パン屋さんで活躍する女性たち
パンとお店と“私”のストーリー

DONNA 店主 吉野俊江さん

DONNA 店主 吉野俊江さん

もともと関西出身なんです、私。25年ほど前、当時は専業主婦だったんですが、近所にあったパン教室に通ったことをきっかけにパン作りの魅力にはまりました。息子がアトピーだったのもあって、無添加の体にやさしいパンをあれこれ工夫して作る日々。

その後、夫の転勤で幕張へ引っ越してきました。知らない土地で友だちもいないので、パン作りに、より一層没頭しました。どんどん作るから家ではとてもじゃないけど食べきれないのでご近所に配ったり…。すると、そのパンが口コミで評判を呼び、パン教室を始めました。

そして、41才のころに離婚しましてね。2人の子どもを育てるために、一念発起してパン屋になりました。最初は9坪くらいの小さなお店でした。パン職人のような修業はしていないし、当時は女性のパン屋さんが珍しい時代。大きな窯やミキサーなど、プロ仕様の道具を扱うのも初めて。寝ないで働いて、あっという間に体重が10キロくらい落ちて40キロなかったです。当時はがむしゃらでしたね。

こんな経緯でパン屋を開業して22年になります。今に至るまで、いろいろなアドバイスをいただいたり、支えてくれる人がいました。ある人は「おまえは素人だから職人には勝てないよ。だから、派手でよそいきのパンではなくて、毎日食べても飽きないおいしい食事パンを作りなさい」と言ってくれました。この言葉を心にとめて、丁寧に真面目に22年ずっとパンを作り続けています。

パンへのこだわり

小さな子どもからお年寄りまで安心して食べられるように、無添加で体にやさしいパンを手間をかけ、心を込めて作っています。カレーパンのルー、サンドイッチのフィリングなども手作りです。

長年大切に育てている自家製レーズン酵母。「天然酵母のイギリスパン350円(税込)」に使用されている。 かぼちゃの素朴な甘みを生かした「かぼちゃのほっぺちゃん50円(税込)」やカスタードクリームがあふれるくらいたっぷり入った「クリームパン155円(税込)」などが並ぶ店内。
厨房は店の奥。仕切りがないので、お客さんはパンを選びながら製造過程が見える。 自慢の溶岩窯。遠赤外線で焼くから、中はふんわり、外はパリッと焼き上がる。

女性ならではの苦労

実は、数年前まで更年期障害に悩まされていました。鬱っぽくて気力がわいてこないんです。でも、店を休むわけにはいかない。朝の仕込みはがんばって乗り切りましたが、後はスタッフが親身になってサポートしてくれました。心身ともにどれだけ救われたかわかりません。

「DONNA」とはイタリア語で「女性」という意味。気心の知れた女性スタッフが吉野さんを細やかにサポートする。

どんなお店にしていきたいですか?

原材料高の厳しい時代ですが、今まで通りの作り方を守って、パンの質を落とさないことが大切だと思っています。実際に店舗に足を運んでくださる方以外にも、近隣のレストランや企業への卸しなどを通していろいろな方にDONNAの味を伝えていきたいですね。

企業の売店へサンドイッチを卸している。配達は吉野さんの担当。軽自動車を運転して運ぶ。 感謝祭のお知らせ

「お近くにお越しの際は是非お立ち寄り下さい!

お気に入りのpan

食パン(1斤)250円(税込)食パン(1斤)250円(税込)
前日以前にある程度仕込みを済ませて生地を焼き上げる、老麺法で作った食パン。小麦の香りが増して、皮もおいしく焼き上がる。

店舗情報

店名/DONNA
郵便番号/〒262-0033
所在地/千葉県千葉市花見川区幕張本郷5-20-8
最寄駅/JR総武線 幕張本郷駅
電話番号/043-274-6618
営業時間/8:00~19:00
定休日/日曜・月曜

<オススメパン>近隣のレストランにも卸しているという「バタール230円(税込)」。焼き立ての味はもちろんだが、冷めても中はもちもち、外はカリッと香ばしい。ビスケット生地の中にはたっぷりのメープルシロップが入った「プーさんのメロンパン160円(税込)」。カレーがたっぷり入っているのがうれしい! スパイスの配合もオリジナルの「カレーパン145円(税込)」。

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