験をされたんですね。世界のパン屋さんはどこにいっても優しく迎えてくれますよね。
丹野
 はい。長く修業をすることも大切かもしれませんが、そのような1日2日の経験のほうがなぜか心に残ることが多いように思います。私もこのヨーロッパでの半年間の経験は、お店を作っている時、常に頭の中にありました。
竹谷
 それでこのような素敵なパン屋さんが誕生したんですね。修業時代の苦労というのはとくに感じたことはないのでしょうか?
丹野
 そうですね。とにかくパン作りが楽しくてここまでやってきました。ただ2年間の修業のみでヨーロッパへ行ったので、技術的知識が不足していて、全て直感的に学ぶというスタンスだったのは少しもったいなかったかなとも思っています。
竹谷
 昔は私もパン作りを習得する近道は理論から入ることだと思っていましたが、今は決してそうではないと思っています。理論は壁であり、柱となるのは直感の方なのです。普通のパンを作るのであれば、理論から入るほうが早いかもしれませんが、自分の個性・オリジナリティを出したパンという点においては直感が欠かせませんね。
丹野
 私の場合は、たまたまそうなったとも言えますが、そう言っていただけると、とても励みになります。

修業時代から憧れた「薪窯で焼くパン」の実現へ



竹谷
 修業を終え、北海道に戻ってすぐにお店をオープンされたのですか?
丹野
 まずは出店場所を探すことから始めました。
竹谷
 一番気になるところですが、どうしてこの場所への出店を決めたのでしょう?
丹野
 第一に薪窯で作ったパンを提供したいという想いがありました。その実現のためにはやはり札幌などの都心では難しく、郊外という選択になります。そこで札幌から1時間ほどの距離でどこかいい場所はないかと探していたところ、この忍路に出会ったのです。
竹谷
 出会いのきっかけを教えて下さい。
丹野
 私は昔から陶芸が好きで、忍路で活動をしている陶芸家・高田義一さんと交流がありました。忍路にも数回訪れたことがあり、出店場所の相談をしたところ高田さんからこの場所を紹介していただいたんです。
竹谷
 人との繋がりがこの場所へ導いたんですね。お店開業まではどのくらいかかりましたか?
丹野
 約1年間かかりました。はじめは建物を建てるために整地から始め、民家の改装、そして丸太の仕入れ、丸太の皮むき、薪割り、薪窯の準備……。とにかく一から作り上げていきましたね。
竹谷
 薪窯にこだわった理由はやはりヨーロッパの旅で出会ったパン屋さんの印象が強かったからでしょうか?
丹野
 はい。ヨーロッパではさまざまな薪窯に出会いました。日本にはまだない薪窯で焼くヨーロッパ伝統のパン文化を、日本に合う形で伝えたいと思いました。

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