竹谷さんだから聞けるパン職人の理想と挑戦-対談 2号店「ラ・タヴォラ・ディ・オーヴェルニュ」への想い~イタリアというテーマでの挑戦 ラ・タヴォラ・ディ・オーヴェルニュ 井上克哉さん

前編 後編

本格ナポリピッツァ提供のこだわり

竹谷
 特におすすめしたい商品はどちらですか?
井上
 2号店ではイートインスペースを22席設け、店内商品に加えて本格ナポリピッツァを店内で味わっていただくことができます。テイクアウトも可能ですが、ぜひ出来たてのピッツァを食べていただきたいですね。
竹谷
 ピッツァを販売しているんですね!こだわっているポイントを教えてください。
井上
 種類は「マルゲリータ」、「マリナーラ」の2種類を販売しています。釜はツジ・キカイのナポリピッツァ用の石釜を使用。500℃で一気に焼き上げることで中はモチモチ、外はパリッと仕上がります。
竹谷
 ピッツァはとても興味深いですね。2種類の特徴を教えていただけますか?
井上
 人気はモッツァレラチーズとバジルの香りが食欲をそそる定番の「マルゲリータ」ですね。トマトソースとガーリック、オレガノのみのシンプルなピッツァ「マリナーラ」もおすすめです。ドリンクと合わせて600円というお得なセットもあります。
竹谷
 パン屋さんが作ったピッツァは珍しいですよね。
井上
 そうですね。販売しているパン屋さんは少ないですが、パン屋さんにピッタリの商品だと思っています。たくさんの人においしさを伝えていけたらと思いますね。

イタリアパンのおいしさを知ってほしい

竹谷
 ほかにイタリアのパンでおすすめはありますか?
井上
 スフォリテッラやカンノンチーニは食感がとても独特な商品です。他のパンとの食べ比べを楽しんでほしいですね。
竹谷
 それぞれどんな商品か教えてください。
井上
 まず「カンノンチーニ」はコロネのなかに濃厚なチョコレートクリームをたっぷり入れたイタリアの菓子パンです。生地はザクザク、クリームはトロッと。2つの食感を楽しめる商品です。小さなお子様にもおすすめですよ。
竹谷
 いい商品ですね!スフォリテッラはどんな商品ですか?
井上
 こちらはナポリを代表するお菓子です。いちじくのクリーム味とパリパリとした食感が楽しめます。名前も“何枚も重ねた”という意味をもっているので何層にも重なった生地の食感を楽しんでいただくことが出来る商品です。

竹谷
 そのほかにお店のおすすめポイントはありますか?
井上
 定番のイタリアパンの他に、毎月イタリアの食材を使用したパンを数種類販売しています。こちらにもぜひ注目していただきたいです。
竹谷
 毎月新商品を出しているんですか!それは井上さんが商品案を全て考えているんですか?
井上
 はい。少しでも常連さんに新しいものを食べて頂きたいという想いからなるべく新商品を提供できるように心がけています。商品案は私も考えますが、スタッフからも案を集め、おいしいものは採用しています。社員教育の一環ですね。
竹谷
 とてもいいことだと思いますし、スタッフ教育にもピッタリですね。
井上
 はい。この取り組みはこれからも続けて行こうと思っています。
竹谷
 今後の目標を聞かせてください。
井上
  2号店がオープンしたばかりですので、しばらくは1号店と2号店の魅力をしっかりと地域の人に知ってもらえるように努力を続けていきたいと思っています。毎日の食卓においしいパンを届けられるよう頑張っていきます。
プロフィール

【井上克哉さんプロフィール】
1968年東京都出身。株式会社 中村屋「ファリーヌ」、有限会社 ビゴの店、株式会社 ドンク「ジョアン」チーフ勤務を経て、2003年『ブーランジェリーオーヴェルニュ』を立ち上げ独立。1998年より各地のベーカリーコンテストに参加。1999年のカリフォルニアウォルナッツコンテストグランプリ受賞を皮切りに、カナダ小麦を使った食パンコンテスト最優秀賞、第2回saf製パンコンテスト優秀賞など数々の受賞歴を持つオーナーシェフ。ドイツで3年に一度開催される国際製パン・製菓機材総合未本市「iba」にて行われるイベントibaカップにも2009年に日本代表として出場している。

対談場所

営業時間7:00~19:00(定休日:無休)

2014年2月に開店した「ラ・タヴォラ・ディ・オーヴェルニュ」は東京都葛飾区のJR小岩駅から15分、京成小岩駅からは10分ほどの場所にあります。お店のテーマはイタリア。お店の外観や内装もイタリアをイメージし、もちろんイタリアのパンを揃えています。特徴は店内の石釜で焼き上げる本格ナポリピッツァを販売しているところ。
京成立石駅から15分ほどのところにある1号店「ブーランジュリー・オーヴェルニュ」とともに、お客様へ毎日おいしいパンを届けられるよう朝7時から焼き立てのパンを提供しています。

前編 後編

対談を終えて

井上さん  この度は、忙しい中、お店まで来て頂きありがとうございます。「新しい製パン基礎知識」を教科書に育った自分にはとてもありがたい時間でした。今でも従業員には、この本を持つように指示しています。
 自分が挑戦したコンテストでは、何度も審査員をしていただき、最近ではドイツパン菓子勉強会でご一緒させて頂く事も多くなり、とても勉強になります。
対談を終えて、これからも自分のパン作りをしていく中で、先生から学んだ基本を大切に、毎日食べたくなるパンを目指してパン作りに励んでいきたいと改めて思いました。  何かに迷った時には、アドバイスお願いします。

竹谷さん  京成小岩駅から少し歩いたところに、井上氏の2号店「ラ・タヴェラ・ディ・オーヴェルニュ」が有る。周りは住宅街だが、そこだけはイタリア・ナポリの空気が漂うような雰囲気である。
中に入るとゆったりとした空間と明るい色使い、イタリアをイメージして店づくりをしたとのこと。正面に飾られていたのが歴代コンクールで受賞した、トロフィー、盾、メダル、そして受賞作品のパンが商品棚に並んでおり、お客様も喜んでトレーに乗せている。井上氏の受賞歴は有名だが、従業員も負けてはいない、今回IBAカップの代表選手に選ばれた浅井チーフをはじめ、歴代のチーフ、若手がコンクールだけでなくパン技能検定試験にも挑戦し成果を出している。
従業員教育には特に力を入れており、入社すると、めん台、窯、リバース、仕込みと経験させ早い人では各部署2~3か月、2年もすると一通りの仕事をこなし、5~6年で独立する人が多いとのこと。新製品開発も半年目からはチームの一員として参加、経験を積ませている。
モチベーションの高い従業員を育てることで、常連さんに美味しいパン、新しいパン、そして美味しい食べ方を提案し続けている。その他に社外活動としてドイツパン菓子勉強会の幹事や、チャリティー講習会など、社会貢献活動にも積極的に取り組んでいる、でもそんな様子を感じさせないことも井上氏の魅力である。これからも地域に密着したベーカリーとしてますます発展していただきたい。

※店舗情報及び商品価格は掲載時点(2014年7月)のものです

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