紹介してくれた人
敷島製パン株式会社 グローバル戦略部 リテール推進グループ
栗田木綿子さん
敷島製パン株式会社にて「超熟 国産小麦」をはじめとした商品開発を担当。ハード系パンの工場新設を機に開設された、パンの情報発信基地「アトリエパスコ」プレゼンルームの初代館長に就任し、パンとさまざまな料理とのマリアージュを提案してきた。現在はベーカリーカフェ「PLUSOUPLE(プラスプレ)」を担当。
RECOMMENDED COMBINATION おすすめの組み合わせ
旬の素材を使った「二十四節気のスープ」と麦が香る「カンパーニュ」
JR御茶ノ水駅構内にある「PLUSOUPLE」は、焼きたてのパンとスープとスプレッドをイートイン、テイクアウトで楽しめる、都会型の“クイックベーカリー”です。
通勤、通学途中やランチタイムにも気軽にサクッと立ち寄ることができ、忙しい日々の中で食を通して自然の恵み、豊かな日本の四季を感じていただくことを目指しています。
パンによく合うスープとスプレッドは、旬の国産素材をメインに使い、アイテムのほとんどをお店で一から丁寧に調理しています。
スープと一口に言っても、さらりと澄んだスープ、トロリとクリーミーなポタージュ、ゴロゴロと大きな具材を煮込んだスープなど、テクスチャーはいろいろ。また、味付けもさっぱり塩味ベース、ミルク、トマト、カレーに代表されるエスニック系、和風の醤油や味噌など、バリエーションは限りなく広がります。
当店では、パンに合うスープを常時4種類ご用意しています。野菜を無駄なく使うベジブロス(野菜だし)の「ミネストローネ」、季節の素材を丸ごと楽しむ「ポタージュ」、グリルチキン入りの「スープカリー」、そして2週間ごとに変わる「二十四節気(にじゅうしせっき)のスープ」。
どれも旬の具材がたっぷりで、「飲む」というより「食べる」スープ。その中から、今回、私がぜひおすすめしたいのは「二十四節気のスープ」と「石臼挽きライ麦粉入りカンパーニュ」の組み合わせです。
「二十四節気」とは、春夏秋冬の四季をさらに6つに分けた季節の呼び名です。春でしたら、立春(りっしゅん)雨水(うすい)啓蟄(けいちつ)春分(しゅんぶん)清明(せいめい)穀雨(こくう)と続きます。
当店の「二十四節気のスープ」は、旬を迎える素材を選び、季節と食にまつわる古来の習わしなども踏まえつつ、その時季だからこそ自然と体が欲する、いちだんとおいしく感じてもらえる味にこだわりました。
いずれも、油脂は少なめでパンともなじみやすいさらりとしたテイスト。素材のおいしさを感じていただけるような繊細な味わいのスープです。
たとえば、「夏至」のスープは「たこと黒オリーブのトマトスープ」。関西地方では、畑の作物がタコの足のようにしっかりと大地に根づいて豊作となるようにと、この時期にタコを食べる習わしがあるそう。やさしく煮込まれた野菜とタコは、トマトと黒オリーブのうまみをまとって暑い季節にぴったりのテイストです。
合わせるパンは「石臼挽きライ麦粉入りカンパーニュ」。パリッとハードなクラスト、もちっと、つやっとした、炊きたてごはんのようなクラムを楽しめるシンプルな食事パンです。スープの繊細な味わいを楽しむには、甘みや油脂の入らないカンパーニュはベストマッチ。やさしい味わいのスープと一緒にいただくと、噛むほどにしっかりとした味わいと麦の香りが口の中を満たし、パンのおいしさが引き出されていきます。普段はカンパーニュを食べない方にも、ぜひ試していただきたい組み合わせです。
