燻製の達人に聞く、パンと燻製のマリアージュ
vol.26 燻製の達人に聞く、 パンと燻製のマリアージュ 紹介してくれた人 「軽井沢いぶる」工房長 中村 洋次郎さん 長野県出身。都内でフレンチの料理人として腕を振るったのち、軽井沢に移住。軽井沢で18年続く燻製工房「軽井沢いぶる」にて、燻製づくりに取り組む。伝統的な燻製の技法に、現代の技術と新たな発想を取りいれて、これまで不可能とされていた素材の燻製にも挑んでいる。 RECOMMENDED COMBINATION おすすめの組み合わせ 燻製オリーブオイル&燻製岩塩で薪窯で焼きあげたような芳ばしさに 燻製は、肉や魚などを長く保存するために生まれた技です。じっくり時間をかけて食材を煙でいぶすことで保存性を高め、独特の香りがつくだけにとどまらず、熟成が進み、素材そのものの旨味が凝縮します。燻製は、素材をよりおいしくする方法でもあるのです。 燻製には、燻す際の温度帯によって、冷燻、温燻、熱燻の3種類があります。市販されている燻製製品は、60~80℃の高温の煙を大量に庫内に閉じ込めて、30分~1時間程度の短時間で仕上げたものが大半です。 私たちの燻製づくりで最もこだわっているのは、「時間」と「低温」です。食材と燻す煙を極限まで冷やし、ちょうど「源泉かけ流し」のイメージで、燻製器の中にこもらせずに通過させていきます。そのため食材により16時間〜2日間の時間がかかりますが […]