「二十四節気のスープ」には、がんもどき、梅、味噌といった和食の要素を取り入れることもあります。6月初旬の「芒種」には、梅雨の訪れを迎え、梅の実が出回る季節に合わせて「梅と夏野菜のポトフ」が登場。鶏肉といろいろな夏野菜の彩り、食感、味わいを楽しんでいただけるスープに、ねり梅が爽やかな酸味をプラスします。特に意識して和風に寄せようとしているわけではないですが、国産の素材をチョイスすることで、自然に和のテイストをまといます。どこか懐かしくて、ほっこりする味わいのスープが、シンプルな食事パンによく合います。
イートインメニューには、カンパーニュのほか食感の異なる3種類の食パンをカリっとトーストして、お好きなスープと4種類のスプレッドを合わせたセットなどもあります。スープとパンのマリアージュが、パンによってどう変わるのか、さらにパンとスプレッドの組み合わせも楽しんで、ご自身のお気に入りマリアージュをぜひ探索してみてください。
STORE RECOMMENDATION 私のお店のおすすめ
プラスプレのおいしいところを詰め込んだ
テイクアウトボックス
パンとスープ、パンとスープとスプレッドのマリアージュは、イートインだけでなく、テイクアウトでも楽しんでいただけます。
持ち運びしやすいテイクアウト用のオリジナルパッケージを、私たちは「おかもち」と呼んでいます。職場で、ご自宅で、天気のいい日は公園などで、「おかもち」を開けた瞬間に、うわぁ~♪と気分が上がるパッケージデザインにもこだわりました。
おかもちの内側は四季をイメージした和絵の具テイストの絵柄になっていて、そのままランチョンマットとして使っていただけます。中は2段式で、下にパンやサラダ、上段はスープやドリンクがぴったり収まるカップホルダーです。
スープをメインで食べたいときは、たっぷりサイズのスープがついた「テイクアウトボックス ブレッド&スープ 」がおすすめです。サンドイッチとサラダ、当店自慢のカヌレも入った「テイクアウトボックス サンド&デザート」、鎌倉食パンのグルメサンドと、季節の自家製スプレッド、サラダ&キッシュがセットになった「テイクアウトボックス グルメサンド&スプレッド&ソーザイ」は、それぞれミニサイズのスープを選べます。
当店のパンは、バゲットやカンパーニュ、湯種生地でつくる「鎌倉食パン」などの食事パンのほか、惣菜パンや菓子パンもバランスよく、60種ほどを揃えています。すべてのパンに「ゆめちからの乳酸菌®発酵種」を使用して、深い味わいを引き出しています。また、石臼挽きの小麦粉やライ麦粉を使ったアイテムも多く、麦本来の香ばしさと、奥行きの広がる味わいを楽しめます。当店は駅構内にあり、平日は21時まで営業していますから、お仕事帰りに立ち寄ってお好きなパンを選んでいただけるのも好評です。
パンは朝食に食べるもの、というイメージがまだまだ強いようですが、ときには夕食の米飯の代わりにパンを召し上がってみてはいかがでしょう。スープやおかずと一緒に、カンパーニュをホールのままどん!と置けば、迫力満点の映えるテーブルに。みんなで切り分けて食べることで会話も弾みます。バゲットは斜め薄切りだけでなく、厚さや切り方を変えるだけで、ビジュアルも食感も大きく変わります。
主食の選択肢の1つにパンを加えることで、食の幅が広がり、食卓の景色も華やかに、気持ちはより豊かになります。パンとスープ、パンと料理のさまざまなマリアージュを、ご家庭でもぜひ楽しんでいただけたらと思います。
店舗情報
- 店名
- PLUSOUPLE(プラスプレ)エキュートエディション御茶ノ水店
- 住所
- 東京都千代田区神田駿河台2-6(JR御茶ノ水駅聖橋口改札外)
- TEL
- 03-5244-5235
- 営業時間
- 月曜~金曜7:30~21:00、土曜、日曜、祝日9:00~20:00
- 定休日
- 施設に準ずる
- URL
- https://plusouple.jp/
※鎌倉に本店あり
※店舗情報及び商品価格は取材時点(2024年5月)のものです
※店舗情報及び商品価格は取材時点(2024年5月)のものです